箱根・金時山(1213m) 地図
金時山は富士山の素晴らしい展望台・山の花・高山植物

11月2日、御殿場に所用が出来たので小田原から箱根を越えて行くことにしました。ただ行くだけではもったいないので富士山が見えると聞いた金時山に立ち寄ってみる事にしました。 朝9時半に小田原の農協直売所で野菜をたっぷり買い込み箱根を登ります。仙石に近づくほどに紅葉が始まります。

金時山から下りて御殿場で所用を済ませ、無料になった東富士五湖道路を須走から河口湖へと向かいます。薄暮の中、広大なススキの原の中から空間を一杯に塞いで立つ富士山の姿に感動してしまいました。日本最高峰の山ですからこれほど広大な美は滅多には望めないと云うものです。多少人間臭がするのはやむえませんが。

旅の途中に温泉に入るのが立ち寄り湯なら、まさに今回は「立ち寄りハイキング」でした。ちょっと歩くだけで富士山・芦の湖・リンドウと想像以上の楽しみを堪能できた旅となりました。箱根に来る楽しみが一つ増えたようです。 2010.11.02

登山道概念図と所用時間

登った印象から言えば、坂田の公時由来の公時神社から登り、矢倉沢峠に降りるのが良いように思いました。神社からの登りは眺望が利かず木の根が出た歩きにくい道です。

矢倉沢の道は大変歩きやすく、眼下に芦の湖や仙石原を見ながらの下山です。この日は道にリンドウの花が絶えることなく咲いていました。下に降りて金時登山口から138号線を歩いて公時神社駐車場まで戻っても20分程度です。

公時神社入口の横に15台程度停められる無料の駐車場(トイレもあります)があります。すぐそばにゴルフ練習場の¥500程度の有料駐車場もあります。

金時神社11:26→頂上着12:40→頂上発1:30→矢倉峠2:16→金時登山口2:38→金時神社2:57

箱根・公時神社駐車場へ
首都高速に乗った途端に大渋滞、先が思いやられます。あせっても仕方がないのです。中央環状線のトンネルに入るとすいすいと走りだしました。東名に乗ると富士山がくっきりと見えます。今日の晴天は間違いにないようです。厚木小田原道路から箱根へと向かいます。小田原のサービスエリアから見た富士、雪が片方に偏って積もっています。小田原東で降りて農産物直売所に直行します。

近頃、箱根や御殿場に出かける時は、必ずJAかながわ西湘農産物直売所「朝ドレファ~ミ♪」に寄って買い物をする事にします。野菜の季節の村の農産物直売所に比べれば値段・種類にはかないませんが、冬でも野菜を売っているので重宝しています。つまらないお土産より喜ばれるのです。開店と同時に地元の人々で大混雑です。買い物の後国道1号線を箱根・仙石へと山を登ります。2010.11.02

住所:小田原神奈川県小田原市成田650-1番地・0465(39)1500

   
登山口・公時神社 小山町・金時神社
乙女峠に向かう138号線の右に入ります。坂田の公時の伝承がある公時神社の横に車を止めて出発します。
入口の鳥居です。この前にも車が停まっています。本殿で手を合わせます。本殿右側の道を登ります。
公時神社から頂上

『金時宿り石』と看板が付いていました。大きな岩が道を塞いでいます。左側に道が巻いています。ここら辺りから登山道の登りが始まります。

登山道の花々

登山道の脇に可憐な野の花が見られます。混雑と人工的な建物しか目に浮かばない箱根にもこのような美が残されていた事は驚きです。富士の姿だけでも十分満足させてもらった上に、野草まで見せてくるとは。私の想像を越える素晴らしいハイキングになりそうです。

アザミの残り咲き、少し形が変わっているように見えます。もしかしたら箱根特有の種類なのでしょうか。

風致草に見えます、村に植えた風致草にそっくりです。それも斑入りではないかと思うのです。ただ野生の草が斑入りなのも不思議です。わざわざ植えたようにも見えません。

 

豪華なマツムシソウが咲いていました。盛期は既に過ぎているようです。それでもこの花は今が盛りのようで豪華な花弁を一杯に広げていました。
野菊はこの日の登山道の主役の一つです。あちらこちらに群落を作っています。背丈が低くそれだけに可憐な印象を与えてくれるのです。
リンドウがこの日の登山道の主役です。鈴なりに咲き誇っています。本当にここが箱根なのかとにわかに信じがた花々の群落が続きます。

ウメバチソウまで咲いています。リンドウは道のあちらこちらに数多く見られますが、多くの野草は下山道に使った矢倉沢の登山道に多く見られます。柔らかな笹の斜面と素晴らしい見晴しいの快適な道です。

木の根の出た道を登ってやっと視界が開けました。芦の湖が右に、左に仙石原のススキの野が見えます。何時もバスが押し掛ける観光地のイメージが強く、通り過ぎる事の多い箱根の景色に見とれてしまいました。
登山道の落葉樹は僅かに色づきだしています。何故か、近頃赤い色より黄色みを帯びた葉の色を好ましく思うようになりました。見ていてその美しさがしっくりと心にしみるのです。赤は少しだけ彩りになれば良いようです。
金時山の頂上はかなり賑やかです。犬連れで登ってくる人、団体で登ってくる人・・沢山の人が行き交います。

頂上には山小屋2軒と有料トイレがありました。私達は風を避けて少し下の林の中のベンチで富士山を見ながら昼食を取りました。

富士の長い裾野に広がる広大なススキの原と思われる景色に圧倒されます。紅葉が始まったようです。金時山を下ってから東富士五湖道路を通って山梨県側から富士を眺めます。

後から知ったのですが、有料道路の両側は紅葉の真っ盛り、写真左・富士の裾野は黄金色のススキの草紅葉、車を飛ばしても中々終わるものではありませんでした。薄暮の有料道路、車を止めて撮影する事が叶いません、その神々しいほどの美しさは目の中にしっかりと残っています。2010.11.02

頂上直下の落葉樹の森です。ぽっかりと小さな広場が広がっていました。壊れかけたベンチに座って昼食をしました。頂上の喧騒が嘘のような静かな空間があります。目を上げれば木の間越しに、周りをススキの草紅葉で覆われた富士山が聳えています。群青色の富士とストロー・カラーの裾野との組み合わせは、雄大な美の共演です。

下山
頂上から矢倉沢分岐を左に、矢倉沢峠へと向かいます。この下り道が何とも素晴らしいのです。落ち葉の敷きつめた柔らかい道を下れば、眼下に芦ノ湖と仙石原が何時も見えます。こんな静かな空間が箱根にもあったのかと嬉しくなってしまいました。紅葉もちょうど見頃かもしれません。

金時山から御殿場へ向かい乙女峠を越えます。富士の絶景が絶えることなく続くのです。さすが、晩秋の夕刻、日があっという間に暮れます。湯殿から富士の見える御殿場市営温泉会館での入浴が叶なかったのは残念ですが、とにかく御殿場の所用が先ですので市内に向かいます。

御殿場での所用を済ませて、須走から無料になった東富士五湖道路にのって河口湖へと向かいます。薄暮のせまるインターの入口からススキの原と富士山の取り合わせに見とれてしまいました。かなりのスピードで走る道路の両側は富士の裾野の紅葉が盛りでした。左側には暮れようとする空に富士が道路に沿うように立っています。そしてススキの草紅葉、紅葉と草紅葉がずっと続くのです。写真は須走インターを入った所から見た富士とススキです。

中央高速で都心に向かうと府中から初台までの渋滞にでっくわしてしまいました。それでもそんな苦痛も忘れさせてくれるほどの思いがけない箱根の良さにめぐり合った『立ち寄りハイク』でした。2010.11.02

08/19/2022
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