白河市・南湖神社の初詣

街から冬の県境の村に来ると体の中まで差し通すような冷気の針に身震いしています。ところが、雪深い会津から戻ってくるとこの白河地方の冬も随分としのぎやすく感じます。人間の身勝手さと順応力は健在です。晴れた天候に誘われて南湖神社に初詣に来ました。地元の人々が醸し出す静かな参拝風景に心が和みます。2008.01.02

               ↑     南湖神社・社務所は大忙し
神社の入り口には白河の有名人・松平定信(楽翁)の石像が建つ。神社の横には白河楽翁候・渉世十法の看板。現在に至るも定信の威徳が神社を覆っています。没後(1829年)200年たちますが、寛政の改革の主導者・定信はこの地では今も敬われているようです。この地の人々に、意識するしないに係りなく、このようなバック・ボーンが存在することは大変羨ましいことです。勿論、治世には裏と表があり、賛否があることを承知していても、定信と言い戊辰戦争と言い重い歴史を持つ人々を羨ましく思います。松平定信の墓は昭和3年に国の史跡に指定され東京の台東区・清州白河の霊巌寺にあります。

おすなおすなの街の初詣は、たとえ信仰心がその日限りのものであっても、かなり薄められたものになります。のんびりと参拝できるこの地の初詣では、参拝の後の心の開放感が大きいように感じました。本殿の横に書かれた案内にのっとって丁寧に新年の願いを込めて頭を垂れました、一時素直な自分になれた豊かな初詣でした。子供たちはおみくじ、大吉を引き当てて大喜び。どうも正月は凶が含まれていないようだ、そうだとしたらそれも優れた知恵だと思いました。

屋台の呼び声もどこかのどかで、もしかしてフーテンの寅さんの啖呵でも聞けるのではなどと思いました。大きな屋根の社務所のその左横に見える木は名物の枝垂桜(楽翁桜)です。4月の終わり、南湖の古木の桜並木が満開に開く頃、見事な枝をしだれてくれます。穏やかな春の夕べ、桜の簾の下をくぐります。見上げると体中が桜に囲まれている自分が居ます、一時の異空間体験です。南湖公園

2/14/2008                
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09/22/2013
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