秋の英国④ウエッジ・ウッド・アウトレットからロンドン・テート・ブリテンとナショナル・ギャラリー①ロンドンからコッツウオルズ②ボートン・オン・ザ・ウオーター ③ラドロー 

11月12日・ナショナル・ギャラリーからトラファルガー広場、ビッグ・ベンが望まれる

概念図

旅程の概念図です。個人的な印象では、今回寄る事が出来ませんでしたが、コッツウオルズから更に西北、ウースター、シュールズベリー等ロンドンから行きにくい町に興味を魅かれました。車窓から見える限りの感想ですが、イギリスらしさが色濃く残っているように感じました。簡単に行けるところはどこも、”観光”と言う同じ色に染まってしまうと言う当然の帰結なのでしょう。

11月6日 ロンドン・パデントン着
11月7日 午前中イースト・クロイドン、午後からサウサンプトン
11月8日 パデントン⇒コッツウオルズ⇒ラドロー
11月9日 ラドロー・フェザー・ホテル滞在
11月10日
11月11日 ラドロー⇒ストーク・オン・トレント⇒パデントン
11月12日 テート・ブリテン⇒ナショナル・ギャラリー⇒PM7:30ヒースロー空港より出国
ストーク・オン・トレント、ウエッジ・ウッド・アウトレット・ストアー
11月11日の午前10時頃、3泊したラドローを発ってロンドンに向かいます。途中、イギリスらしい思い出にウエッジ・ウッド等の陶器産業があるストーク・オン・トレントに寄る事にしました。ラドローをたって一駅、美しい教会の尖塔が見える町に電車が止まります。出来れば立ち寄りたかったシューズベーリの町です。ラドローのフェザーホテルのようなチューダー朝様式の家並みが今でも生きている美しい町だそうです。次回ラドローに来る事があれば訪れたいと思います。マンチェスターに向かう電車の次の駅クルーで降りて乗り換えです。2012.11.11
クルー駅のホーム、駅員にストーク・オン・トレントの電車を聞くと5番線との事。時刻表をプリント・アウトしてくれました。30分ほどで出る私が予定した電車は運休との事、1時間半近く待たされてしまいました。やっぱり英国の電車は信用できないとほぞを噛みます。それならシューズベリーが散策で来たのです。

5番線のホームに出て駅舎の外へ出て見ましたが何の変哲もない駅です。入口の案内所を尋ねると、ラドローを走る会社と違うお気に入りのバージンがストーク・オン・トレントからロンドンは運航しているとの事で、一安心しました。人の居ないホームのベンチで、昨晩ラドローのコンビニで買ったサンドイッチを食べます。2012.11.11

クルーから3駅程でストーク・オン・トレントにつきました。陶器産業が盛んな頃に建てられたと思われる雰囲気のある駅舎。駅と通りを挟んで建つ銅像はウエッジ・ウッドの創業者、ジョナサン・ウエッジ・ウッドの銅像だそうです。

駅を出て、ジョナサン・ウエッジ・ウッドの銅像が通りの反対がに見えます。左に進むとバス停とタクシー乗り場があります。暫くバスを待ちましたが中々来そうにありません。今日は日曜日で営業は4時まで、時間が無いのでタクシーに乗りウエッジ・ウッド・アウトレットに向かいました。確か往路は£7、復路は£6.5でした。*場所や詳細は変更されるので出発前に最新の情報を確認することが大切のようです。

ウエッジ・ウッドのアウトレットは工場に隣接したビジター・センター(日曜が休みなので行きませんでした)とこのウエッジ・ウッド・アンド・ロイヤル・ダルトン・アウトレットの二つがあるようです。ここは日曜も午後4時まで営業しています。他の人のホーム・ページを読むとこちらの方がアウトレットは多いようです。工業団地の様な場所にありました。

地元の人が大きなカートで家庭用の白い食器を大量に買っているのが目につきます。全ての食器をウエッジ・ウッドで揃えてやろうと気合を感じます。それらは概して安価です。

ただ、ウエッジ・ウッドはアメリカの会社に身売りして安価な品は中国で作られていると聞いています。白い無地の食器は値段から考えると中国製に思えます。

買収されたロイヤル・ダルトン、ロイヤル・ウースター等も一緒の会社になったようです。インターネットでロイヤル・ダルトンのフィギャーを買おうとやってきました。それが良く見るタイ製と書かれていたので、お土産の第一候補が無くなってしまったのです。

 

花柄の綺麗な食器は値段から多分英国製と思い買ってみました。考えればかさばってトランクに入らないのでは心配になりました。この棚の食器もかなり高いので英国製でしょう。これらの高いモデルは大よそ30~60%引きになっていました。丸の内にあるウエッジ・ウッドの店で見かけるような絵柄も見えます、かなり高かった気がします。
ロンドン・オリンピック目当ての食器がかなり安価で売られていました。食器のデザインはなかなか良いのですが、オリンピックが終わった今で5輪のマークが却って邪魔になります。

ここは本当にウエッジ・ウッドかと思うような値段で売られているコーナーです。不揃いであったりカップだけなどですので、トランクに入れて日本に持って行くわけにはいきません。日本への発送も頼めるようですが、私には知識がないので食器を選ぶ才能がありません。どう考えても持ち運びが難しいのでこれ以上の購入を諦めてロンドンに帰る事にしました。店の方にタクシーをお願いすると快く電話をしてくれました。2012.11.11

ストーク・オン・トレント駅の改札です。英国の地方の鉄道駅では乗車が自由で車中の改札で不正乗車を見つけるようです。
かなり大きなストーク・オン・トレント駅のフォーム。往時の陶器産業の繁栄がしのばれます。
ロンドン・ユーストン駅に到着。電車の先頭車両に鳥の死骸がくっついています。
これがバージンの列車です。有名な社長の趣味が出ていて、昔はもっとユニークでしたが随分大人しい雰囲気です。大変快適な列車でした。私はユーストン駅がどうも苦手で、今回もパデイントンへの地下鉄で迷いました。なんとかパデントンの町に出てアシュリー・ホテルの明かりを見た時はほっとしました。2012.11.11
ロンドン・パデントン駅のアシュリー・ホテル
ホテルの部屋から窓を開けてベランダに出てみました。火事になったらちょっと助からないかもしれません。古い家が続きます。

今日は出国の日です。飛行機は夜7時、やっと仕事が終わったので一日自由に過ごせます。ロンドンでは何時も出来る限りテート・ブリテンとナショナル・ギャラリーに出かける事を楽しみにしているのです。今日は大きな目的があります。テート・ブリテンの”オフィーリア”を見る事です。日本に来た時も、ミレーの故郷・英国で見ようと我慢したのですが、何時も貸し出されてやっと3度目で見られそうです。2012.11.12

ロンドンに帰ると途端に食事も部屋も極めて侘しいものになります。今日が最後だから我慢も出来ますが、長くはとどまりたくはありません。パンと紅茶で朝食を取ります。2012.11.12
レストランのたたずまいは中々しゃれています。新しい時には豪華な食事を出していたのでしょう。今では改築も難しいようです。このような安価な宿もロンドンにないと困ります。多分次回も数日の滞在をしなくてはならないでしょう。荷物を預けてチェック・アウトします。
外から見ると中々の外観です。交通の便も極めて良いのも特徴です。ロンドンはとにかく物価が高いのでサービスには限界があって仕方がないのかもしれません。パデントン駅に向かいます。
ベーカー・ストリート

朝9時に合せてホテルをチェック・アウト、荷物を預けてパデントンの地下鉄駅に向かいます。地下鉄の一日券を買う列に並びます。朝の9時過ぎならゾーン1・2の地下鉄が乗り放題で£7ですので大変割安、旅行客が沢山並びます。テート・ブリテンに向かう途中ベーカー・ストリートでおります。今は藤沢周平が旅の友ですが、昔はシャロック・ホームズを持って旅をしていました。本に出る番地を尋ねたり、散策をするのが大好きです。今ではこの番地(文中の番地は実際には存在しません)と推定される場所に記念館があります。

ベーカー・ストリート駅は大変クラシックな雰囲気で、大好きな地下鉄の駅です 駅を出るとメリル・ボーン・ロード、ホームズの銅像が建っていました。前からあったのでしょうか、初めて気が付きました。

駅を出てメリル・ボーン・ロードを右に、写真の一つ目の交差点を右折。信号で待っているとトヨタのプリウスが2台並んで信号待ち。個性的な車が走る英国の中でもかなり目立ちます。トヨタの回し者ではありませんが、なにか嬉しくなります。交差点から300メートルほどリージェント・パーク方向に向かうと左側にシャーロック・ホームズ博物館。

観光用の博物館ですがひっきりなしに人が出入りしています。かなりあたった観光名所なのかもしれません。私はホームズのイメージが壊れそうで外から眺めてベーカー・ストリート駅に戻ります。小雨がパラついてきました。うっかりして傘をホテルに忘れてきてしまいました。
⇐博物館を通りの反対側から見て見ました。さじずめ2階がホームズとワトソンの住む場所になりそうです。↑ベーカー・ストリート駅の壁面にはホームズのタイル絵。ピンリコ駅へ向かいます。
テート・ブリテン
英国への出張には大きな楽しみがあります。仕事が早く終わったり、土日だったりしたら気軽にナショナル・ギャラリーとテート・ブリテンを訪れる事が出来ると言う大きな楽しみです。今日は夜7時の飛行機で出国、4時頃までは自由です。迷う事無く美術館を訪れました。二つの美術館をテムズ川沿いに歩いてと思ったのですが、生憎の雨とやはり絵を見るのに時間が掛ってしまい大慌てでパデントンまで戻る事になってしまいました。

地下鉄のピンリコ駅です。テート・ブリテンへの出口案内が出ています。壁画で埋まった地下道はスロープで大きな通りに出ます。

今回の旅の楽しみの眼目である”オフィーリア”の作者ジョン・エヴァレット・ミレーの銅像が建っています。いつも反対側から入るので気が付きませんでした。
右手がテムズ川、それに沿うように大きな道路を横断して進みます。多分私の経験では、たいがい2~3人の観光客らしい人がその方向に歩いているので、人の流れを見ながら進むと右手に白い美術館が見えてきます。
街路樹は色付き秋の気配、どこか見慣れた景色とは違う秋です。テート・ブリテンの入り口にラファエロ前派展の看板が見えます。
今回は”オフィーリア”を見ることが最大の目的です。インターネットで調べて貸出されていないことを確認してやってきました。案内の品の良い男の人に勢い込んでオフィーリアの展示場所を訪ねます。ここには無いとの返事を聞いて、3度も空振りかとがっかりしてしまいました。私の英語力の欠如で、よくよく話を聞くと”ラファエロ前派展”に展示されていると言う事でした。日本に来た時も、ミレーの母国イギリスで見ようと決めてテート・ブリテンを2度訪れ、見ることが叶いませんでした。写真は”ラファエロ前派展”入場券・パンフレット・日本語の説明文

3度目にしてやっと願いが叶いました。1階の受付に戻って”ラファエロ前派展”の入場券£12.20を買い再度2階に戻ります。入り口で日本語のヘッド・セットは貸し出していないかと聞いたところ、それはないがと日本語の説明書をくれました。まずオフィーリアを探します。なんとそれ程の人だかりもなく目の前でその絵をゆっくりと見ることが叶いました。他の絵を見ては戻ってを数回繰り返し、心ゆくまで見ることが出来ました。ずっと見たいと思っていた絵に対面して力が抜けてしまいました。

見終わって帰る頃、先ほど説明してくれた案内員の男の人に出会いました。見たかと聞くので、英国で見ようと何度も来たと言うと、良かったと笑いかけてくれました。1階にもどり売店を覗いてみました。何時もは観光土産には興味がないのですが、今回はオフィーリアの絵葉書6枚£5とこの写真の£25の印刷物・40x30㎝・を買いました。ミレーの”両親の家のキリスト”もゆっくりと見ることが出来ました。あと数点心を引き付けられると感じた絵を見たのですが、それにミレーが含まれていて共鳴する何かがあるように感じました。少し疲れてしまいましたが、ナショナル・ギャラリーに向かいます。

ナショナル・ギャラリー
チャリング・クロス駅で降りると雨が本降りです。折角持ってきた傘をホテルに忘れたことを呪いました。大急ぎでトラファルガー広場を目指します。雨にもかかわらず多くの観光客でにぎわっています。一人旅の必需品三脚で自分の写真を撮っていると余程慣れた人間とでも思われたのでしょうか何人もの外人に撮影して呉れと頼まれてしまいました。

ナショナル・ギャラリーの階段を上って入り口を入ります。入り口からのトラファルガー広場の見晴らしが素晴らしいのでかなりの人々が見物しています。

入り口を入るとすぐ左側に各国語で絵を解説したヘッド・セットを確か£5.5で貸し出してくれます。説明する絵が載った説明書を付けてくれます。これは私がナショナル・ギャラリーを訪ねる時の必需品です。

 

入り口を入ってすぐ右手の階段を上ると最初がゴッホの部屋です。小林秀雄の”ゴッホの手紙”に若い時魂をゆさぶられた世代ですので、ビンセントと小さく書いた椅子の絵にたちまちのめり込んでしまいます。足が地に付かないほどの感動の連続です。この部屋で、時折子供達が図工の時間で来たのかゴッホの絵を模写している姿を見かけます。画学生と思える人々が模写していたり・・なんと恵まれた人々だと羨ましくなります。この部屋ではヘッド・セットで”ひまわり”の説明を聞くことができます。

私はいつも途中を飛ばして大急ぎで反対側にあるレンブラントの部屋へと向かいます。2枚の自画像の説明を聞きながら、レンブラントの鼓動が聞こえないかと目を絵の直前まで近づけて心ゆくまで絵と心を通わせます。今回はレンブラントの絵が多く展示されていたようです。ゴッホと言いレンブラントと言い、触らない限り目を絵の直前まで近づけても注意されることはありません(私の経験ですが)。

ゴッホとレンブラントを見ると興奮が少し落ち着きます。ゴッホの部屋まで戻りながらヘッド・セットの説明を聞きます。大使館員、水浴、ウイッスルジャケット、ロークビーのビーナース、チャールス一世・・まるで名作と言われる映画を50本以上連続して見た感動です。説明される絵は何時も同じですが感動は間違いなく大津波となって押し寄せてきます。今回の旅の締めくくりです。雨のそぼ降るトラファルガー広場に出てやっと正気に返りました。

やはり絵を見ていると時間を忘れてしまいます。思ったより時間を取られてしまいました。それ程のんびりもしていられません。大急ぎで薄暗くなりかけたトラファルガー広場を後にしてパデントンに戻ります。

ホテルでトランクを受け取りパデントンの鉄道駅に向かいます。パデントン・エクスプレスは大混雑、席がないので立ったままヒースロー飛行場へ向かいます。帰りの全日空機は空いていて映画を見たり本読んだり、眠ったりと久しぶりに時間に追われない旅を満喫しました。出発前の不安は消えて、来てみればそれなりの成果があったと何時も感じる充実感に満たされました。『秋の英国①ロンドンからコッツウオルズコッツウオルズ・ボートン・オン・ザ・ウオーターラドローテート・ブリテンとナショナル・ギャラリー』を終わります。2012.11.12

06/25/2016
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