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3月26日、八甲田の酸ヶ湯と積雪量日本一を争う肘折温泉に出かけました。1月末に出かけた銀山温泉より更に雪が深いと聞いていたので春近くまで待って出かけてみました。やはり冬の雪とは違います、それでも温泉街に近くなるほど雪が降り続き積雪が増すばかり。一時は果たしてこの先に温泉があるのかと心細くなったほどです。山に囲まれた肘折温泉は、季節外れのせいもありひっそりとたたずんでいました。
26日の朝、9時20分村を出て”り采庵”で大量の野菜を買い込み車に積み込んだまま東北道にのります。1月とは様変り、若干風が強いのですが天気が良いので車のエアコンの温度を下げました。東北道の無料化が終わるせいか休憩した国見サービス・エリアも乗用車で混雑しています。前回、試食を勧められた「仙台麩(油で揚げた麩)」がまだ試食をやっていました。大変美味しかったのと勧める人が親切だった(お代わりをお願いしたのに嫌な顔もしなかったのです)のでお土産に、長さ24センチ程で、4本入り¥900と2本入り¥600を貰い込みました。
ここのところ何故か、山形の庄内と村山地方に魅せられています。庄内は藤沢周平、村山地方は奥の細道のおかげです、そしてまことに楽しい旅を満喫しています。27日の朝、肘折温泉・元湯河原館の4階浴槽から、雪の一夜が明けて朝日が差し出した温泉街を見ています。多分後ろの山は葉山ではないかと思います。風呂を上がったら最上川の炬燵舟にのります。2012.3.26
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山形道の蔵王を超えるあたりも雪が全くありません。カーナビに任せて走っていると寒河江サービス・エリアまで来てしまいました。寒河江からの山道は冬季通行止めなのです。失敗しました。次の西川インターを出て仙台方面に戻り東北中央道を東根ICで降ります。
西川IC付近では雪が吹きかけ道路に積雪が見られます。東根IC近辺まで来ると青空さえ望まれます。13号線を新庄方面に向かいます。途中尾花沢で前回見られなかった芭蕉・清風歴史資料館に立ち寄ります。大変興味深く見学してから、車を置いて養泉寺と念通寺を回ります。資料館前の芭蕉像に雪が降りかかります2012.3.26 |
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たしか酒屋さんの古い屋敷を移築したと聞いた気がします。中はかなり広く、奥の細道の途中、芭蕉が滞在し、歌仙を巻いた鈴木清風に関する資料を見ることができます。尚奥の細道に関する事柄は後日、別に掲載申し上げます、ここではその概略だけを記したいと思います。 |
清風宅跡 |
資料館の裏手にある紅花や金融、舟運で材をなした鈴木清風宅跡地です。芭蕉が「かれは富めるものなれども志いやしからず」と書き残しています。このような市井の人々の人となりの一端でも知ることは、奥の細道に導かれて旅する大きな楽しみの一つです。
須賀川の相良等窮と言い那須の高久覚左衛門と言い、厳しい身分社会では武士階級の下の町人達です。彼らは組織の中でぬくぬくと守られた武士階級ではありません、理不尽な組織の力を振るわれればひとたまりも無い人々です。奥の細道を辿る旅で、身分社会の中でサムライ以上に潔く生きたこれらの人々の人柄の一端を知ることはこの上もない喜びです。清風は白河藩への貸し付けのほとんどを無慈悲にも棒引きにされたとの事です。養泉寺に向かいます。 |
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養泉寺 |
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2か月ほど前に銀山温泉の途中に訪れた時より随分雪が少なくなっていました。雪囲いの戸を開けて本堂に手を合わせます。芭蕉の句碑があるのですが多分雪の下かもしれません。本堂も大火で類焼して建て直したとの事です。個人的には建物や句碑より、芭蕉が立ったその同じ地面に足を運ぶそれが幸せと感じるのです。この寺に芭蕉は滞在したそうです。芭蕉を含めて諸々の事柄に感謝して手を合わせました。
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念通寺 |
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前回は最初に訪れた養泉寺の雪に念通寺は諦めてしまいました。今回もどうも裏から回ったようで雪が本堂を覆っていました。念の為にぐるりと周囲を回ってみると立派な山門を備えた本堂への入口は綺麗に除雪されていました。お邪魔させていただき手を合わせます。尚、奥の細道の旅の部分は日を改めて別項に掲載する予定です。2012.2.26
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肘折温泉 |
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肘折温泉は銅山川の右岸の大地に広がっています。左岸に渡り宿泊した元河原湯旅館を望みます。4階の風呂が見えます。掃除が行き届き、料理も美味しく、接客態度も申し分ありません。銀山温泉の「やなだ屋」と言いこの「元河原湯旅館」と言い、インターネットの情報はかなり正確です。 |
銅山川の左岸にも温泉街がありますが、郵便局や普通の人家も見られます。山の中の温泉街としては随分と大きなものだと感心してしまいました。 |
散歩を早々に切り上げて旅館に戻ります。9時20分最上川船下りの乗船券を買い、古口乗船場に向かいます。約50分程とか、乗り遅れてもと早めに出発。10時50分発の一番の舟に乗るつもりです。温泉街のはずれから肘折に別れを告げます。20分も下ると、雪の壁を残して道路の雪は消えてしまいました。いよいよ芭蕉の足跡をたどって最上川を下るのです。2012.03.27 |
04/17/2021
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