カーナビは一旦最上川の大橋へ戻り南へ進むと指示します。大橋に続く道に出ると道路の雪が深くなり、空から大粒の雪が落ちてきます。車の通りも少なく地元の車の後に付いて走る事が出来ません。信号も見えにくくなりました。10分も走ったでしょうか、左へ曲がれと指示が出来ます。この道が大変な雪です。車が通らないのか除雪も完全ではないようです。真っ白な雪原の中、家人が左側の雪の壁を見ながら突っ込まないように指示します。大丈夫なのかと思いながらしばらく走ると国道13号線に飛び出します。
大石田町もご多分にもれず観光に力を入れているようです。好ましい事にその力の入れ方に厭らしさを感じません。観光バスを呼び込もうとするのではなく、町に興味を持って訪ねる個人を大切にしようとしているように感じられました。大石田町にお願いするとパンフレットを送っていただけます。おくの細道マップとそば街道のマップは大変有効でした。これを見てこの町の観光に対する取り組み方が理解できました。よれでますます尋ねてみたくなったのです。
これは早く県境の村へ帰ろうと天童を諦めて東根ICを目指します。東根ICの手前でガソリンを入れます。村山市あたりから道路の周りの景色が全く違います。雪の壁は低くいかにものどかな光景に見えます。ちょっと南に下っただけでこんなに違うものかと驚いてしまいました。山形道に乗って一安心です。蔵王を超える辺りは雪があるので緊張させられました。村田JCで東北道へと合流、東北道に雪は見られません。雪道に比べれば何とも楽なドライブです、気が付けば東根ICからノンストップで走り通し県境の村にはまだ明るい内に到着する事が出来ました。
村に帰り着いたまず井戸の電源を入れると風呂場の水が出るではありませんか。それなら村で一泊してから街へ戻ろうすっかり緊張が解けてしまいました。その夜は蕎麦を打って、山形での蕎麦と食べ比べてみた次第です。訪ねたかった銀山温泉と大石田を大雪の中、訪れる事が出来た充実感を味わった旅でした。大石田に掛る大橋から、降る雪などわれ関せずと悠々と流れる大河・最上川の風景が旅の大きな思いでです。*尾花沢と大石田町の芭蕉の足跡を訪ねては近日中に掲載申し上げます。2012.1.31