マンリョウ
春雪のマンリョウ
 

雪をかぶったマンリョウの赤い実が一際映えます。白い雪の傘の下で鮮やかさが目立ちます。日蔭の庭を目立たせてくれるライトを守る9番打者のような役割です。それでもこれが無くなれば庭の多様性が損なわれてつまらない空間が広がります。

目の端にはその姿を入れているのですが、しみじみと見惚れることは滅多にないのです。でも私には愛着の深い静かな植え木です。2010.3.8

 

裏の半日陰に植えられています。余り寒冷地には適していないと聞いていましたがちゃんと赤い実も付けてくれます。それでも寒さが強くなると、杉の葉っぱで寒さ除けをしたりしています。暖かい場所に比べるとやはり実の付き方が悪いようです。冬枯れの季節には殆どの庭の木が丸裸になります、そんな時には常緑樹の青葉だけがわずかに目を癒してくれます。

この日は庭の木々が、前夜来からの雪ですべて綿帽子をすっぽりとかぶっています。小さなマンリョウにはそれでも頭が重たそうです。 2008.01.02

マンリョウの花を見つけました。毎年変わらず咲いていたのでしょうが日陰の地味な場所の上に、葉の影にひっそりと花を付けていたので見過ごしたのでしょう。今はカメラ片手に綿密に見ています、それで新しい発見があるようです。実の付きかたも静かなら、花も静かで一目で気に入ってしまいました。時代小説の”居眠り磐音・万両の雪”に任侠心に富んだ盗賊・万両の大次郎が登場します。飯盛り女から団子屋の主人になった”お香”に万両の植木を与えます。大次郎が島流しから帰ってきて雪の大晦日、お香を尋ねた時にはかなり大きな木になっているくだりが出てきます。この小さなマンリョウを見るたびにその物語を思い出しています。2008.08.25
07/29/2019
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