残雪の埼玉県秩父・両神山(りょうかみさん)・1723メートル 

 

頂上

残雪の日本百名山・両神山

地図友人との仕事の都合がついた3月15日、埼玉県秩父の両神山(りょうかみさん)・1723メートルに出かけました。深田久弥の日本百名山の一つだとか、良い山の感じがして機会があれば行ってみたいとは思っていました。何か秩父と聞いて、交通の便が悪いのではと二の足を踏んでいたところ、高速で行けばそれほどでもない事が分かり出かけてきました。

ジョギング中に太股の裏を痛め、やっと回復してきたのでリハビリを兼ねて登ってみることにしたのです。私が不覚にも懐中電灯を車に忘れ、友人の小さな電気だけで、夜の薄川(すすきがわ)を数度渡り返す下りの途中で道を失した事もあり都合10時間の十分すぎるほどの山歩きとなりました。2010.03.15

地図

時間
両神山荘 発 10:15
休憩昼食始 12:20
休憩昼食終 12:40
清滝小屋 2:05
両神神社 3:00
両神山頂上着 3:35
両神山頂上発 3:55
両神神社 4:20
清滝小屋 5:10
両神山荘着 8:20

時間がかなり掛ってしまいました。体力の衰え、積雪、準備不足、懐中電灯の不備が原因です。次回からの反省材料にしなくてはと自戒した次第です。

バス停都内を出たのが6時。関越自動車道車中での相談の結果、コースを起伏に富んだ八丁峠にしようと小鹿野町まで来てみましたが、299号線から遠望する山がかなり白くなっています。峠までの道が雪で行けないかもしれないと急遽299号線を引き返して、日向大谷(ひなたおおや)コースに向かいました。この結果出発が10:15になってしまったのです。2010.03.15

日向大谷(ひなたおおや)登山口
皆野駅 バス停 駐車場 両神山荘
途中皆野町で秩父鉄道の線路を2度渡ります。偶然にも電車を見る事が出来ました。
 

細い山道が薄川(すすきがわ)にそって続きました。終点が日向大谷(ひなたおおや)、有料駐車場¥500に小鹿野町営バスが止まっていました。

道を少し登ると途中に綺麗なトイレ、その上に民宿『両神山荘』、ここで駐車料金を払います。この辺りにも駐車できるようで、数台が停まっていました。
薄川に沿って会所
両神神社
登りだすとすぐに右に両神神社、頂上近くのものは奥宮のようだ。手を合わせて通り過ぎる。
薄川を数回渡り返す。最初の木の橋。雪解けが始まっているので綺麗な水が流れている。
会所

最初左岸の道を落ち葉を踏んで快適に歩く。途中に大きな木が数本斜面から滑って道を塞いでいる。帰路、暗闇の中で此処を通り過ぎる時に大変難儀する。

会所(かいしょ)の七滝沢ルートとの分岐点。思えば下調べが全く不十分でした。会所と言うところに何か建物があると誤解していたこと、産泰尾根の尾根道を登ると誤解していた事が、登りで雪が出て来た薄川の渡り返しで、道を間違える原因となりました。
会所から清滝山荘へ

雪が現れて来たあたりで、上から夫婦連れと思われる人が下りてくるのとすれ違いました。上はかなり雪が深いと言われました。後で両神山荘の方に聞くと、産泰尾根の取りつきあたりから引き返したとの事でした。この日、両神山でこれ以外人に会う事はありませんでした。静寂の自然です。

この白い雪道で沢を渡り返すときに道が消えてしまって、一度ならず迷ってしまいました。尾根道だと言う最初の誤解が尾を引いて一度は左岸をかなり登ったりもしました。30分ほどの時間をロスしてしまったようです。

夫婦連れの人とすれ違ってから雪がかなり多くなってきました。太陽が少し差しているので寒さはさほどではありません。上はシャツ一枚で汗が出ます。

 

沢から離れて登りだすと八海山の標識。石像が建っていました。ここで、もしかしたらこれは正しいルートかもしれないと思ったり、それでも上には尾根道があってこちらは別の沢のルートだとも思ったりしたのです。

清水

小屋が近くなってきた頃、弘法清水という湧き水が流れている場所に出ます。

清水から僅かで林間の中に雰囲気の良い小屋が見えてきました。やっと清滝小屋のようです。八海山からの登りは結構きついと感じました。

小屋に着いてから粗末な地図を見ながら検討した結果これが産泰尾根のルートだったと分かった次第です。帰路は暗くなる可能性が高いのでどうするかを相談した結果、懐中電灯があるし来た道を戻るので問題はなかろうと頂上を目指しました。最悪、非難小屋として綺麗なこの小屋を使用しても良いと書かれていたのも心強く感じました。

清滝小屋から両神神社

清滝小屋はトイレも完備した大変綺麗な小屋です。非難小屋として使用してよいと書かれていて、この所有者の親切に感謝しました。最悪ここに泊まれば良いと思い出かけました。

頂上への道は小屋の裏から登ります。傾斜も強く雪も深くなってきます。友人はゴアテックス製ですが、普通のナイロン製の私の靴の内部はびしょ濡れで一歩毎に水の音がしています。

小屋から神社までの間は鎖の場所が結構あるようです。傾斜もかなりきつくなってきました。

石造りの鳥居を備えた両神神社奥宮に着きました。登りに強い友人が足の具合が今一つのため、下りにエネルギーを取っておくというので一人で頂上へ向かう。一時間ほど待たせてしまう。

両神神社奥宮を横に見て頂上に向かうと狛犬か狐かの石像を従えた御嶽神社奥宮に出る。手を合わせて先を急ぐ。恐れ多い事ですが両方の神社を取り違えているかもしれません。
両神神社から頂上へ
神社からだらだらと小さな鞍部へと下ります。雪は更に深くなったようです。鎖場が幾つかあるようですがこのように雪で埋まっています。残雪期の方がかえって歩きやすい気がします。

頂上まで約0.6キロの看板が出てくる。ベンチのある開けた場所に出ました。更に頂上は100メートルほどです。空は相変わらず雲が多いのですが、強い風の音が止んだようです。

両神山頂上

頂上は晴れていたらさぞかし見晴しが良いだろうと思いました。どんよりとした空、どこにどこの山があるのかもわかりません。

せめて富士山が見えれば他の山の見当もつくのですが、それも全く見えません。日暮れが迫っているので写真を撮って大急ぎで下山に掛ります。

右の写真は超えて来た両神神社方面です。頂上から一端鞍部まで下ってから登り直します。

幾ら待っても空が晴れそうもありません。

下山・日向大谷登山口へ
ツララ大きなツララ、先を急ぐので見ている暇もありません。

両神神社で待っていてくれた友人と出会って、大急ぎで下りだします。明るいうちに出来る限り下らなくてはなりません。清滝小屋までの間は鎖場が多いので、ゆっくりした下りとなります。

沢の途中から辺りが暗くなったので懐中電気の用意とザックの中を探るとそれが無いのです。愕然としました。自分のいつものだらしなさが出たと頭を殴りたくなりました。何時も用意の良い友人の小型ペンライトが頼りです。暗闇に心細げな細い光の筋を見た時はほっとしました。

友人は携帯の明かりまで時折使って道に迷うと確かめています。まるで提灯のようだと笑いました。

帰り
3度程、薄川を渡るときに道を失ってしまいました。雪が道を消してしまっているのです。弱い懐中電灯では容易に対岸を見る事が出来ません。右岸を20メートルほど川岸から直線的に登ってみました。道はありません。それなら対岸だと川を渡り直線的に斜面を登ると雪のないしっかりした登山道がありました。いささか真剣になります。暗闇で、かさこそ落ち葉のなる道は人里に近づいている事を知らせてくれる頼りになる音でした。 両神山荘の方に帰った事を知らせにいきました。心配をお掛けしていたようです。

今回は想像以上の山歩きになってしまいました。それだけに印象深いものになりました。ゆめゆめ油断しないように準備を怠っ

蛍の光のような懐中電灯、携帯電話まで広げて光源に使用します。真っ暗闇ではなんとも頼りのない光です。Click

てはならないと自戒した両神山への旅でした。2010.03.15

09/15/2022
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