桜の道を辿る・福島県玉川村から田村市までA @へ

田村市小沢の桜

数年前から田村市の小沢の桜を見たいと思っていましたが中々機会がなく過ぎる春を見送っていました。今年は置賜の桜回廊は行けそうもないので思い切って出掛ける事にしました。来てみれば村からはそれ程の距離でもありませんでした。手前に三春の滝桜や見事な桜が有るために訪れる気分になれなかったのかもしれません。何しろ4号線の東側は、ほぼ桜が途切れる事が無い程あちらこちらに咲いている場所なのです。

嬉しい事に田村市の桜は少し満開の季節が遅いらしくそれも出かけるきっかけとなりました。道々出くわす何気なく桜はまさに満開の時を迎えていました。野の中のお寺や里山、田んぼの中に咲く桜をのんびりと堪能した旅でした。幸運にもその旅の途中で幾つかの狛犬や静かな社も併せ訪れる事が出来た事は更に旅の密度を高めてくれました。

グーグル・マップ中の印は狛犬を見た場所です、別ページに掲載申し上げます。2016.4.19

 
堂山王子堂の桜

推定樹齢が140年の若い枝垂れ桜です。花の付が多そうですが見にくい位置に植えられています。桜の木の全体が見にくいのが残念でした。少し離れた位置を探せば全貌が見えるのかもしれません。

住所:福島県田村市船引町門沢字堂山1712016.4.19

 
少し下から見上げたのですが桜の大きさが分かりにくいようです。2016.4.19
 
山門の脇に白馬と多分青鬼と思われる木像が飾られていました。その鮮やかな色彩と組み合わせは極めて刺激的です。2016.4.19
 

東北の伝承にしばしば出てくる坂上田村麻呂の話が語られています。社は近在の人々の信仰と労力で維持されてきたことが書かれています。これはほとんどの村の社の歴史と同じでしょう。そのような社には人々の温もりと一体感が感じられて私には大変好ましい場所になります。やんごとなき有名な神社やお寺は、私に境内のその先が別世界に見えて何故か馴染むことが出来ないのです。2016.4.19

小沢の桜

今回の目的である小沢の桜にやってきました。途中幾つかの桜を探したのですが全て場所が分からず山の中をうろついてたどり着けません。途中を諦めてやってきました。349号線のすぐ脇に駐車場がありました。桜は車からも見えるのですぐ分かりました。車が入れ替わり立ち寄ります。仕事の出張途中と思われる格好の他府県ナンバーの車(東京のナンバーもです)も少なくありません。それだけ名前が知られた桜のようです。推定樹齢100年程のソメイヨシノの一本桜です、ソメイヨシノとしては長命だと聞きました。ちょっと絵葉書的な如何にもという写真になってしまいました。2016.4.19

住所:田村市船引町船引字大日良

2000年に公開された田中麗奈主演の映画「はつ恋」の舞台となった桜として知られているようです。田んぼの先の一段高くなった場所に一本桜はありました。

桜の幹に寄り添うように小さなお堂があります。

2016.4.19

 
迫力と言う点では若干物足りない気がしました。看板の写真からみると、現在はどうも上部が折れてしまったように見えます。2016.4.19
 

このような場所にぽつんと立っている桜です。個人的な好みとして桜並木より一本桜、公園や観光地の桜より野の桜が好きなので、満開の時に出会えたことを感謝しました。

相変わらず、訪れる人が途切れません。この辺りにはカメラに三脚を添えた人が3人ほどいます。彼らの邪魔になると思うと、お堂には恐ろしくて近寄れませんでした。村に戻る途中に幾つかの桜を見るつもりです。出発することにします。2016.4.19

満円寺の桜と菜の花

カナービを頼りに桜を探しましたがどこも見つける事が出来ません。境内に桜が見える寺が有ったので車を止めました。満円寺と言うお寺でした。

桜は若いソメイヨシノが多く大きな桜は見当たりません。ところが後を振り返ると真っ黄色の菜の花畑が広がっていました。

同行の地元に人に聞くと菜種油の栽培だとの事、色がとても鮮やかで透明感のある黄色です。草刈り機で畔の雑草を刈っている人が見えます。公園や観光用の菜の花とは明らかに密度と花の咲き方や色が違って見えます。住所:田村市船引町笹山字近馬場412016.4.19

 

左が満円寺、参道の六地蔵が見えます。その前は車の通る道があります。菜の花の茎がしっかりとしています。2016.4.19

目的の桜の場所を訪ねる事は叶いませんでしたが、桜と菜花の美しいハーモニーに出会ったことで十分満足です。
 
満円寺の周りを散策して桜を見ました。どれも若い桜です。ただ、見せるための桜ではなく、見たいために植えられた桜です。私の好みのただ咲いている桜です。この先には広い墓地が広がっていました。2016.4.19
 

お寺の入り口の桜です。出来れば明るい内に県境の村に帰りたいと思ったので、今回の桜の道を辿る旅はここで終わることにしました。

多くの桜を見る事が出来なかったのは残念ですが、野に咲く一本桜に出会えたことは良い思い出を残してくれました。県境の村に向かって出発します。2016.4.19

 

帰り道の山道の途中に見た大きな一本桜、福島県のこの辺り、4号線の東、郡山・三春・田村市の事ですが、は町の何処にでも桜が植えられているように思えます。

三春の滝桜やその子供と言われる数々の美しい桜を見て、自分で見る為に植えようとしたのか、何処にも桜が見えるような気がします。勿論、観光に売り出そうなどと言うサモシイ気配が余り感じられないのが良いところです(遠慮がちな宣伝なので効果は限定的なように感じます)。蛇足ながら福島県南の小さな社に沢山の狛犬が奉納されている事も不思議な事です。県境の村への帰り道は、沢山の満開の桜を目にしながらの楽しいドライブでした。2016.4.19

09/25/2016
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