天井の湿原・田代山から帝釈山③田代山から帝釈山へ  
 

 

帝釈山から残雪の会津駒ケ岳を望む。左には燧岳から尾瀬沼。駒ケ岳の向うは銀山湖、ここは奥深い南会津の山なみの真っ只中。

田代山から望む帝釈山はかなり遠くに見えます。一旦下ってから登りになるようです。途中の道は多くが木々で上を覆われています。少し湿り気があり冷気が辺りを支配しています。今が盛りの『オサバグサ』が斜面のあちらこちらに群生しています。可憐な花です。草丈は20センチ程度、小さなすずらんに似た白い花が沢山付いています。

田代山への往復はそれほど長く感じませんが、更に帝釈山までの往復となるとこの間がかなり長く感じてしまいます。それでも帝釈山頂上からの展望がその苦労に報いてくれるます。写真は帝釈山頂上から残雪の会津駒が岳を望みます。山の向こうは銀山湖、新潟県になります。山の花・高山植物一覧

田代山の頂上を東に帝釈山へと進むと大師堂のきれいな無人小屋があります。奥に仏像があって昔はおこもりをしたお堂だったようです。中には8人ほどが泊まれるようになっていました。無人の避難小屋を兼ねているようです。近くにトイレも備えられています。小屋の後ろから帝釈山への道を下りだします。
オサバグサ

太子堂を過ぎて帝釈山を目指します。道は木々で覆われ、冷気と湿り気を帯びた心地よい下り道。あたりの斜面にはオサバグサの群生が点々と途切れることなく続いています。草丈が25センチほど、すずらんに似た小さな花を一杯に付けています。清純で品位が感じられる可憐な花です。木陰の強まったあたりには沢山のオサバグサが見られます。オサバグサは帝釈山に向かうこの辺りでしか見られませんでした。

ショウジョウバカマ
登山道の横に高さが2メートルを越えそうな大きなコケで覆われた枯れ木がありました。驚きの自然の造形です。
オサバグサの咲く帝釈山への登山道の所々には残雪が見られます。
ショウジョウバカマが満開のようです。木漏れ日の中で鮮やかに咲いています。山野草としては少し目立つ花です。それでも雪でもまれて葉が傷ついている姿を見ると痛々しくなります。

帝釈山への道がほぼ下り終わった頃、登山道には残雪が多くなってきます。

ちょっとした岩の多い尾根道を登ると帝釈山の頂上です。見晴らしは360度、登りでかいた汗も引っ込みます。ここで昼食、ただ虫が異常に多くおちおち休んでいられません。

辺りのクマザサを取って虫を追い払いながら食事をしました。360度の景色を眺め、口にはお握りを入れながら押し寄せる虫を払う。大変忙しい休憩でした。持ってきたグレープ・フルーツが何とも美味しかったのが印象に残ります。虫に追われてそうそうに頂上を後にして田代山へと戻ります。

頂上から燧ケ岳を望む。右に長大な会津駒ケ岳が見えます。燧ケ岳の向うは尾瀬沼になります。この福島県南部の山には多くの湿原があります。

帝釈山の下り道には所々残雪が道を塞いでいます。頂上に着くまでは撮影を出来る限り押さえていたので帰路は時間の許す限り風景を撮りました。

帝釈山からの下りは快適な岩の道です。崖の際にシャクナゲが咲いています。

狭い登山道を塞ぐ残雪、端に乗ると踏み抜いてしまいます。
帝釈山から田代山に戻ります。下降する途中から田代山方面を望みます。平らな頂の向こうが田代山湿原だと思われます。一旦鞍部まで降りてから再度登ります。これから少しの下りで道は木々の中に入っていきます。この途中に残雪・シャクナゲ・オサバグサ・ショウジョウバカマが見られます。太陽の影が少し長くなったような気がします。しっかりと足を速めないといけないようです。
田代山の湿原まで戻って来ました。虫が殆ど居なくなりました。人っ子一人居ない湿原の隅で最後の休憩を取りました。残りのグレープ・フルーツや甘いものを食べお茶を飲んで景色を眺めます。何とも贅沢な事です。

登っての感想は、田代山まではかなり楽ですが帝釈山までは結構長く感じました。個人的な気持としては折角田代山まで来たのなら少し雰囲気の違う帝釈山まで辿ってみた方が変化に富んだ景色を楽しめるように思えます。村からそれほど遠くもないので、機会があれば花の盛りの頃に訪れて見たいと思っています。その時は蚊取り線香を忘れずに持ってこなければ・・・『花の山・田代山から帝釈山へ』3部作終わり。2009.06.08

・3
06/13/2020
本日カウント数-
昨日カウント数-
Copyright (C) Oct. 10,2007 Oozora.All Right Reserved.