那須山山麓逍遥

那須山の麓が丁度紅葉の頃を迎えたようです。平地の紅葉は、山の紅葉に比べて色合いの透明感と鮮烈さに欠けますがやはり今までの単調な景色が一変します。那須町から白河の関まで、那須連山が望まれる道沿いに散策して見ました。静かな生活の場があるだけの何の変哲もない風景ですが、それだからこそ心は柔らかく揉み解してくれるようです。写真は白河市の南湖公園と那須への道、紅葉は目立ちません。那須連山が良く見えます。

【逍遥の道順】県境の村を出発⇒白河農協”り採庵”⇒白河の関⇒南湖公園⇒柿の収穫・米の購入⇒那須町・歌舞伎煎餅⇒パウワウ・ピザ⇒那須町・つつじ吊り橋⇒村に帰着。2014.11.10

白河農協直売場・り採庵

白河農協の”り採庵”での買い物が一日の仕事始めです。10日、11日と少し早起きして9時30分の開店に合わせて訪れました。やはり秋になると野菜の種類と量が少なくなりますが価格と新鮮さを知るだけに買いたいと言う誘惑には勝てません。とりたての野菜の美味しさが実感できます。街で売られている野菜は、日持ちを考えて食べごろより少し早目に収穫するので硬く複雑な野菜の香りや味が感じられない事が実感できます。り採庵の野菜はその日の朝、食べごろのものを収穫して販売しているので、野菜の味が濃密です。そして価格はおよそ街の半値ほどで売られているのです。旅先では出来る限り農協の直売場を調べて訪れるのですが、私の少ない経験でもこのり採庵以上の品ぞろえと価格の場所に出会った事がありません。2014.11.10
白河の関
都の歌人も、源氏の武者も、芭蕉も越えた白河の関、秋の今日は誰一人訪れる人が居ませんでした。大きな杉が静寂な鎮守の森の守り神です。参道を登って白河神社に詣でました。2014.11.10
 

一日数回の白河駅からバスが止まります。
ここは奥の細道にも出てくる旗宿です。

喧騒とは無縁です。普通に流れる川も清らかに澄んでいます。小魚が泳いでいました。
黄色のイチョウが鮮やかです 落ち葉が浮かんでいます
静かな白河神社への参道を登ります。素朴な神域を歩く事はそれだけで心が癒されるようです。神殿の前で頭を垂れて感謝とお願をしました。鳴らない鈴の綱を思い切り引っ張りました。
一本だけ鮮やかな紅葉の木がありました。辺りは殆どが緑で覆われているので一際目立ちます。このような秋の紅葉も良いものです。

推定樹齢800年の巨大な”従二位の杉”を見上げています。大きく張った枝が空を遮っていました。杉の上を過ぎた年月は私の悩みなど何程の事があるかと諭してくれているように思えてきます。

ありきたりの田園風景が広がります。澄んだ水と水草が躍る流れ、静寂が更に神域の空気を清冽なものにしているようです。そこに身を置く幸運を感謝した次第です。
南湖公園
南湖は桜の季節程見るものはありません。鴨が睡蓮の間を泳いでいました。那須山が綺麗です。2014.11.10

島にはシラサギや鵜が休んでいます。松平定信由来の南湖神社は島の陰になります。

柿の収穫

南湖を出て那須に向かいます。途中知り合いの家に立ち寄り柿を採らせてもらいました。2014.11.10

”ミシラズ”と言う渋柿の木が7本程広い敷地に有りますが殆ど柿の実は放置されたままです。取り放題です。欲にかられて100個以上は採ったでしょうか。那須町に向かう途中スーパーに立ち寄り渋抜きのアルコールを求めて作業を行いました。一週間後、ビニール袋で密封した柿を食べて見ました、ほろ甘い大量の柿は食べられそうです。

近くの農家の人の家で新米を買いました。毎年1年分を予約して、冷蔵庫に保管してもらっているのです。美味しいお米です。
那須町逍遥
那須岳と朝日岳が秋空の下にくっきりと見えます。木々は紅葉のようですが色彩が今一つはっきりとしません。この広大な場所でも除染作業が行われていました。営々と続けられている骨の折れる作業に頭が下がります。
歌舞伎煎餅アウトレット・瑞夢庵

近頃すっかり馴染みになった”歌舞伎煎餅”のアウトレットが買える”瑞夢庵(ずいむあん)”で煎餅を買います。残念ながら最も好きな古代米の煎餅は8袋しかありませんでした。塩煎餅等色々なアウトレットの壊れ煎餅を買い込み大満足です。

住所:那須町大字高久甲字喰木原5521-11・0287-78-8210・時間:9:30〜17:30

パウワウでピザを食べる

今回の楽しみの一つ、パウワウという店でピザを食べる事にしています。那須町の食べ物屋は玉石混合、殆どが一見の観光客用なので満足を得る事は稀です。高いからとか(最も最初から行けませんが)、テレビに出たなどの話を信じる事は無駄のように思えます。

今回は久し振りに大当たりでした。丁寧な調理、適正な価格、静かな内部、美味しい味、那須町で久し振りに食べられる場所を見つけた気分になりました。勿論食べ物の好みは人により異なるのでこれは私の個人的な嗜好からの感想です。今まで時折訪ねていた那須街道の混雑する有名なイタリアンの店より私には美味しくかつ静かな雰囲気を好ましく感じました。レストランはこの森の先にありました。パウワウの住所:那須郡那須町高久乙3368-141・0287−78−3343・ 11:30-14:302014.11.10

ペンションを兼ねたレストラン。カーナビなしでは探すのに苦労するかもしれません。細かな注意書きを読みました。静粛な環境に気を付けている事が分かりました。

前菜が出てきました。これが大変丁寧に作られていて味が良いのにびっくりしました。ピザだけなら¥1,000程度、前菜と飲み物が付いたセットで¥1,500程度(はっきり覚えていません)と大変合理的です。
海の幸のピザ(名前は確かではありません)これが大変美味しかったです。存分にカリッと焼けていてジューシーで厚みもありました。

家人の頼んだマルゲリータもトマトの味がとても美味しかったです。

昼が遅かったので、私達を入れて3組の客が居ましたが室内は静寂です。私の乏しい経験ではありますが、久し振りに那須町で何時でも行ける美味しい食べ物屋さんを見つけた気分です。外に出ると南月山から那須岳に続く山並みが見えます。パウワウでの食事が美味しく好ましかった事で今回の散歩は大きな満足を与えてくれました。2014.11.10

つつじ吊り橋
秋の晴天に誘われて、ここまで来たのだからともう紅葉が終わったであろうつつじ吊り橋を見る事にしました。那須湯本の温泉街を超えて坂を上ります。殺生石を超えて更に進むと右に曲がる吊り橋の標識。駐車場には8台程の車が止まっていました。吊り橋の上から辺りの景色を見て往復します。美しい朝日岳がくっきりと見えました。2014.11.10
帰路の紅葉
村へ帰る事にしました。既に日が陰り出しています。渓流の斜面が陽の光に輝いていました。道路を外れて田圃の道を山の斜面まで近付いてみました。2014.11.10
見る人も居ない山の斜面は黄色から赤まで、色に染まっています。陽の光はそれを私達に見せてくれているようです。ポットの残りのお茶を出して暫し風が吹きだした田圃の道に立って眺めていました。2014.11.10
村の植物

村に帰りついて今日の散歩の楽しい思い出を反芻しながら植物を見ています。愛らしい実を見ていると心がすーと静まってきました。明後日から始まる街での暮らしに大きなエネルギーをため込む事が出来た楽しい散歩だったと実感しました。2014.11.10

ツルリンドウの実。知り合いの裏山の斜面に群生しています。5株程を移植して見ました。 庭のムラサキシキブも終わるようです。 建物の陰でヤブコウジが健気にも赤い実をつけていました。
04/17/2021
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