ニコライ堂から須田町界隈
仕事が一区切りついた気持ちの余裕と、久しぶりの陽気に誘われて以前に訪れて裏口だけを見た湯島聖堂に出かけようと思い立ちました。それならせっかくだからと湯島聖堂を見た後,神田須田町を通り神田まで出てみることにしました。

更に神田まで出たんだから地下鉄で銀座まで出て映画でも見ようと、計画は広がるばかりです(湯島聖堂と映画については別ページに載せました)。車では通っている馴染みの場所ですが、歩いてゆっくりと訪れた事がありませんでした。この機会に街の地面に立ってみたら違った目線で景色が見えるのではないかと思ったのです。御茶ノ水駅からニコライ堂を見て、湯島聖堂、又御茶ノ水駅に戻り須田町へ回りました。

このコースは車で秋葉原や神田周辺を抜けて、外堀通り方面に出る時の抜け道になったり、車を止めて食事をしたりするのに大変便利な場所です。神田・御茶ノ水・秋葉原の中間点、街のエアー・ポケットのように静かな東京が残っている数少ない場所でもあります。地図の番号は説明文の番号を表しています。湯島聖堂はボタンをクリックするとHPが移動できます。

@ニコライ堂の特徴ある建物は、車から何度も見て馴染みですが、中に入れるかどうかも不明でしたので今まで入ろうとも思いませんでした。今回は電車で出かけたので、石垣の周囲を回ってから恐る恐る近づいてみたら門が開いていました。内部の教会への扉はしまっていましたが敷地の中には入ることが出来ます。看板によると正式には東京復活大聖堂と記されており、ニコライ堂とも言われるそうです。日本最古のビンザンチン建築様式の聖堂で明治17年3月に建築が始まり7年後の明治24年2月に完成を見たとの事です。傍で快晴の青空に伸びる教会の丸い屋根を見上げていると、無人の部屋の中から祈る人々のこもる声が聞こえるような気がしました。ニコライ堂横の坂が紅梅坂と言うことも初めて知りました。ここは都心の駅の近くでは珍しく車が止められる通りです。

A聖橋から神田川を見たら川を塞ぐほどの船が上流に上って行きます。船底に残ったものからゴミを運搬する船でしょう。都心でまさかこんな大きな船を見るとは・・江戸時代の海運に思いを至らせてくれました。車万能の現在でも船が使われているとすると,当時石材・材木などを運ぶ大型輸送機器としてさぞかし海運が重宝されたであろう事は理解できます。江戸に張り巡らされた多くの運河には大小の船が行きかい海上交通の盛んであったこと、それは現在の車と同じほどであったことを目で確かめる機会となりました。 B御茶ノ水駅まで戻り聖橋から線路沿いに坂を下ります。この坂が淡路坂です。この辺りはいたるところ坂があります。車ではどうと言うことも無い坂道ですが、実際に足で歩いてみると江戸時代にはこれらの坂は難所であっただろうと想像ができます。駕籠かき・荷車・馬方にとって下り坂は危険ではあっても多少は楽でしょうが、登りはさぞきついものだったでしょう。
昌平橋際の小さなスペースに立っていた案内板。上を総武線が通り、秋葉原電気街が見えます。
C左には神田川が流れています。下りきると外堀通りから続く道に出ます。そこに掛かる橋が昌平橋です。この辺りは江戸の昔は日光御成街道と中山道の街道筋にあたる場所で旅籠が多く神田旅籠町と呼ばれていたと説明版に書かれていました。神田川横の電車が上を走る建物の壁が、万世橋まで(旧交通博物館のあたり)レンガで覆われています。中央通りからは目にしていましたが、昌平橋にたって見るとこちらから見たほうが雰囲気は良いようです。やはり地面を歩いて立ち止まってみないと分からないことがあります。

E私は近頃もっぱら蕎麦屋の“まつや”にしています。店の雰囲気も昔の蕎麦屋ですが、何時も肩肘張らずに蕎麦を食べる人で込んでいます。近頃そばも高級な食べ物になってしまい働くエネルギーが充電できるほど食べる事を少し躊躇する蕎麦屋が多くなってしまいました。まつやは蕎麦好きな方にはかなり知られていますので、味については殆どの方が納得できるものだと思います。靖国通りを超えて神田駅に向かいます、古い町並みは殆ど消滅してしまっています。落ち着いた東京が残るのは山坂があって開発が難しい地域、昔の街道筋で駅から少しはなれて居る場所などに限られるようです。2007.11.26
D神田郵便局を右に見て、それから少し進んで右に曲がると私の好きな一帯に入ります。このレンガ壁の続く一帯にはコイン・パーキングがあって比較的駐車が可能です。都心部の千代田区に心落ち着いた静かな東京が残った大変好ましい場所です。建物も落ち着いていますし、食べ物屋も昔から続いている古い店が多いのです。神田のやぶ、ぼたん、甘味処の竹むら(上の写真)、洋食屋の松栄亭、何代も続いた店です。味の好みは人それぞれに異なりますが、食してから失望する事は少ないと思います。
12/30/2007
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