イワシャジン
 
 
キキョウに似た薄紫のロート状の花を咲かせるイワシャジン。咲き方はしっかりと咲くキキョウと違って野草です。はかなげに風に揺れています。茎も細く葉も小さく今にも消えて無くなりそうな咲き方です。

リンドウと言いキキョウと言い何故か晩秋の花々は多くが気高い紫色、澄んだ空気によく似合っています。イワシャジンのブルーの花を飽きずに眺めています。厳しい村の自然の中にぽつんと花を咲かせる孤独なイワシャジン、とみに緩くなってきた涙腺がその姿に強く刺激されるのです。

花の長さは約27ミリ、先端部の開いた内径は約13ミリ。茎も花が付いている近辺では0.3〜0.7ミリと極めて細くこれが風に揺らされる原因でしょう。葉の長さは12センチほどになりますが、最も広い中心部でも幅約3ミリです。草丈は35センチ程度。白のイワシャジンも清楚な美しさです、機会を見て是非植えつけたいと思っているのです。

茎もしっかりと太く花もきっちりと開いているキキョウとは雰囲気が全く違います。これは何代目かのイワシャジンになります。どうしても雑草にまぎれて気付かずに抜き取ってしまうのです。

多くの野草は性質が極めて控え目です。自然の景色のバランスを壊さないように静かに芽を出し茎を伸ばします。それだけに目を凝らして見ていないといつの間にか雑草に紛れて抜き取ってしまいがちです。その咲き方こそが人々を引き付けるのでしょうから、植えた者の心遣いが求められるのでしょう。私にはそれが少し足りないようです。2008.10.11

10/12/2008

 
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