2021年9月27日~28日、今年最後の渓流釣りにお馴染みの川にやって来ました。渓流を囲むような山々はやっと色づき始めたばかりです。山間の狭い田圃にも実りの秋がやってきたようで,稲の穂が黄金色に色づいていました。2021.09.28
上流部で30分程毛鉤を流してみましたが小さなヤマメが2度ほど姿を見せただけでした。
下流に向かって歩いています。途中から小沢を100m程下って本流に降りる事にします。これが大きな目論み違いでした。出だしの小沢に降りる斜面の藪に足をとられ草の原の上を這うようにして小沢を下りました。小沢の中も藪のカーテンで覆われていました。何とか本流に降り立ち大きく深呼吸をします。2021.09.27
小沢までの道路脇に月見草が眠ったように咲いていました。それでも今日も釣れないのではと言う不安を幾らかは和らげてくれます。作戦が上手く行かない事が普通ではあるのですが、もしかしたらと言う淡い希望を持つのも避けがたい事なのです。2021.09.27
藪漕ぎに大汗をかいてやっと本流に降り立ちました。釣用ベストは肩から外れ釣竿に取り付けた毛鉤もトップ・ガイドに引っ掛かって何とか止まっていました。
後2時間ほどしか残されて居ない絶好の時間で果たしてイワナは出てくるか心配です。2021.09.27
更に本流を50m程下ってから大岩の脇の淵を流していると、5度目の毛鉤の遠投で突然大きな手応えが釣竿に伝わります。
まさかこれ程簡単にイワナがヒットするとはと狐につままれた気分です。そしてそれは嬉しい予想外れでもあります。2021.09.27
一匹イワナを釣った事で緊張がとれました。後は釣れても釣れなくても渓流の景色を楽しみながら遡上する事が出来そうです。
力みが抜けて毛鉤の動きに緊張感が失せたせいかこの流れの深みで更にヤマメがヒットしました。2021.09.27
型はそれ程でもありませんが体高のあるヤマメがネットの中で観念したか静かに横たわっていました。2021.09.27
午後5時54分、辺りに夕闇が迫ってきました。近頃ではライトを点けずに戻れる程度で切り上げる事にしているので今日の釣りはこの大岩の淵が最後になりそうです。2021.09.27
昨日は小沢の藪漕ぎで散々な目にあったので、今日は本流を下る事にしました。若干岩がごろごろして歩き難いのですが、息苦しい程の雑草の中を歩くよりはよほど益しだと思い切りました。
川を下りだすと河原にママコナ(飯子菜)ではないかと思う優雅な野草が群生していました(花の名前は違っているかもしれません)。2021.09.28
4時45分大岩の脇の淵で水面を飛ぶ多くの昆虫を目指して小さなヤマメが盛んに飛びあがります。久しく目にしていない幸運の知らせです。
10回ほど毛鉤を流すとかなりの手応えがありました。まずまずのイワナが掛かりました。2021.09.28
午後6:05,大岩を回り込んで落ち込み口で最後の一匹を掛けました。何とかライト無しでの河原を歩けそうです。
今年最後のイワナ釣りがまれに見る楽しさだったことを暗闇の中で山の神にお礼を言いました。2021.09.28
今年最後のイワナ釣りは余り期待もせずに出かけましたが思いもしない楽しい釣りでした。県境の村での草刈り・野菜の買い物・植木の手入れと忙しく立ち働いた後の、たった夕刻の2時間ほどの釣りでお腹一杯の釣りを楽しみました。一般的に秋の毛鉤では型を大きいが数は出ないと経験的には感じているので今回の渓流釣りで考えを変えなくてはならないようです。何故あれ程の魚のジャンプがあったのかが不思議でなりません。2021.09.28