冠雪の磐梯山・そのA淡雪の磐梯山頂へ@磐梯山山頂への道
淡雪の磐梯山頂上へ
順路4号線薄葉交差点→294号線で勢至堂トンネル→三代で右折→中野郵便局で左折船津へ→船津で右折→湖南を経て上戸で49号線→猪苗代で11号に右折→高速を越えて裏磐梯方面左折→喜多方方面に向かいゴールド・ライン入口に左折→八方台駐車場→磐梯山山頂→下山後桧原湖→五色沼→往路と同じ道を帰る*赤文字部分がA淡雪の磐梯山頂へに書かれています。茶色の文字の部分が『冠雪の磐梯山・その@磐梯山への道』に記載されています。2008.11.11

この登山道は車で標高1194メートルの八方台駐車場まで登れるので、わずか4時間ほどで頂上を往復できます。小学校の恰好の遠足コースです。小学生以下の体力の私でも少しの筋肉痛で済む程度でしょうか。火山特有の荒々しくも変化に富んだ景色を手軽に(積雪期を除いてですが)堪能できるコースです。八方台から中の湯まではなだらかなブナ林の道です。かそこそとブナの落ち葉の吹き溜まりの中を歩きます。

中の湯から弘法清水までは少し傾斜が増してきますが、山腹を横切る区間がかなり長く楽だと思います。登りらしい登りは弘法清水から山頂までの間になります。この日の頂上は雲が巻いていて見晴しはその切れ間からでした。広い場所から頂上が見えるのですから、頂上からも広範囲が見られる理屈です。晴れていたらさぞかし良い眺めだったでしょう。

@登山道の始まりはブナの落ち葉の中を歩きます。ふわふわと心地よい感触です。一面がブナの原生林です。 A中の湯に近づくほどに磐梯山の頂上らしい山が見えました。やはり白いものは雪だと確信しました。
B今では廃屋になっている中の湯の先で『裏磐梯登山口』からの道が合流します。 C合流点の先で小さな沼が現れます。
D廃墟となった中の湯を過ぎるとしばらく山道の傾斜が増してきます。一旦山道は山腹を横切るように巻いていきます。眼前が開けて荒々しい噴火の痕跡の残る山肌の向こうに磐梯山の頂上が見えてきました。白いものが確かに雪であることが確認できました。茶色の山肌から火山の証の小さな煙が一つ立ち昇っています。
E眼下には桧原湖が見えます。湖畔の右には米沢への道、左には喜多方への道があるのです。前方には朝日連峰が見えますが、白い頂のようにも見えます。歩く道にも少しずつ雪が見られるようになりました。風もなく快適な日和です。
F山影のあたりにはクマザサに雪が残っています。覆いかぶさる木々の枝にも雪、その下を通るたびに首筋に雪が落ちてきます。
葉を落とし冬支度の木々の枝に白い綿のような雪がまとわりついています。登山道を覆う枝、時折積もった雪が落ちてきます。灰色の冬景色の中で白い雪だけがやけに目立ちます。
G弘法清水へ3キロの標識が表れてきます。左はお花畑からのルートになります。ともに弘法清水で道が合わさります。このあたりから少し雪が多くなったようです。雲が巻いて視界がききません。
H弘法清水の前で二人連れの人が休んでいました。私は寒いので休まずに頂上まで登ることにしました。弘法清水から傾斜が増してきます。晴れていればさぞかし素晴らしい見晴らしなのでしょうが全く視界が開けません。足元だけを見て登ります。弘法清水には下山途中に立ち寄ってみました。
I枯れ枝に雪がついてきれいな景色です。下界は見えませんがあたりの雪景色の変化を楽しみながら歩きます。
J山の陰に入ると雪が多くなります。枝の雪が時々落ちて首筋から入り込んできます。ひやっとして気持が悪いので首にタオルを巻いて防ぎました。
Jもうすぐ頂上なのでしょうか。あちらこちらに雲が巻いていてはっきりとしません。どちらにしても迷うこのない道ですから黙々と上を目指します。
Kたぶん左上の高くなったあたりが頂上かもしれません。左側は噴火口の跡らしく山肌が大きく切れ込んでいるようです。
L桧原湖はさらに下になりました。磐梯山の雲の巻く雪景色と穏やかな感じの桧原湖の違いが、不思議な景色に見えます。
M頂上が近付くほどに枝に付く雪の量が増してきます。雪景色と秋の景色の境目がはっきりと見通せます。
N山影にはいると雪が多く残っています。これが根雪になるのかもしれません。春まで溶けることもなくやがて丈余の深さまで積もるのでしょう。木々の枝にびっしりと降りついた雪飾りが一面を覆っています。息が激しい最後の登りでは格好などかまっては居られません。道だけを見ながら後一歩と心に念じながら足を持ち上げて坂道を登るだけです。
O磐梯山の頂はもうすぐだと思われます。木々の枝に雪がびっしりとくっついています。空には雲が巻いています。斜面一面の雪の木立は美しくも不思議な景色です。辺りに人影はありません。すべての舞台が私の為にあるのです。
P頂上直下、日当たりがよいせいか雪が消えています。一登りで岩のがれきが積み重なった磐梯山の頂です。
Q頂上には二人の人が雲の晴れるのを待っていました。一瞬の晴れ間の雲の間から猪苗代湖が見えました。寒い頂上でレインウエアーを上下着こんで、ただ一つの楽しみの昼食をとります。途中ですれ違った二組の二人連れが登ってきました。おにぎりと丸ごとの胡瓜のぬか漬けが美味でした。

隣に座った二人連れの人にも1本お分けしたら大喜びしてくれました。

しばらく昼食をとりながら雲の晴れるのを待ちましたが視界が晴れません。寒さも増してきたので早々に頂上を後にしました。
頂上から八方台登山口へ下山
頂上からの下りはのんびりと景色を見ながら足を運びました。雪と岩との組み合わせが美しいコントラストを作り出しています。
頂上は右側の雲の中です。左に多分秋元湖と思われる湖が見えます。火山特有の荒々しい山容と真っ白な雪景色との取り合わせが何とも美しい景色になっています。l
雲は足の下にあります。その雲の下に桧原湖が見えています。寒々とした雪の登山道と、暖かそうな桧原湖周辺の取り合わせもがとても強い印象を与えてくれます。
下りだすと登りのバス・ツアーの団体の人々とすれ違う。狭い山道をすれ違うのはかなり難儀をします。 往路は立ち寄らずに通り過ぎた弘法清水に立ち寄る。冬でも水が枯れずに流れています。口に含んでみました。ここには2軒の売店があります。
大昔まだわが子の小さい頃の、磐梯山に登りこの中の湯で温泉につかったことが有ります。とにかく熱かったという印象が残っています。木の浴槽以外水の蛇口等の付属施設は一切ありませんでした。余りの熱さ、浴槽にはちょっと入っただけだった記憶があります。それが今では廃屋になっています。 このあたりは地面が揺れる程ぼこぼこと泡立っていました。恐ろしいほどの熱さです。それが今では冷たく白濁した水が泡を立てながら湧き出しています。たぶん廃屋の理由は湯温が下がったせいかもしれないと思いました。
中の湯を見下ろす陽だまりの広場でゆっくりと食事をしました。とっておきのナシと柿を食べました。持ってきた2個のポットのお茶を飲みながらおにぎりをゆっくりと食べます。高級レストランの凝った作りなど足元にも及ばない自然の中で食事を楽しみました。もう一方のポットには湯を入れてきました。それでインスタント味噌汁を味わいます。十分に至福の時です。

自然の景色の中で時がゆっくりと流れるのを感じながら磐梯山を見上げています。ありがたいことに弘法清水からは行き交う人と出会う事はありませんでした。

しばらく休憩の後、ブナの林に足を踏み入れます。嬉しいことにツルリンドウの赤紫の実が道端でお出迎えです。ブナの落ち葉で覆われてあたたかそうです。ブナの落ち葉の吹き溜まりを伝いながら八方台の登山口まで戻ってきました。今日の旅の終わりです。短い行程でしたがそれでもやり遂げたという秘かな充実感、大きな喜びを心に抱え込んでいます。

桧原湖
天元台からゴールドラインを下ります。一旦左に曲がって喜多方方面に向かってみました。カラマツの紅葉が大変きれいです。もう少し行ってみたかったのですが時間がないので猫魔方面にもどります。あたりの変化に驚くばかりです。最も20年もたてば変わるのは当たり前かもしれません。ほっとするようなのんびりした雰囲気のあった檜原湖も芦ノ湖状態になっていました。そうそうに退散しました。
喜多方に向かう道はそれでも静かな雰囲気が残っていました。桧原湖の西側にしか昔の雰囲気が残っていないのかもしれません。時間がないので途中で引き返してきました。
駐車場に車を入れて湖岸に歩いて行きました。団体のバスから沢山の人がおり立っています。五色沼に向かうちょっとの間にも何台もの観光バスとすれ違います。生活する地元の人々には喧噪の観光地はやむ得ないことでもありましょう。もし秋に再度訪れる事があれば桧原湖らしい場所が残されていると目星をつけた所に直行しようと思いました。
五色沼
磐梯山を見るために『五色沼』立ち寄りました。ここから見る磐梯山の姿はなかなかきれいです。双耳峰の右が磐梯山です。写真ではわかりませんが上部に雪があるのが肉眼では見えます。

この景色を見てすぐに帰路に付きました。猪苗代湖岸の景色を楽しむ頃にはやっと私の心は落ち着きを取り戻しました。

そして戻り来た勢至堂近辺の道の両側はどこもかしこも当たり前の紅葉です。すっかり慣れ親しんだ景色に村が近いことを感じ取りました。

11/17/2008

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