パイ作りに情熱を持ち、十分な腕もある主人公ジェンナ(ケ
リー・ラッセル)は生まれ育った田舎町のダイナーで3人の女性従業員仲間と働いています。パイは幼い頃の母親の歌と愛情とがこもった思い出の食べ物、未来へのあこがれと希望が全てつまった大切な存在。映画の中ではジェンナの思いがパイとなって重要な役を演じています。 (↑JR有楽町駅を出て日比谷映画街へ向かう)
信じられないほど横暴な亭主から逃げ出すためにへそくりをしていたのですが、望まぬ妊娠をしてしまいます。心の通い合い、思いやりが皆無の横暴だけの亭主、診察のために訪れた産婦人科医と互いに一目ぼれして恋愛関係になります。此処から先はアメリカ映画得意のラブ・コメデイー・タッチ(それでもこれはかなり良質な出来です)ですので流れに任せて楽しめば良いと思います。心が通い合い二人で居ることに大きな幸せと生きる目的を見つけたジェンナ。互いに駆け落ちをしても良いとまでおもうようになりますが、自らの出産時に見た産婦人科医の妻を見て身を引く事を決断します。周りを不幸せにしてはと言う事ですが、新しい命を得たことともあったのでしょうか。結末をお話することは出来ませんが、最後は思ったとおりのハッピー・エンドですから安心して見ることが出来ます。
因みに画面後方の二人も互いに妻帯者ながら恋愛関係にあります。もう一人ウエイトレス仲間として出演しているのがこの映画の女性監督エイドリアン・シェリー。確かニューヨークだったと思いますが、隣室の騒音のトラブルに巻き込まれて死亡しています。映画の最後に愛くるしい娘を抱いてジェンナが登場しますが、この子供がエイドリアン・シェーリーの子供だそうです。大げさなアクション、信じがたい超人達の跋扈、CG満載で引っ張りまわされること無く、劇場で落ち着いて楽しめるかなり良質のアメリカ映画です。結論がやはり想像通りだった事はマイナスですが、懸命に生きる善良な女性を見た後の思いは心地良いものでしたので(たまには良い物です)プラスとして、私の採点は70点でしょうか。