4分間のピアニスト
銀座の始まりから4丁目まで歩こうと思い、神田駅から地下鉄銀座線に乗り京橋でおりました。昔は静かだった1丁目も今ではブランドの店が沢山出ているらしくすっかり変わってしまいました。中央通りは無国籍の街のよう、かばん屋があり帽子屋がおもちゃ屋があり、食堂があり見て歩くことが楽しい街でしたがそれらは跡形もありません。外国の店一色、商店の彩が豊かではなくなりました。何度か入った銀座アスターや伊東屋、ヨシノヤを見た時はほっとしました。車で見ているだけでは、これほどの変わり様は分かりませんでした。2丁目の裏通りなら懐かしい銀座が残っているかもしれないと思っています、それは次の機会に。

 

有楽町で映画を見るときは4丁目のキムラヤでパンを買い込み映画館で買ったコーヒーを飲み、パンを食べながら見るのが癖になっています。家で寛ぎながら大画面を楽しむ、そんなゆったりした気持ちでしょうか。煎餅はパリッと音がしますがパンなら静かです。たとえ昼飯を食べたとしてもそうすると落ち着いて見ることができます。空いている平日の昼間、一列に一人だけだからこそ可能なのかもしれません。キムラヤのナゲットは麦の香りがして少し細身なので食べやすいパンです。左下のカリントウは人気の商品らしく私も大好きです。今回は4丁目の三越の地下で更にかんぴょう巻きを買い込みました。神田須田町近辺を少し歩いて、更に昼食を抜いたからです。三越の前からキムラヤを撮りました。人ごみで撮影するのはかなり恥ずかしい思いでした。こうであってくれたらとこちらが思うようなお気楽な結末が多いハリウッド映画に(サービス精神はありがたいのですが、映画館を出たらそれで終わりです)いささか食傷気味、近頃はヨーロッパの映画に惹かれています。

 
ネスイッチは4丁目の和光の裏側、こんなところにと思う場所にありました。日比谷映画街にある大きな劇場の客席に比べると、昔の日劇アートシアターのような雰囲気の小さな劇場です。平日の昼間なのに結構混んでいます。出かける前に、映画を見る事が出来たら良いなと思っていたのでインター・ネットで色々な評価を調べてみました。映画評論から、見るなら”4分間のピアニスト”と決めていたのです。評価が高いから混んでいるのではとこれから始まる映画に期待しながら延々と続く予告編を見ます、テレビのコマーシャルとはそれでも迫力が違って結構楽しめます。

物語は悲惨な幼少期を過ごし無実の罪で刑務所に入ったピアノの天才少女と老ピアノ教師の話です。ピアノ教師もナチ時代に大きな心の傷を負っています。二人の人生には絶望的な閉塞感があります。刑務所での理不尽な虐待に怒り狂う少女とその才能の開花に掛けるピアノ教師。淡々と接する教師の姿はヘレン・ケラーとアン・サリバンの”奇跡の人”を思い出してしまいます。映画が終わっても、その先は考えて想像して悩まなくてはなりません。数日は結末の先を想像する楽しみが残されます。

題名の”4分間・・・・”はこの最後の結末に関わりがあります。筋が少し分かりにくい事があり(これは私の理解能力に問題があるのかもしれませんが)、私の個人的な評価は100点満点で80点位でしょうか。ちなみに近頃見た映画で最も面白かった”麦の穂を揺らす風”が90点、”4分間のピアニスト”も心を強くつかんだ良い映画でした。ドイツ国内では大変評価の高い映画だそうです。映画の公式ホーム・ページhttp://4minutes.gyao.jp/top/ 2007.11.26

11/30/2007
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