山形県銀山温泉@    A銀山温泉から大石田へ

昨年の出張以来、多忙を極めた仕事が一段落したので前から行ってみたかった山形県の銀山温泉に出かけてみました。山形県は大雪注意報が出ていたので果たして行きつけるかと考えれば道中の心配ばかり。村で雪道はある程度慣れているのですが、山形の大雪を見ては、まるで大人と子供の違いでした。雪の中、やはり人気の温泉地で多くの人が訪れていましたがそれでもシーズン中よりは静かなのでしょう。温泉街の風情に見惚れてしまいました。2012.1.30

街を1月29日の夕方出発、東北道を走って栃木・福島の県境の村に夜8時半に着きました。辺りは一面の雪景色、凍える夜空には月が輝いていました。雪かきをしていない敷地の中は雪で一杯です。月光の下、雪かきをしてなんとか車を玄関に付けます。水抜きをして帰った順序の逆をたどって、まず井戸のポンプのスイッチを入れます。台所の給湯器が元気に音を立ててお湯を出してくれました。一安心です。給湯器はこれまで何台も氷結させて壊していますので何時も心配です。いよいよ風呂の水ですがいくら待って水が出てきません。この冷温で管の一部が氷結したようです。全て熱戦を巻いてあるのでパンクはしませんが、結局朝まで風呂は水が出ませんでした。トイレは台所からお湯を運んで流がします。みじめな夜を過ごします。

翌1月30日の朝、9時30分、高速に乗る途中、旅の大きな楽しみの村の”農産物直売所・り採庵”に立ち寄って大量の野菜を購入します。野菜の値段が嘘のように安価で新鮮です。野菜を積んだまま東北道に走って山形へと向かいました。山形道から天童方面の東北中央道にはいり東根ICで出ます。雪が積もった山形道はトンネルで大きなスリップ事故があり通行止め、一旦下ろされます。一つ先のインターチェンジから再度乗ります。今日は銀山温泉に行くだけなので、途中蕎麦街道を通り名物の十割蕎麦を食べようと思います。

時間・評判から行きは村山市の”あらき”帰りは大石田の”きよ”を選びました。

村山市のそば屋”あらき”から銀山温泉へ

東根ICから村山市辺りは雪道も走りやすく、カーナビをたよりに”あらき”の前に到着。茅葺と思われる店は雪に埋もれるようにありました。さすがの雪で店も空いているようです。店の人が雪かきをやっていました。

雪かきの終わった駐車場に車を入れてそば屋の暖簾をくぐります。

店の方は皆親切で(この店に限らず私の出会った山形の人々は概して親切でしたが)ちょっと緊張して見知らぬ店に入ったのですが安心しました。
”うすもり”と言う所謂もりそば一枚と、これにニシンの煮物、大根、オカラ、漬物が付いたセットを一つずつを頼みました。
どす黒く煮しめられたニシンは甘辛い味です。オカラも大根も若干甘めの味付けです。漬物が付いています。この辺りの蕎麦には漬物が付いているとインターネットで知っていました。旅に出た感慨を感じます。店独特の味付けが楽しめるようです。唐辛子が付いています。

これが所謂、板蕎麦と称されるもので、この店では”うす毛利”と掛かれていました。散らばった蕎麦の間隔が空いているので少なそうに見えますが、これがどうして大変腹にたまるのです。私は何とか全てを食べましたが、家人は1/3程で食べられなくなりました。大雪の日、観光客は居ません。地元の人々は皆さんおいしそうに簡単に完食しています。

 

かなり評価の高いお蕎麦屋さんのようなので、旨いと感じる多くの人がいるという事は事実でしょう。そしてこれがこの地方で生まれた独特の蕎麦なのでしょう、私の好みにはちょっと合わなかったようです。個人的に言えば気取った蕎麦屋は趣味にあいません。手ごろな価格で普通の人々が空腹を十分に満たして旨い食べ物であることが個人的な条件です。このお店は気取りも無く、量は十分満腹になる事は間違いありません。そして蕎麦らしい味わいも高いので多くの人がうまいと感じるに違いありません。私も地元の人々にひき立てられているいる蕎麦に対面して楽しい体験が出来ました。ただ私には太すぎて固いので、馴染んだ食べ物とは違っただけです。たれも若干甘めのように感じました。神田の”まつや”が懐かしくなりました。

蕎麦屋”あらき”から銀山温泉へ

蕎麦屋の”あらき”を出て銀山温泉へと向かいます。看板も標識も雪の中、真っ白な世界に埋まっています。更に雪が降りつけて視界が悪くライトを付けて走ります。カーナビが頼りです。先行する車があれば離されないように後に付いて走ります。

先頭に立つと白一色の景色で道路と雪の壁の境が見えなくなります。見当で走らざるを得ません。一度など雪壁に突っ込んでしまいました。

なんとか尾花沢に到着、どこをどう走ったのか判然としません。カーナビに従って銀山温泉へと登り道にかかります。積雪が更に増します。

道路に雪の壁がせりだして塞いでいます。対向車があると互いに譲り合う以外通り抜けできません。

先行車について離されないように必死で走ります。こちらは長い道中なので、殆どの場合先行車はどこかに曲がって行きます。

最上川を渡ったのですが積もった雪の壁で全く川の景色が見えません。

銀山温泉

銀山温泉の入口で車列の最後尾につきます。バスがスリップして登れないようです。チェーンを取りつけているようです。バスが駐車場に入るのも雪の壁で何度も切り返さないとなりません。かなり待たされてやっと温泉街の白銀橋に出ました。これが橋から見た景色です。雪で埋もれてどこに宿泊する旅館があるのか分かりません。そして雪は止む事がありません。

 

白銀橋に車を止めて旅館に電話をすると迎えに来てくれて、荷物を持って旅館へと向かいます。車は旅館の方が駐車場へ運んでくれました。
 

宿泊した”やなだ屋”です。大変評判の高い宿なので大丈夫かと思いながら、冬季特別料金で宿泊をお願いしたら一部屋空いていると言う事で予約させてもらいました。評判通りの心のこもったもてなしに、大雪の山形への旅が更に印象深いものになりました。

細やかな目がどこにも行きとどいている事が旅館に入ると感じられます。夜の食事は1時間半から2時間かかると言われて驚いてしまいました。終わるころを見計らって作ったばかりの温かい料理が次々と部屋に運ばれてきます。緊張を強いられた長時間の雪道のドライブと食前酒の山ぶどうのワインに途中で眠くなってしまいました。次から次と出てくる料理の数々、覚えている事が出来ませんでした。なにか特別料金で泊めていただいた事が申し訳なく感じるほどです。

ご飯がないと美味しい料理の味が分からないたちなので、ご飯をお代わりしようとしたら、料理が次々に出てくるから止めた方が良いと言われたのが本当の事でした。最後に手打ちそばが出てきましたが、いかにも喉ごしが良いので聞いたら二八だと言うのです。昼に食べた十割蕎麦より私達には美味しく感じました。これだけの接待なら人気が高いわけだと納得しました。この大雪では泊るのは私達だけかと思っていたら列車の遅延があったとか、結局全ての部屋が埋まっていました。

温泉は温度が高い為に水で薄めている以外加温・薬剤の投入のない掛け流しです。風呂は大きくはありませんが清潔で快適です。小さな旅館ですから、他人と一緒になる事もなくのんびりと温泉を楽しめます。

 
雪降る銀山温泉

銀山温泉の温泉街は150メート程の短い区間、その両側に3階建ての木造旅館が何軒か建っています。宿泊した”やなだや”は温泉街の真ん中にあります。玄関を出れば風情のある温泉街が目の前です。川が流れ雪が降ります。雪にぼやけるライトの明かり、遠くに来た旅心を優しく照らしてくれました。2012.1.30

雪の中、宿泊する人々が温泉街の情緒ある風景に見惚れています。私も同じです、時間があれば温泉に入り、狭い通りに出て飽きもせずたたずまいの中に溶け込んでしまいます。
雪が景色の殆どと言えるほど銀山温泉は雪の中に埋もれています。来るまでにも雪に悩まされましたが、これこそ北国の温泉街が最もそれらしく装う姿なのかもしれません。そうであれば、冬こそ訪れる季節になります。
日が落ちると別の美しい景色が現れます。雪が街灯の光に照らされて映画のシーンのように切れ間なく降り注ぎます。人々はさらさらと舞い落ちる雪を楽しみながら古い木造の建物に囲まれた細い道を散歩しています。
 
 
   

お祭りの夜の子供のように、人々は去りがたいのでしょうか、雪の降る夜が更けてもこの情緒ある景色に溶け込むように雪の中を遠ざかって行きます。私たちには明日の長いドライブがあるので寝る事にしました。

もしかしたら明日コタツ船で最上川下りをと思っていたのですが、この大雪では行きつけそうにありません。憧れの大石田の町に芭蕉の跡を訪ねて見ようと思っています。A大石田と最上川は近日中に掲載申し上げます。

03/15/2019
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