秋の英国①ロンドンからストーン・オン・ザ・ウオルド②バートン・オン・ザ・ウオーター ③ラドロー ④ウエッジウッド・アウトレットとテート・ブリテン&ナショナル・ギャラリー

写真は8日に立ち寄ったコッツウオルズのストー・オン・ザ・ウオルド

11月6日から13日まで、英国に出張してきました。一人旅なので、従来は仕事先に直行して帰ってくるの繰り返し。アメリカのように3泊4日では帰ってこられない事もありますが、今回は仕事先がかなり田舎なのと、英国なら電車を利用する事が出来るので、途中寄り道をしながら行ってみる事にしました。電車とバスの時刻表を懸命に調べ、万が一の為に乗る列車の前後の時間も出来るだけ多くエクセルに読み込んで一覧表にして持って行きました。

例の通りと言うか、日本の鉄道が優秀すぎると言うか、時刻表が役にたたない場面が何度がありましたが、下調べのお陰で無事に目的地を回りながら仕事をつつがなくこなす事ができました。何度も乗り降りをする時にはこのブリットレイルという海外向けのチケットが大変便利です(スコットランドを含めてとか英国全土とかもありますが)。今回はイングランド内部だけですので、ブリットレイル・イングランド8日間、¥18,200(オフ・シーズンになるので安かったようです)を買いました。ヒースロウ・エクスプレスを含めて、8日間はイングランド内なら何度でも乗り降りが出来ます(少し高くなりますがとびとびに使用するタイプもあります)。ご存じのように、英国の各種運賃は時間によって変わるという複雑な上、時間が正確ではありません。乗り継ぎが失敗した場合、その都度高い運賃の時間帯の列車にスムーズに乗り換える事が出来るかも不安です。このチケットは何時でも乗降車が出来るので安心して鉄道を使う事が出来るのです。

最も重要な目的地は、ラドローという美しい城下町。その町のフェザー・ホテルと言う美しいホテルに泊る事も楽しみの一つでした。ラドローはウエールズに近く、リバプールを南下、シュールズベリーの南にある静かな田舎町。日本の観光客に会ったことがないので多分団体では行かない所ではないでしょうか。丘の上に建つパリッシュ教会の美しい尖塔が遠くからも望めます。そしてラドロー城とその周りの旧市街地。観光ずれを免れた大変静かで美しい町の滞在はとても楽しい一時でした。途中、北に向かう程に秋は深くなりロンドンに南下するほどに黄色く色ずく木々に旅情を掻き立てられる旅でした。11月6日の午前11:35、全日空で雨の成田を出発します。高校生の団体が乗り込んだせいか飛行機はこの季節としてかなり混んでいました。2012.11.06

概念図

旅程の概念図です。個人的な印象では、今回寄る事が出来ませんでしたが、コッツウオルズから更に西北、ウースター、シュールズベリー等ロンドンから行きにくい町に興味を魅かれました。車窓から見える限りの感想ですが、イギリスらしさが色濃く残っているように感じました。簡単に行けるところはどこも、”観光”と言う同じ色に染まってしまうと言う当然の帰結なのでしょう。
11月6日 ロンドン・パデントン着
11月7日 午前中イースト・クロイドン、午後からサウサンプトン
11月8日 パデントン⇒コッツウオルズ⇒ラドロー
11月9日 ラドロー・フェザー・ホテル滞在
11月10日
11月11日 ラドロー⇒ストーク・オン・トレント⇒パデントン
11月12日 テート・ブリテン⇒ナショナル・ギャラリー⇒PM7:30ヒースロー空港より出国
ヒースロー空港からパデントン
夕方6時30分、ヒースロー空港に到着。入国審査には長蛇の列、手際の悪さには呆れてします。オリンピックの時はさぞかし大変だったのではと思いました。1時間程掛って入国検査が終わる。

ヒースロー・エクスプレスに乗るべく地下道を歩く。入口の看板を通り切符売り場でブリトレイルのチケットに使用開始のスタンプを押してもらう。

ヒースロー・エクスプレスに乗るべくホームに行ったのですが、間違って普通電車に乗ってしまいました。明日は早朝から仕事なのにと自分の配慮の足りなさが腹立たしくなります。夕暮れが早いロンドン、雨が車窓に粒となって降りかけてきます。辿りついたパデントン駅で、馴染んだ出口の反対側に降りたらしく(ご存じかもしれませんがパデントンは列車の進行方向は線路がホームで終わっています。いつも出口をそのまま進んで行けば良かったのですが今回はどうも勝手がちがっていました)、雨の中で散々ホテルを探す羽目になってしまいました。結局駅を大回りして反対側に出て、馴染みの町の中で見つけたホテルに安堵しました(部屋は落語の長屋サイズのたいしたホテルでもないのですが)。2012.11.06

ロンドンからイースト・クロイドンとサウサンプトン

パデイントンは交通の便が良く下町の雰囲気がして居心地は悪くありません。ホテルも古いものが多く、ロンドン市内ながらシングル・£70~80で泊れる事からビジネス客が多いようです。このアシュリー・ホテルもオリンピックの影響かシャワーなどが綺麗になっていました。机も無い(スペースがありません)など快適とは言えませんがロンドンでは諦める以外ないと思っています。エレベーターもありませんのでシングルの安い部屋は狭くて急な階段を、重いトランクを自ら持ち上げる事になります。足腰の丈夫の方向けのホテルと言えます。1日£10、3日で£20(2日がないのが何とも上手な価格設定です)の無線ランも多くの部屋で使用できませんので、地階のレストランに行ってメールをすることになります。散歩がてら朝早く起きて、歩いて5分程のパデイントン駅と地下鉄の駅を昨晩のような間違いを避ける為に調べに行きました。7時半にホテルを出ます。2012.11.07

朝のパデイントン駅周辺ですです。地下鉄の駅が見えます。その先の路地を入ると鉄道のパデントン駅になります。今日は午前中に鉄道のロンドン・ブリッジ駅へ出て、イースト・クロイドンで取引先と面談です。午前中にロンドンに引き返し、そのままウオタールー駅から1時間半程のサウサンプトンで次の取引先と面談があります。ホテルの朝食は7時半からでしたが念の為に7時20分に行ったら既にビジネスマンが数人食べていました。私も10分で腹を満たして出かけました。

ちょっと寂しい感じのするロンドン・ブリッジ駅。イースト・クロイドン駅までは二駅。

イースト・クロイドン駅の前は路面電車が走っていました。いくら待っても迎えの車がやってきません。40分近く待ったでしょうか、仕方が無いので歩いていこうと坂道を下りました。もし道を間違えると午後からの約束が守れなくと駅まで引き返してタクシーに乗りました。

尋ねていくと、なんと互いに勘違いしていて向こうは明日だと思っていたとの事。旧交を温め、互いに身の上に過ぎて行った年月を思いました。訪問の用件は済みました。ロンドンに引き返します。

イースト・クロイドンからの列車はビクトリア駅につきます。地下鉄でウオータールー駅に向かいます。久しぶりなあので地下鉄の乗換で間違った時に備えて早めに出てきました。

案の定まごついてしまいましたが、大きなウオータールー駅に到着。ホームを見るとまだ時間が早く列車が着いていません。

 

ウオータールー駅の売店で昼食のパンとコークを買いました。£5.5したこのパンが意外に美味しかったのに驚きました。列車が来るまでの間にホームで食べました。ウオータールー駅は大きくて大変綺麗です。

 

サウサンプトンへの列車。このような席が中央部に8席ほど設けられています。パソコンを使ったり本を読んだり便利な席です。

今日は時間的に空いていたのでこの席に座りました。サウサンプトンでは吉田選手のいるサッカー場を見せてくれと迎えに来てくれた取引先に行ったのですが仕事を早く済ませようと事務所に連れて行かれてしまいました。結局終わったのはかなり遅くなり、あわててロンドンに戻る列車に飛び乗りました。

サッカー場も、タイタニックの造船場も見ることが叶いませんでした。久しぶりの再会を喜び、仕事の種が見つかったことで訪ねてきた目的が達成されました。ロンドンに向かう列車はかなり込んでいましたが、暗闇の中を走る異国の列車の中で藤沢周平の用心棒シリーズを開きながら充足した気分を味わっていました。2012.11.07

ロンドン・パデントン駅からコッツウオルズへ

翌8日の朝、アシュリー・ホテルにトランクを預けて、6時にチェック・アウト。外はまだ夜です。6時48分の列車でパデントン駅からモートン・イン・マーシュ駅へ向かいます。切符売り場に有った#19の時刻表と首っ引きで乗り越さないように注意をします。英国の列車は日本と違い遅延・中止等が頻繁にあるので調べた到着時間などあてにはできません。どうしても今夜の内にラドローに着かないと仕事に支障が出るので神経を使います。この列車には電源用のコンセントが付いていました。これは便利だと感心しました。ロンドンを離れると窓の外には秋の景色が続きます。2012.11.08

モートン・イン・マーシュ駅
パデントンから約2時間ほどでコッツウオルズの北の入口としてポピュラーなモートン・イン・マーシュ駅に着きました。シーズンオフのせいか観光客は一人も下りませんでした。5人程の乗客はそれぞれ急ぎ足で町の中に入って行きました。ホームがあっという間に閑散としてしまいました。
駅の壁には英語と併せて日本語の説明文が付いています。シーズンには多くの日本人が訪れるのでしょう。考えればロンドンから一直線ですから簡単に訪れる事が出来るわけです。
駅前の広場です。 駅前から50メートルほど進むと大きな道路に出ます。
駅舎を出ると広場の左に写っている建物が見えます。ここを訪れた人達のホーム・ページを見るとバス停は駅から離れてあると書かれていました。私もこの建物の前を右に折入って大通りに出て見ました。大通りに出て左折100メートル程先の左側に観光案内所があります。そこでバスの時間を確認したり情報を得る事が出来ます。私も念の為聞き合わせたら、インターネットに掲載されていた時間とは異なっていました。時刻表を貰って、そこから20メートルほど先のバス停で、ボートン・オン・ザー・ウオーターに向かう#801のバスを待ちました。ただ、この建物の前にも駅前のバス停があり(建物の横にバスが停まっています)時刻表が出ていますので乗降車が出来ます。私も帰りは駅まで乗せてもらいました。
ストー・オン・ザ・ウオルド
モートン・イン・マーシュ駅から15分程で最初の訪問地ストー・オン・ザ・ウオルドのバス停。観光客は乗っていませんでしたが、病院があるらしく多くの地元の高齢者の人が降りて行きました。日本と状況は同じようです。

天気が良いせいか沢山の車が止まっています。骨董屋が軒を連ねています。この壁がライム・ストーンで出来ている壁なのかと思いました。骨董屋を覗いても買いたいものも無いので飽きてしまいました。美しい路地から人が出てくるので恐る恐る入って見ました。狭い道が家々の間を通っています。余所者がずかずかと踏み込むのがはばかられるような美しい一帯です。

路地から通りに戻って散歩を続けると”ノース・コッツウオルズ”と言う町のパン屋さんを見つけました。地元の人が買いに来ていたので入って見ました。美味しいそうなケーキを3個とジュースを買いました。観光客用の店ではないようなのできっと美味しいと思い通りで口に入れて見ると想像通りでした。

他の人の記録を読むとカフェでお茶を飲むなどとありますが、私には似合いません。一人旅には、このように地元の人が買う店での買い食いが一番です。

このあたりはコンビニもあったので、ポテト・チップ、飴、水を買いました。地元の人々の生活に触れる事が私の旅の楽しみです。

更に奥に進むとセント・エドワード教会と記された尖塔の前に出ました。地元の人々の生活と密着したこのような場所も私の好みです。表通りの観光目当ての即物的景色に辟易とした気分を、静寂のこの地が私の心を癒してくれ、旅の喜びを高めてくれます。
1時間ほど散策したのでバスの時間が迫っています。次の目的地、ボートン・オンザ・ウオーターを目指してバス停からバスに乗り込みました。私はバスの車掌にボートン・オンザ・ウオーターと言って通じましたが(発音に難のある外人を忖度してくれたのかもしれません)、グーグルの地図ではバートンと書いてあります。2012.11.08
10/15/2013
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