ラショウモンカズラ

田代山は尾瀬日光国立公園にある
美しい花の山として知られています。

天井の湿地帯には可憐な花々がひっそりと咲いています。それは汗をかいてこの地を訪れた人だけが目にする事が出来ます。

天上の湿地田代山から帝釈山①田代山山頂へ  
 
 

 

田代山から帝釈山

前日は山開きだったとの事、さぞかし混雑しているだろうと恐る恐る出かけました。県境の村を出たのは8時近くいかにものんびりしてしまいます。無料開放された那須甲子道路から新しく出来た長い長い甲子トンネルを抜けます。会津西街道(121号線)に出てから鬼怒川方面へと南に暫く戻ります。

久しぶりに訪れた会津西街道の町も変化の波に洗われているようです。鉄道が通り、トンネルが抜けたせいかおっとりした町の趣が減じられたような気がします。会津田島の町名までもが合併の結果南会津町と変わっていました。舘岩村も『南会津町舘岩』となっています。苦労して超えた中山峠も素晴らしい道でトンネルとなっています。なにか舘岩も騒々しい感じがして驚いてしまいました。トンネルが出来てから随分たつので村が変貌を遂げるのも無理ない事ではあります。

桧枝岐へ向かう352号線の舘岩で大きな標識に従って田代山方面に左折します。湯の花温泉を通り過ぎてしばらく進むと湯又川に沿った田代山林道にに入ります。

道路の両側に満開のタニウツギ

砂利道の林道に入ると『タニウツギ』が満開です。確かに今は卯の花月、暮らす村の里山の斜面には白いヒメ・ウツギの花が咲き乱れています。トイレが完備した手前の駐車場に一台、奥の駐車場に4台、それが今日の登山者の全てのようです。混み合っているのではと案じていましたがこれで一安心。全ての人は登り出しているようです。10時に出発しました。登りだすとすぐに上から下ってくる人がいます。小田代の手前ではなにか調査をしながら登っている4人連れの人に出会いました。

ルートは登山口→田代山→帝釈山→田代山→登山口をたどりました。文中、浅学の為山野草の名前が間違っている場合もあります。2009.06.08

車を止めて登山口の様子を見ようとすると砂利の道路脇に二輪草の群生。それも辺り一面に惜しげもなくおおらかに咲いています。そして強い赤のツツジ(多分ヤシオではないかと思いますが確かではありません) 。駐車場の周りで既に可憐な花のお出迎え、これからの道中は如何ばかりかと楽しくなりました。

登山口の標識です。途中も迷うことなく標識が完備しています。それに導かれて登山道をたどります。

小さな沢を渡って道が続いています。入口に入山者数を数えるセンサーが付いていました。何とも現代的な装置がこんな山の中に設置されているものです。

小さな橋を渡って登山道に足を踏み入れると、沢の冷気が辺りを覆っているのか空気がひゃっとしてきます。湿度も少し高めのようです。そこに鮮やかな紫の『ラショウモンカズラ』が群生しています。草丈は40センチほどでしょうか。

何ときれいな色合いなのでしょうか。鮮やかな紫は『トリカブト』を思い出させます。思わず見とれてしまいました。こう度々美しい花に出会っていては、歩行が何とも遅々としたものになるのも仕方がありません。花の山に来たのですからのんびりと行きましょう。

登山道は緑の木々に覆われて続きます。登りだしてすぐ最後の水場の標識が出てきます。帰路まだ氷が僅かに残っているペット・ボトルに水場の沢水を汲んで飲んでみました。汗まみれの体に驚くほど甘く感じる美味しい水でした。
緑に目が洗われるとはこのような時でしょうか。登山道は木々が日差しを遮ってくれてひんやりとしています。対岸の山肌も緑の森です。

登山口からの登りはほぼ一本調子、木々に覆われた快適な道。時折シャクナゲや野生のアジサイでしょうか、花木が鮮やかな咲いています。美しい花々に元気づけられながら登ると眼前が急に開けてぽっと山の広場が表れてきます。小田代です。小さな湿原が広がっています。目の前には残雪の田代山が望めます。足もとの湿原には可憐な小さな草花が秘かに咲いています。

いまだ盛りの季節には早いのか人影がありません。この自然を独り占めです。木道を更に進みます。

 

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06/13/2020
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久しぶりに村を訪れたついでに福島・栃木県境の花の山として知られた田代山に登ってみる事にしました。以前から一度尋ねて見たいと思っていましたがその機会がありません。今度こそ田代山の湿地帯をと思い切りました。案内書を読むと林道がかなり登山口近くまで通じていて田代山へ登る時間は僅かのようなので、見晴らしの良い帝釈山まで往復する事にしました。ただ、登山道の両脇には可憐で上品な山野草が絶えず現われてきます。歩行は遅々としたものになります。

ご存知のようにこの地は福島・栃木・新潟・群馬が境を接しています。標高は低くても大変山深い土地です。頂から望めば山又山、会津駒ケ岳が目の前です。燧ケ岳も指呼の間、尾瀬沼はそれほど遠くありません。山の花・高山植物一覧