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戸田市・上戸田氷川神社狛犬 明治30年(1897年)・石工 五郎兵衛(浅草高原町)

前回の2018・02・19の狛犬巡り・戸田市・美女木八幡さいたま市・辻熊野神社蕨市・和楽備神社 に味を占めて土手のジョギングからの家への帰路3つの社を回りました。5月は那須山の桜を見たりイワナ釣りに行ったりで村に行くことが多く土手に来るのは久し振りになります。

6月12日、何時もの中土手にジョギングに来ました。川と水源地に囲まれた中土手は空いているのと広大な景色が気にっています。家から訪れるのにかなりの時間が掛かるのですが、時速6kmの行程でのろのろしている私には人の目が恥ずかしいので、ここは絶好の場所になります。菜の花の季節が過ぎて 土手の斜面は濃い緑に染められていました。2018.06.12

緑の土手
土手への最後の登りです、余りここまで来る人は多くないようです。

土手の横の一番目の橋に電車が差し掛かりました。

緑一面の土手が延々と続いています。2018.06.12

野草の花に黄色の蝶が止まって居ます。カメラを構えると素早く逃げて行きました。

折り返し点の近くの土手から下流を見ています。空は薄曇り、スカイツリーは雲の中に入っています。2018.06.12

出発点から約5km強、折り返し点の3番目の橋までやってきました。橋の下のトンネルの壁にタッチしました。トンネルの壁にはスプレーでいたずら書きが一面に書かれています。

トンネルの出口が、まるで映画館の真四角なスクリーンに映し出されているような風景に見えます。これから出発した駐車場に戻る事にします。その後、家までの帰路、グーグル・マップで狛犬の居そうだと見当を付けた社を訪ねる事にします。2018.06.12

内谷氷川神社

内谷氷川神社住所:さいたま市南区内谷2丁目2−17。17号バイパスの帰路の左にグーグル・マップで見つけた神社です。マップからは狛犬の存在が確認できませんでしたが、かなり大きな神社なので立ち寄ってみました。一回りすると南側の鳥居の前に参拝用の駐車スペースがありました。2018.06.12

途中に池があるかなり大きな社です。木立も多く見られ緑に込まれた神域が広がっています。

残念ながら狛犬は見られませんでした。参拝をさせてもらって次に向かう事にします。2018.06.12

戸田市・上戸田氷川神社

土手のジョギングや春の桜の頃に海までジョギングする折に通りがかるだけの戸田市ですが、荒川(隅田川上流部)を挟んだ板橋区と共にこの町には6つの江戸又は江戸の雰囲気を感じさせる見応えのある狛犬が残っている事に驚いています。私はジョギングの折に車で通るのでしかとは分かりませんがJR埼京線を使う事で下記記載の多くの狛犬に出会えるのではないかと思います。

戸田市の狛犬
笹目神社 美女木八幡(江戸と昭和) 上戸田氷川神社(明治と江戸) 新曽氷川神社(大正)
早瀬浅間社 (極めて小型ですが大量生産タイプではないようです・数から除きました)

 

上戸田氷川神社住所:戸田市上戸田3丁目20−11。

境内に入ると右に延宝7年(1873年)の状態がかなり綺麗な庚申塔があります。大鳥居には寛政10年(1798年)の説明がありました。

それにしては大変綺麗な状態です。県境の村の狛犬巡りでは今回の震災でかなり石の鳥居が落ちてしまっていました。この鳥居は関東大震災を生き残ったのかもしれません。

上戸田氷川神社は戸田市役所近くにありました。嬉しい事に境内の入り口からも狛犬が見えます、一安心です。拝殿右に旧戸田の渡し近くにあったと説明板に書かれている羽黒神社が合祀されています、ここには更に嬉しい事に江戸の狛犬が置かれています。

最初に長い石畳の参道の先に見える重厚な雰囲気の拝殿で参拝をさせてもらいました。2018.06.12

戸田市・上戸田氷川神社狛犬 明治30年(1897年)・石工 五郎兵衛(浅草高原町)

高い石組の上の狛犬、右に置かれている事や口の開き具合から阿像と思われます。ビワの実と夾竹桃の花が背景に彩を添えています。

明治維新から30年後の狛犬には江戸の石工の作品らしい雰囲気が感じられます。滑らかな曲線の彫りは見る人を和ませてくれるでしょう。これ見よがしの派手な装飾を野暮と感じる江戸の職人らしさが漂っている良い狛犬に出会いました。違和感を感じさせない狛犬は静かに互いを見合っています。

石工・五郎兵衛が住んでいた浅草高原町は、現在の地下鉄銀座線の田原町駅近く、江戸の職人が多く暮らす町でもありました。現在も上野駅までの通り道には仏壇屋さんが多く見られます。2018.06.12

阿像の反対側に回って眺めてみました。やはり全体の曲線の彫が滑らかで柔らかい印象が出ています。子供の狛犬との組み合わせの意匠もかなり独創的に見えます。2018.06.12

明治30年(1897年)2月建設の彫りがハッキリと認められます。嬉しい事に東京” 浅草高原町 石工 五郎兵衛 ”と石工の名前が見えます。いずれどこかでこの名前に出会う事を祈念しました。

因みに浅草高原長は現在の台東区寿二丁目で地下鉄銀座線田原町駅近くにあたります。上野駅から吾妻橋に向かう通りには沢山の仏壇屋さんが並んでいます。この上戸田氷川神社は隅田川の上流部・荒川(江戸時代はこの辺りは戸田川とも呼ばれたようですが)の岸に近く船運で繋がっていたことがこの江戸の職人の狛犬の存在と関係があるのかもしれません。2018.06.12

左の吽像との間が広く開いています。阿吽の狛犬が立つ空間には目に見えないバリアがあるようです(勝手な思い込みですが)。2018.06.12

左の吽像の表情も穏やかです。玉は籠彫りではありませんが、美しい模様で飾られています。狛犬
は若干大き目かもしれません、高い台の上に置かれているので姿が映えます。吽像も柔らかな輪郭の曲線が美しいと思いました。

この顔を何処かで見たような気がするのですがはっきりとしません。念の為、折りにつけ探してみたいと思います。2018.06.12

 

 

吽像の後ろ側です。緑の溢れる神域の中に静かに溶け込んでいます。穏やかに時が流れて行きます。

2018.06.12

 

羽黒神社

社の左に説明版に書かれている羽黒神社が祀られていました。

石碑の左右に江戸の狛犬、左手前には奉納された江戸の手洗いの水を入れると思われる手水舎の一種にも見える石造物。この右手には江戸時代の芭蕉の句碑まで見る事が出来ます。私も何度か羽黒山を訪れた事が有るので、江戸の羽黒山信仰の人々の姿が他人事とは思えず生き生きと目に浮かんできました。2018.06.12

羽黒神社狛犬・享和元年9月(1801年)・和泉屋 三良花馬(北八丁堀)

随分古い江戸の狛犬が残っていたと嬉しい気持ちでしみじみと見させて貰いました。彫は決して高い技巧を示しているものではありませんが、簡素な作りが見るものにあれこれと想像を膨らませてくれるようです。

狛犬は小型と言えます。こちらは若干口を開き気味なので阿像なのかもしれません(確かではありません)。頭には擬宝珠らしきものが見えます。

 

右の狛犬から左の狛犬を見ています。

後からも見てみました。台座には”北八丁堀石?河岸?””石工 和泉屋 三良花?馬?”。?の文字ははっきり判読できません。素人なので違っているかもしれませんが、八丁堀と和泉屋から泉州石工の系統なのでは思いました。私の知る和泉屋は向島・三囲神社の和泉屋太郎介の延享二年(乙丑)1745年の狛犬があります。

北八丁堀の羽黒山講の人々が奉納したようです。世話人の名前には肴屋、八百屋、大工等の江戸の人々の名前が見られます。下の石段には沢山の江戸の人々の名前が見られて大変興味深い狛犬です。まさに江戸の物語の中心地の一つに暮らしていた人々の寄進した狛犬になります。

こちらは左に置かれています、こちらも若干口が開き気味なのですが左より開き具合がおとなしいので吽像と推測しました(確かではありませんが)。頭に擬宝珠らしきものが見えます。

しみじみと見ると更に親しみが湧いてくる江戸の狛犬と出会えて、今回のジョギング帰りの神社巡りに大いに満足しています。2018.06.12

 

羽黒山神社の他の奉納物

羽黒山の名前が刻まれた、参拝前に手水舎の一種と思われると身を清める水を入れる為の(推測ですが)石の瓶が二つ奉納されていました。写真上の物には狛犬が奉納された同じ年号の享和元年9月(1801年)が彫られています。八丁堀の近くに多くの酒問屋が並んでいた新川の人々や日本橋の人々の名前が見えます。

もう一つには京橋の文字と嘉永7年(1855年)の文字が見えます。2018.06.12

狛犬の右に、文政7年(1824年)の文字が刻まれた大きな自然石の芭蕉の句碑が奉納されています。芭蕉が奥の細道で羽黒山に訪れた折の句です。以前何度か訪れた羽黒山を懐かしく思い出しました。この神社は芭蕉の暮らした深川とは隅田川で繋がっています。”涼しさやほの三日月の羽黒山”

伏見稲荷
拝殿の右に羽黒山神社、左には伏見稲荷が祀られていました。狐の石像がいかにも優雅な作りの江戸の石像でした。”文化”年間(1804~1818)までは読めるのですが、正確な年号が判読できませんでした。
もう一つの狐の石像は一部破損していますが中々良さそうな姿です。こちらも”文化”年間(1804~1818)までは読めるのですが(十らしき数が見えますが)、正確な年号が判読できませんでした。

上戸田氷川神社では二つの良い狛犬に巡り合った為にかなりの時間がとられてしまいました。急いで次の神社に向かう事にします。2018.06.12

07/11/2018
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