昨年の終り頃、雪の下で育つ冬野菜の収穫を目論んでナバナを沢山植えました。雪と高原の寒さで揉まれたナバナの甘く柔らかい味を思い出しては舌なめずりしていました。

野菜は植えただけでは駄目なんだと言う集落の人々の忠告の通りで、訪れる事がままならず放置したままになりました。久しぶりに訪れた村では、大きく花を開かせたナバナの群落を見る事になります。食用にはなりません。それで苦味のある柔らかなナバナの味が諦められず農協の売店で10個程買い込みました。更に夕方近所の人がナバナを摘んだからと食べきれないほどたくさん持って来てくれました。街への良いお土産が出来ました。

結局全部引き抜いて耕す羽目になりました。機械で丁寧に地面を起こし,そのあとにトウモロコシと枝豆を植えました。この野菜は少しぐらい放置しても何とかものになります。夏休み頃、丁度食べごろを迎えるのです。少し早いのですがミニ･トマト、ナス、キュウリ、ピーマンの苗も植えました。翌朝、案の定小さな畑は霜で覆われました。2009.04.27

桜の花が咲きだした街の陽気に誘われて村を訪れて見ました。なんと朝になったら一面の雪景色です。庭に密かな彩りを添えてくれているナバナも雪で覆われいます。雪の中にたつ植物の姿は、私に朝一番の感動を与えてくれます。

一つまみをいただいて朝のサラダに、帰りには全て切り取り街に持ち帰りました。雪の下で春を迎えたナバナのほろ苦い味としゃきっとした歯ごたえ,しばらく家で村の思い出と共に私を楽しませてくれるのです。2010.03.29