監督がスパイク・リーだという事で前回見た”ブラック・クランズマン”が大変面白かったので、今回も「真夜中のピアニスト」を作ったフラン人のジャック・オーディアール監督の西部劇という説明に惹かれて見る事にしました。1950年代のゴールド・ラッシュの時代背景の中で展開される物語です。
裏社会の大物の始末屋として西部で名が知られた、オレゴン州が故郷のシスターズ兄弟、リアルな闇夜の打ち合いから映画は始まります。ボスの命令で追い詰めた人間を躊躇なく拳銃で撃ち抜く二人。シスターズ兄弟の兄イーライ(ジョン・C・ライリー)は狂暴な外面と優しさを内に秘めた西部の荒くれです。弟のチャーリー(ホアキン・フェニックス)は子供時代に父親殺しの過去を持ち、裏社会でのし上がる事を願う心に大きな闇を漂わせる男に見えます。
チャーリー兄弟の追跡係として働くジョン・モリス(ジェイク・ギレンホール)、その彼が追うのが科学者ウォーム(リズ・アーメッド)。ウオームを補足したジョンですが、旅する間にウオームの語る夢・理想の国創設に共感を覚えることになります。ジョンは父の遺産の3,000ドルを投資して二人の共同事業を立ち上げる事になります。
多くのアメリカの西部劇は何処か物語の筋が甘く納得できない例が多いのですが、この映画は互いのエゴ、理想、友情などが複雑に絡まりあい実在する人間らしい姿を見る事になります。映画はもたつく事無く極めてスピーデイーに進んで行きます。
科学者ウォームの発見した新しい金の抽出法を4人が共同して実行することになります。この後の悲劇はハッピー・エンドが決まり事のように繰り返される多くの西部劇とは異質で大きな盛り上がりを感動を与えてくれます。
私にはオレゴン州はポートランドは勿論ですが田舎を含めて昔かなり頻繁に訪れた場所だったので最後の画面で母親の元に戻る姿を見て更に感動が深くなりました。例え撮影がオレゴンでなくても訪れた幾つかの風景と出会った人たちの姿が蘇ってきました。
私は起伏に富んだ筋書の大変面白い西部劇映画だと感じましたが、妻は筋書が分かり難いと余り評価が高くありませんでした。多分、映画をたまにしか見ない二人には大物俳優が出ると簡単に主人公が分かるので筋書が理解しやすいと言う事かもしれません。今回はそれが無いので少し劇中の話がすっきりと理解できなかったという事かも知れません。
そうだとすると監督で映画を選ぶという選択の方法はかなり的を得た方法なのかもしれません。
2019.07.09