源流地への小探検

庭の横を流れ、村を下る湧き水の元を探すことになりました。子供達にとっては小さな探検です。蛇よけの棒とスコップを持ち長靴で足場を固めて、子供達がふくろうの森と呼ぶ昼なお暗い空間に足を進めます。夏の強い太陽も届かないひんやりと心地よい山道を10分程歩いて左の藪の中に。

源はあっけなく見つかりました。静寂が支配する森の中、草に覆われた穴の中から綺麗な水が絶え間なく湧き出しています。それはふくろうの森の密かな呼吸に見えます。流れ下った清水は汚れた雨となり又森の中に戻ってきます。営々と続いた循環作業を考えると、森は自然の中心、心臓です。今流れ出た水が何百キロも流れくだり、やがて太平洋と言う海に注ぐ物語は子供の理解を超えたようです。勿来の海水浴場の水と一緒になると言う乱暴な結論で納得したようです。帰りは流れに入ったりしながら下る。あっという間に強い夏の太陽の下に飛び出しました。薄暗闇に慣れた目の焦点がしばらく空間をさまよいました。小さな探検は一緒に流れ下ってきた冷たい涌き水を口に含んで終わりました。
10/20/2007