尾瀬沼から燧(ひうち)ケ岳・2356メートル地図  紅葉の御池モーカケの滝

甲斐駒ケ岳で登山靴の底が剥がれてしまい、仕方なく新しい靴を買い換えました。その足慣らしに村から近い燧(ひうち)ケ岳に出かけてみました。10月18日の早朝3:20分、真っ暗な村を出て桧枝岐村へと向かいます。御池着5:30分、平日にもかかわらず広大な御池有料駐車場(一回¥1,000)には既にかなりの車がとまっています。御池から熊沢田代経由で登る人々は既に出かけているようです。私は朝食後、6:30発の始発バスで沼山峠へとむかいます。空気が澄んでいます、そして快晴。眼下に尾瀬沼を眺めながらの快適な山の旅を楽しみました。 2010.10.18

概念図と時間
燧ケ岳地図
県境の村発 国道289号線経由
3:20
御池着
5:30
御池発バス発
6:35
沼山峠バス停発
6:45
沼山峠着
6:55
大江湿原入り口
7:35
尾瀬沼通過
7:50
浅湖(あざみ)湿原着
8:00
登山道分岐・浅湖湿原 発
8:15
食事 10:15~10:50
ミノブチ岳
11:17
ナデツ窪からの道合流点
11:22
俎嵓(まないたぐら)着
11:35
俎発嵓
11:40
柴安嵓(しばやすぐら)着
12:00
柴安嵓発
12:07
俎嵓着
12:23
俎嵓発
1:00
熊沢田代
1:45
広沢田代
2:05
御池着
3:05
福島県桧枝岐村御池からの登山口、沼山峠経由と熊沢田代経由が一般的です。私は沼山峠経由で長英新道を登り、熊沢田代から下りました。長英新道はぬかるみが多く木の根っこが出ていますが概して楽かもしれません。熊沢田代の道はゴロタ石の道で歩きにくい印象を持ちました。
   
御池から尾瀬沼へ

御池のバス停です。あたりの紅葉は今が盛りのようです。沼山峠のバスに乗ったのは3人だけです。

御池から沼山峠まではバスで約20分ほどです。一般の車は通年通行禁止です。バスの窓から見ると朝日の下に紅葉の林が一面に広がっています。 急ぐ旅でもないので沼山峠のバス停で地図を見ていると他の人はとっとと道を登っていってしまいました。静かな沼山峠のバス停です。
峠までは林の中を10分ほどゆるやかに登ります。尾瀬沼までこのような木道の道です。快晴の朝、左から日の光を浴びながら、後は峠からだらだらとした下りです

突然、草紅葉の原が目の前に表れます。大江湿原です。遠くに派手な色の点が幾つか見えます、最初それが何だか分かりませんでした。自然の中で目立つ色の点は近づくほどに団体の人々の姿です。草紅葉の中を私が下りてきた道を賑やかに登っていくようです。草紅葉の原が朝日に輝いています。木道には霜が下りていました。小川の流れの先に湖面らしきものが光って見えてきました。それが尾瀬沼のようです。燧ケ岳への分岐点から望む湖の水が濁っているように見えました。左のビジターセンター辺りに人だかりがします。立ち止まらずにそのまま右に曲って浅湖(あざみ)湿原へと道を取ります。

分岐点を右に曲がって行くと浅湖湿原に出ます。正面に燧ケ岳がすっきりと立ち上がっています。草紅葉の原との組み合わせを楽しみながら木道で一休みします。バスで乗り合わせた方が撮影をするらしく通り過ぎていきます。ガイド・ブックで見てきた長英新道は視界が良くないので、ナデツ窪の道が良いと言われて迷ったのですが、やはり調べてきた道を辿る事にしました。軽く食事の後少し戻って林間の中へと続く山道に入ります。

御礼を言ってから私は林の中へ、その方は木道の道を進んでいきました。 確かに見晴らしが無い木の根が出た道を緩やかに辿ります。見晴らしの良い場所に出たら休もうと思っていたら、ここまで休憩なしで2時間近くも歩く羽目になりました。 今までの気分を一気に晴らしてくれるような景色です。眼下に尾瀬沼、目を上げれば燧ケ岳がすっきりと空をふさいでいます。晴天ではあるのですが遠望が利かず、どこかに会津駒ケ岳や田代山が見えないかと探したのですが分かりませんでした。食事をしていると御池から登ってきた二人連れの登山者が下りてきました。かなり早く出てきたか相当な健脚なのでしょう、私も御輿をあげて頂上へ向かって歩き出しました。

ナナカマドの実が成っています、燧(ひうち)ケ岳が手に取るように見えます。その先で大変見晴らしの良い台地に出ました、ミノブチ岳のようです。大きなケルンが積まれています、その先には尾瀬沼が見えます。少し進むとナデツ窪からの道が合流して、登り道の傾斜が増してきました。かなり上から人声が聞こえて来ます、御池から登ってきた人々が下ってきます。
俎嵓(まないたぐら)・2346メートル頂上
岩の重なる尾根を登って行くと俎嵓(まないたぐら)の頂上。数人の人々が行き交っていました。ここは分岐点になります。燧ケ岳の最高点・柴安嵓(しばやすぐら)へと下る人、御池に下る人、尾瀬沼に下る人・・・それぞれが目指す方向へと散って行きます。頂上に居た一人で登って来た人達と互いに写真を撮り合います。私はとにかく柴安嵓(しばやすぐら)を往復しようと、すぐに鞍部まで下ります。
天気は晴れていて気持ちが良いのですが雲が出ています。遠くの山がはっきりと識別できないのが残念です。俎嵓(まないたぐら)2346メートルの頂上はかなり広々としていました。
俎嵓(まないたぐら)2346メートルから燧ケ岳の最高点・柴安嵓(しばやすぐら)2356メートルを望みます。何か動く人影が見えるようです。一旦鞍部まで下ってから登ります。片道20分、往復約40分程です。
柴安嵓(しばやすぐら)・2356メートル頂上
柴安嵓(しばやすぐら)・2356メートルの頂上です。燧(ひうち)ケ岳頂上の印があるので俎嵓ではなくここが頂上のようです。写真を撮ってすぐに俎嵓に戻ります。
柴安嵓からみた俎嵓です。俎嵓の方が幾分なだらかな山容に見えます。右の尾根が尾瀬沼からの登山道です、左がこれから下る御池への道になります。

およそ往復40分程の登り下りで俎嵓へ戻ってきました。これで後は下るだけになります。俎嵓頂上でのんびりと昼食をとりました。4人程の人が食事を終って御池へと下って行きました。少し外気が冷えて来たので上着を着て岩陰に入ります。柴安嵓や尾瀬沼は見納めとなるのでのんびりと40分程休憩をとりました。

俎嵓と柴安嵓で写真を撮り合った、これが山ガールと云うのでしょうか、かなり可愛らしい若い女性が昼食中大きな口を開けていたであろう私に挨拶をして元気に御池へと下って行きました。この山ガールがかなり早足らしく、4人の先行した男性の先に出ても影も形も見当たりません。体力の衰えを強く思い知らされました。

熊沢田代
 

俎嵓から40分程下ると静かな田代が見えてきます。一面の草紅葉、その広がりに圧倒されます。静寂です。木道はこれから登り返す小山の先に消えています。人の気配が強い尾瀬の大江湿原は私の好みではありません。ここまで登って来た人だけが見られる熊沢田代に大いに魅せられました。ここには派手なニッコウキスゲなど不要です、静寂・野生・草紅葉・水・・・あるがままの自然の美です。御池への下り道はかなり急で不安定です。更に下にある広沢田代へと向かいます。2010.10.18

 
 

広沢田代

熊沢田代から20分程下ると道がぬかるんで来て広沢田代に入ります。熊沢田代より小さいのですが大小の池塘が美しい湿原です。傾斜も緩くなり御池が近い事を感じさせます。旅の終わりはまじかです。

御池

急な下りも終り傾斜が緩やかになると御池です。山の上では針葉樹が多く中々紅葉が見られませんでしたが御池の辺りでは綺麗に紅葉が見られます。ただ今年の色は少し寝ぼけているような気がします。天候にも恵まれ、大変楽しい山旅でした。

午後3時、秋の日はあっという間に沈んでしまいます。木道の落ち葉に見とれる人影が長く伸びています。御池の洗面所で汗を拭いて3時間ほど車で走って県境の村へ戻ります。帰路御池近辺の紅葉を楽しもうと思います。
06/03/2019
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