八丁堀から有楽町で”センチメンタル・バリュー”を観る |
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有楽町の街にそそりたつ東宝シネマズ・ミッドタウン日比谷とイルミネーション広場のフラワー・ドーム
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親戚の子供の入学祝を届けるべく家人と一緒に八丁堀に行くことになりました。まさに私の大好きな”御宿かわせみ”の物語のまっただ中に身を置くことになりそうです。当日は東京駅から皇居を回って八丁堀、そして有楽町での映画と予定を立てていましたが朝からの雨と風に皇居は諦め直接八丁堀駅での待ち合わせの後、映画に行くことに予定を変更しました。
2026.03.03
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御宿かわせみ十五・恋文心中の”浮世小路の女” |
因みに、道端に立つ八丁堀の与力・同心組屋敷の説明板には
亀島川の西岸・東京駅側の八丁堀1丁目から2丁目、茅場町1丁目から3丁目にあったと書かれていました。今回は左の本の舞台が目の前にあります。
昨日、何度目になるか”浮世小路の女”を読んだ物語を思いだなしながら八丁堀から新川に掛かる亀島橋の袂に立って川面を眺めました。透明感のある江戸の物語が胸の中をゆっくりと心地良く通り過ぎていきました。
2026.03.03
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女浄瑠璃講釈師として人気の菊花亭秋月の妹分の女三味線弾きが医者に犯され体をこわします。医者にどうにかしろと文句を言った秋月が、逆に金を脅されたと訴えられた処を東吾達に救われる。
そんな秋月が東吾を見て”幼な顔って、あんまりかわらないものですね”と言うので東吾が”俺をしっているのか”と尋ねると”そちらさんは”と聞き返す。東吾は知らないというと秋月もそらなら私もお初にお目にかかりますと言い返す。
東吾が5歳の頃、亀島橋の袂で八丁堀に暮らす医者の娘の遊び友達・お秋が真っ赤な顔で東吾にむしゃぶりつきながら「もう東吾様のお嫁になってあげません
」とどなったことを突然思い出す。長屋に秋月を尋ねるも、すでに部屋を引き払って上方旅立った後でした。
2026.03.03
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11:25・親戚の人と待ち合わせる日比谷線・八丁堀駅の八重洲通に近い出口から表通りに出ました。12時の待ち合わせ時間までには少し間があるので早速目の前の”浮世小路の女”の舞台である亀島橋まで行ってみることにしました。
2026.03.03
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11:26・八丁堀交差点から東京駅八重洲中央口方向を見ています。江戸の物語の舞台としてしばしば登場する江戸町奉行所があったとは思えない繁華な街並みが目の前に広がり続いています。
2026.03.03
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11:27・亀島橋の先、東岸の新川・隅田川方向の風景もビルが立ち並び江戸の物語を思わせてくれる風景は望めませんでした。 2026.03.03
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亀島橋の手前、八丁堀側の橋のふもとに石碑が見えます。”堀部 安兵衛武庸(たけつね)之碑”の文字が刻まれていました。まさに御宿かわせみ十五刊・恋文心中の”浮世小路の女”の舞台はこの辺りでしょう。
2026.03.03
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赤穂四十七士の一人、堀部安兵衛は当時の水谷町(現在の八丁堀1丁目)に住んでいたとの事から、昭和44年地元の八丁堀一丁目町会の方々によって建立されたと中央区観光協会の説明に書かれていました。
因みに八丁堀一丁目は八重洲通の北側、茅場町と隣接した町で、石碑の立つ場所でもあります。
2026.01.19
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11:30・堀部安兵衛の碑文を見てから亀島橋を新川方向に渡ることにします。八重洲通を新川方向に渡ると橋の左方向に日本橋川との(霊岸橋は見えませんが)合流点の水門が見えます。
この橋がまさに”御宿かわせみ”の”浮世小路のおんな”の舞台でしょう。5歳の東吾に向かってお秋は”もう東吾さまのお嫁になってあげません”と必死に叫んだ場所に違いありません。暫く水面を眺めながらその場面を目に浮かべていました。
水門の先の日本橋川に沿って右に曲がると僅かで”御宿かわせみ”のある大河端町です。
2026.03.03
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11:33・亀島川を八丁堀から新川方向に渡ると橋のたもとに亀島橋の説明板がたっていました。川の町でもあった江戸の町の流れの多くが埋め立てられてその風雅な風景は今では想像もできません。
2026.03.03
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説明板に書かれた江戸時代、酒問屋が並んだ新川は既に埋まってしまいましたが亀島橋は橋げたが銅板の飾りを施された江戸らしいさっぱりした美しさの橋です。
これから対岸の新川に渡り川沿いの道を次の新亀島橋に向かいます。
2026.03.03
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もう一つの説明板には御船手組と川村瑞賢の説明が見られました。かっては亀島川の隅田川への流れ込み部にあった御船手組のあたりも(江戸の古地図をご覧ください)全て埋め立てられておりその面影はありません。
2026.03.03
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11:36・八重洲通を新川方向に歩いて行くと1本の桜が満開です。早咲きの桜でしょうが1本だけ広い八重洲通りにぽつんと立つ姿は極めて潔く可憐です。
2026.03.03
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新亀島橋を再度反対側の茅場町方向に渡ります。新亀島橋の上から亀島川が日本橋川と合流する地点に掛かる霊岸橋が見えます。霊岸橋を右に向かうと御宿かわせみの舞台となる大河端町になります。
2026.03.03
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11:39・新川から新亀島橋を渡り茅場町方向に向かうと橋のたもとに関東大震災と東京大空襲の慰霊碑が並んで置かれていました。地元の方が掃除やお参りをするのか綺麗な石碑の前に飲み物の缶が供えられていました。
多くの東京の中心部と同じく2度の大きな災害で残念ながら江戸の町は喪失してしまったのでしょう。
2026.03.03
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11:40・渡ってきた新亀島橋を振り返ってから亀島川沿いの道を八丁堀方向に戻ることにします。
2026.03.03
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11:40・これから戻る八丁堀方向に先ほど渡った亀島橋が見えます。亀島橋に向かって進むことにします。
2026.03.03
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純子稲荷神社 |
11:41・新亀島橋際の建物の間に挟まれるようにして小さな稲荷神社が祀られていました。ビルが立ち並ぶこの辺りにも普通に暮らす氏子の人々がお守りする神社があるのを感じて嬉しくなりました。
手を合わせてお参りをさせていただきました。
2026.03.03
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11:43・雨が降るので首を屋根の中に差し込んで家人と交代で参拝をさせてもらいました。
家に帰って神社の御由来を見させていただくと、1457年、太田道灌が江戸城築城の折、京都伏見稲荷を勧請して創建した千代田稲荷の縁起を引き継いでいるとの事です。
元文二年(西暦1737年)千代田稲荷より分霊を受け創建されます。関東大震災と東京大空襲の2度の災難を受けたのち氏子の方々の氏神として再建されたとの事です。
町に暮らす氏子の方々の手で綺麗に掃除された神社でお参りが出来て緊張が解けて心が軽くなりました。
八丁堀駅に戻り、昼休みの時間に来てくれた親類の人に御祝いを手渡して今日の仕事は終わりました。地下鉄日比谷線に乗って日比谷駅で降りて映画館へと向かいました。
2026.03.03
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12:38・八丁堀駅から乗り換えなしで日比谷駅まであっという間に着きました。未だ開演までに時間があるのでまず映画の券を買ってからのんびり昼食をしようと4階の東宝シネマズに向かいます。
切符を購入後、有楽町で昼食をとるべく再度ビルの入り口に戻ります。映画館のあるミッドタウン日比谷の入口のイルミネーションが時折飾られる場所に艶やかな花のドームが見えます。
2026.03.03
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雨のせいか何時もより人通りも少ないので昼食に行く前に立ち寄ってみることにしました。
2026.03.03
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12:39・両側を造花で飾られた道の先にドーム状の円形造形物があります。中を通り抜けられるので体を入れてみました。見渡す限り色彩の乱舞、安ぽっさがないのはさすが有楽町だと大満足です。
雨の中訪れたお陰で思いもよらない幸運に出会いました。
2026.03.03
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通り過ぎた花の回廊を振り返ってみました。ここは季節に応じて時折イルミネーションなども見られる場所です。
2026.03.03
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3月6日より東宝シネマズで公開の映画”ウイキッド・永遠の約束”をイメージした艶やかな造花のフラワー・ドームと書かれていました。映画に登場するめまいがするほどの花の群れと黄色のレンガの道が表現されているようです。
互いに大切な友の二人、悪い魔女”(エルファバ)と“善い魔女”となった”グリンダ”の物語ですが6日から公開の映画は続編なのかもかもしれません。
2026.03.03
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12:40・有楽町の街にそそりたつミッドタウン日比谷とイルミネーション。東宝シネマズの映画館はこのビルの4階にあります。これから有楽町の街で昼食をとることにします。
2026.03.03
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12:41・有楽町の楽しい事は町が薄ぺらで無い事です。帝国ホテルや皇居、丸の内、銀座に囲まれた中なのにこのようなレンガ作りの普通の店が並んでいるのです。
2026.03.03
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新橋方向の線路の下に長く続くレンガ街、その右手には帝国ホテルがあります。
2026.03.03
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ガード下のすし屋で安価な寿司のランチを食べて映画館に戻ることにしました。
2026.03.03
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13:26・映画館のある日比谷通りに戻ると、後は帝国ホテル、前には宝塚があります。この日比谷通りの佇まいは、石造りの町が多い海外の街にも負けない落ち着いた大人の雰囲気が漂う私の好みに合う大好きな場所です。
2026.03.03
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13:30・雨が強くなったので宝塚劇場から地下街に入り東宝シネマズに向かいます。余りチャラチャラした感じのしない楽しい地下街を進んで行くと、沢山の手形が飾られていました。多くは私が名前を知る俳優の人建の手形です。手を当てるとほぼ同じ大きさなので実物大の手形と思われます。
2026.03.03
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女優さんの手形に家人も手を当ててみたらほぼ同じだったのでこちらも実物から取った型でしょう。
2026.03.03
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13:32・かなり沢山の俳優さんの手形が飾られていました(40人程と記憶していますが確かではありません)がシルベスター・スタローンやトム・クルーズが最後に飾られたいたのでトム・クルーズの手に乗せてみましたがやはり私より一回り大きかったです。
2026.03.03
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16:43・2時10分の開演に合わせて”センチメンタル・バリュー”が演じられる劇場に向かいます。何か、異世界に進む感じがしてきます。
2026.03.03
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ノルウエーのオスロで活躍する女優・ノーラと父親であり映画監督であるグスタグとの確執。家族を捨てて家を出て行ったグスタフからの映画主演の誘いを受け入れられないノーラ。ノーラの妹のアグネスも家族故の重苦しい心の葛藤と苦しみが主題の映画。
舞台となる、かってノーラも暮らし今はアグネスの家族が住み、亡き母親の人生を語る舞台となる生家の佇まいが更に物語に深みを残してくれています。
冒頭のノーラーの舞台開演時の圧倒的な迫力に驚かされながら映画に飲み込まれたまま映画館の暗闇の中に身を没しました。個人的には見慣れたアメリカの映画と異なりゆったり進む物語のスピードに少し戸惑いましたが、劇場が明るくなるまで画面に惹きつけられた映画でした。
2026.03.03
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私の知る劇中の俳優は、父親であり映画監督役であるステラン・スカルスガルドのみで他の俳優は分かりませんでしたが、物語に引き込まれるような映画に出会って大きな満足感を感じる充実した時間を過ごすことができました。
2026.03.03
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16:46・映画が終わり映画館の長い廊下を歩きながらしばしの間、夢から覚める準備をしなくてはなりません。
2026.03.03
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16:47・劇場の廊下から広い場所に出てくると現実の世界が広がっています。日比谷公園をバックにお馴染みのゴジラ像が見えます。
2026.03.03
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16:47・4階の窓から皇居を方向を眺めています。既に夕暮れが近く皇居のお濠が雨の風景の中に沈む込んだように見えます。普段でも人通りの少ない広いお濠脇の道路ですが、走る車のライトが辛うじて人の行き来を感じさせてくれるようです。
2026.03.03
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16:50・帰りは4階から3階までは階段を下りてからエスカレータでエントランスまで進むことにします。2階の窓から先ほど見たフラワー・ドームが見えます。
2026.03.03
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16:52・エントランスまでの途中のショッピング・モールを見ながら降りて外に出るとフラワー・ドームが静かに迎えてくれました。
2026.03.03
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大好きな日比谷通りも雨の降る夕方のせいか静まり返っていました。帝国ホテル方向を眺めてからJR有楽町駅に向かいました。
2026.03.03
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16:56・有楽町駅に向かう為に晴海通りを渡ります。進行方向の左は丸の内や皇居になります。反対側は銀座4丁目を通り晴海に向かいます。
有楽町は地元で働く人達の姿が多いいせいか整然とした人の列が続くので落ち着いて歩くことが出来るのが大変嬉しい事です。
2026.03.03
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思えばゆっくり家を出たにも関わらず八丁堀巡りでいささか興奮したのか、重い印象の残る映画のせいか、帰りの道でも珍しいことにいささか疲労感を感じるほどでした。思えば疲労感は充実感の裏返しですから良しとしなくてはなりません。ラッシュの始まる有楽町駅で家人とはばらばらになりましたが問題なく帰宅することができました。
2026.03.03
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| 03/07/2026 |
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