冠雪の磐梯山・その@磐梯山への道A淡雪の磐梯山山頂へ
黄金色に染められた会津街道を通り、冠雪の磐梯山頂上へ

11月11日、村をたって裏磐梯から1819メートルの磐梯山を目指します。白河経由で会津街道を猪苗代へ向かいます。暮らす村からは、高速を使わなくてもいける3角形の2辺を通る楽しい近道です。

観光地特有のいやらしさのない普通の村々の景色を眺めながらの楽しい旅です。古くからの会津へのメイン・ルート、人々の生活道路です。トラックが通り軽自動車が通る道の両側は息がとまるほどの紅葉が続きます。人々にとっては朝起きれば何時も目に入る景色ですから無関心に通り過ぎていきます。この道を通る人々にとっては何十年も眼の端に入れてきたあたり前の景色でしょう。広い路方に止まっては眺めているのは私だけです。このような生活の中に紛れて人々の身にまとわれているような景色が私の好みです。

紅葉だけでは飽きてしまいます。緑に黄色に・・・そしてそれらの濃淡の色の複雑な組み合わせで山道は満ちています。車を飛ばして走っていく地元の人々、街道の秋はこれが当り前の景色なのです。うらやましい限りです。観光という目で汚れていないそのようなありきたりの秋こそが私の探しているものなのです。

順路4号線薄葉交差点→294号線で勢至堂トンネル→三代で右折→中野郵便局で左折船津へ→船津で右折→湖南を経て上戸で49号線→猪苗代で11号に右折→高速を越えて裏磐梯方面左折→喜多方方面に向かいゴールド・ライン入口に左折→八方台駐車場→磐梯山山頂→下山後桧原湖→五色沼→往路と同じ道を帰る茶色の文字の部分が『冠雪の磐梯山・その@磐梯山への道』に記載されています。

今ではずいぶんと馴染みになった勢至堂に至る会津街道の秋の景色を愛でながら猪苗代へと向かいます。猪苗代に出ると回る岬の角ごとに美しい双耳峰の磐梯山が目に飛び込んできます。間違えることのないランド・マークです。猪苗代湖に落ち込んでいる岬の一つ一つが美しい秋の色のコントラスト、岬を回れば磐梯山。通る車も少なく、その少ない車も景色など見ている人は居ないようです。通勤に間に合うようにと一心不乱に信号の少ない道を飛ばしています。どこもかしこも観光の目に汚されていない普段通りの静かな秋に満ち満ちているのです。私も観光の目にさらされていない無垢の景色を汚さないようにそっとカメラを向けさせてもらいました。
途中、あまりにも美しい紅葉を目にして猪苗代の湖岸へと寄り道をしてみました。湖には白鳥が数羽餌をついばんでいるようです。国道側では観光用に餌付をしていると思われる大量の群れがいますが、ここにはそれを好まない、私好みの白鳥がいました。自らの力で生きようとする白鳥に私は心からの敬意を払いました。

猪苗代を回り込んで国道51号線に出ます。猪苗代町で右折して裏磐梯へと向かいました。途中で磐梯山が姿を変えて私の進行を導いてくれます。黄金色の街道で旅が始まり、白い雪の磐梯山山頂で終わる変化に富んだ一日でした。2008.11.11

雪化粧した磐梯山

猪苗代湖岸の道から磐梯山の移り変わる姿を眺めていても、冠雪の事は思いもしませんでした。山に近づいて見える斜面の白い景色を岩の色かと思っていました。頂上に近づくほどに景色が一変してきました。歩くには不自由しない程度の雪景色に寒さを忘れて興奮してしまいました。頂上は日当たりのせいか、又は火山の地熱のせいか雪が消えています。

勢至堂を通り猪苗代湖へ
県境の村から裏磐梯に出るには一般道と高速の両方があります。高速での道は3角形の2辺を通る事になり距離的には長くなります。勢至堂トンネルを抜けて猪苗代に出る一般道・294号線の道は景色が良いので大好きなルートです。東京方面からは白河インター下車、4号線を福島方面に10分ほど進みます。阿武隈川の橋を渡ってわりとすぐの『薄葉』交差点で会津若松方面へ左折します。この左には白河病院、白河農協があります。ちなみにこの左角の一角にある農協の直売場『り菜あん』は新鮮な野菜が安価で購入できます。
294号線は4号国道から会津若松へ抜ける最短コース、大型トラックや通勤の人々の車が行き交う生活道路です。人々は目の端に紅葉の景色を眺めながら走っています。私のように立ち止ってわざわざ紅葉を眺めているものは見当たりません。珍しくもない景色なのでしょう。ここを走る人々の目には秋のこの景色が、送って来た日々の生活の思い出とともに何十年にも渡って積み重なっているのでしょう。通りすがりの私の一時の感動などとは重みが違います。ここは294号線を登りきった勢至堂トンネルの近辺です。これから坂を下る大型トレラーの尾灯が赤くなります。ブレーキを踏んで慎重に下るのでしょう。
このような景色が延々と続きます。右に左に切れ間なく私を感嘆させてくれます。景色を汚さない様に、車が途絶えた時に大急ぎでカメラを向けさせてもらいました。送電線がたっています。生活臭と絶景が混ざり合った私の好みの景色です。立ち止まる人は誰もいないようです。
勢至堂集落の入口で人々を迎える『馬尾滝』、岩肌をなめるように静かに沢の水が流れ下っています。人々は車からちらっと眼を向けて通り過ぎていきます。私は広くなった路方に車を止めてしばし落ち葉の流れる滝の水を眺めていました。

私はこのような肩ひじ張らない景色を好みます。自然が生活の一部になって居る人々の領域に踏み込むことに遠慮を感じてしまいます。車の途絶えた時を狙ってシャッターを切りました。

ここは車が止められる大きな砂利のスペースです。トラックの人々や一休みする人々の投げ捨てたゴミが見えます。それでも私は名の知れた紅葉の名所よりこのような場所を好みます。あるがままの生活と一体化した自然の景色です。ゴミがあり、雑草が茂り、色なす木々は自然の摂理にのっとって自ら生命を保っています。人の手助けなど関係ありません。ススキの穂がまだ残っています。遠い山の頂までこのような黄金色の帯が続いています。
猪苗代湖へ

猪苗代湖畔の湖南から国道49号への道です。湖に突き出た岬の鼻を回りながら道は湖岸に沿って続いています。信号もほとんど無く、通る車も僅かです。この地に暮らす人々の生活道路です。

岬の斜面は複雑な黄金色模様(街の公園なら人だかり間違いなしです)、誰も見向きもせずに職場へと急ぎます。岬の鼻を回ると磐梯山が見えます。目指す頂上の下には雲の細いバンドが見えます。

『少年湖畔の村』前の猪苗代湖の岸で餌をとる白鳥が数羽見られます。この辺りは猪苗代湖の観光施設が集まる国道49号から離れた場所になります。

観光用餌付けなどに頼らずに生きている鳥たちです。足を運んだことで自らの力で生きている鳥を見ることができました。磐梯山は未だ遠く霞んでいます。写真中央の双子の山が磐梯山ですが、雲が頂上を覆っています。

美しい並木が見えたので湖岸に近づいてみました。『少年湖畔の村』の施設がありました。桜の古木の続く道です。
途中隧道があります。その隙間から磐梯山の双耳峰が見られます。目印が手招きしてくれているので間違えるはずもありません。
上戸(じょうこ)で右・郡山方面から来た国道49号線にぶつかります。左折して猪苗代町に向かいます。
49号国道からゴールド・ラインを経て八方台登山口へ
49号線から猪苗代町に入って磐越道・猪苗代磐梯高原インター方面に右折します。115号線となりますが、高速を越えると左裏磐梯方面の看板が見えます。左折してゴールド・ラインの看板を目指して山道を登ります。桧原湖の猫魔で左・ゴールド・ライン、右・喜多方方面とわかりますので左に入ります。料金所を過ぎて僅かで八方台のトイレが完備した大きな駐車場があります。既に車が一台駐車していました。早速用意をして9時10分前に登山口を登りだします。
49号国道から見る磐梯山。二つの峰が見えます。左の尖った山に登ります。天気は良いようです。 熊注意の看板。始まりは緩やかな道、落ち葉をかそこそと踏みながら中の湯を目指します。A磐梯山山頂へに続く。
11/17/2008

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