色も程よく、花びらが大きいからといって押し付けがましくもありません。風に花びらを揺らしてチョウチョのように春を舞ってくれます。このあたりではヤシオツツジの開花が春のピークの一つです。桜が咲く頃には目が花の華やかさに慣れてきています。最初の桃色だけに印象強いものになります。ヤシオは春の寂しい枯野の風景にうんざりしていた人々に春の来訪を見せつけてくれます。
これを追って山がつつぢに覆われます。里山を見上げると、山つつぢの群落がピンクに染まっています。誘われるように人々はコタツの中から外に這い出していきます。長い冬枯れの景色が終わったのです。