大朝日岳は左端の雲の中にあります。一瞬でも頂上が見えないかと待っていたのですが次々と雲が流れてきます。小屋はおおよそ頂上の近くです。一踏ん張りして明るいうちに小屋まで行きつかなくてはなりません。
標高約600メートルの日暮沢から、大朝日岳1,870メートルまで高度差約1,200を登ります。山の高度から受ける印象より登りでがあると感じました。
北の山の素晴らしさを満喫しました。私達は日暮沢小屋を出て反時計回りに山なみを辿り、朝日小屋に一泊、小朝日岳を経て日暮沢へと戻りました。今回の②では竜門山から朝日小屋までの稜線部分を掲載しました。2011.7.25~26
竜門山から朝日小屋までの稜線は静寂な花の道でした。高貴な紫のタカネマツムシソウの群落がそれは際だって美しい景色でした。
竜門山から西朝日岳までは若干のアップダウンがありますが、登山道の周囲には高山植物の群生地が続きます。この周回コース中最も快適な区間のように思えます。晴れていればさぞかし素晴らしい景色を堪能できたのに残念です。途中、大朝日岳方面から竜門小屋を目指す数人の登山者とすれ違いました。そして夕暮れのせまる山は元の静寂に戻りました。目指す朝日小屋周辺はガスの中に沈んでいます。
稜線上の小さな突起を越えていきます。このあたりの登山道の両側はハクサンイチゲが大きな群落を作っていました。
時折ガスが一面を覆うためにどの辺を歩いているか判然としません。道はしっかり続いているので間違う恐れはありません。
西朝日岳からの下りはニッコウキスゲの群生地です。霧の舞う斜面に時降り鮮やかなニッコウキスゲの黄色が一面に咲いているのが目に入ります。直ぐに霧が辺りを覆います。西朝日岳を下ると最後の中岳の登りになります。ガスの切れ間から大きな中岳が見えます。
中岳から下ってくると金玉水の標識。登山道の先の小高いあたりに朝日岳小屋が見えます。ここで水を供給しないと小屋にはありません。荷物を置いて雪渓の見える場所に降りて行きます。5分ほどで水場がありました。炊事の水をたっぷり供給、タオルで体を拭います。途中で水が切れていたので生き返りました。分岐点では水場まで下るのがおっくでうしたが、降りてきて本当に良かったと思いました。あたりはなだらかな丘陵状になっていて、あちらこちらに高山植物のお花畑が広がっています。
チングルマが大きな群落をあちらこちらに作っていました。
竜門山から西朝日の間はなだらかな尾根道が続きます。登山道の両側にはお花畑が途切れることなく表れて私達を興奮させてくれます。我々は息をつめて花々を 見つめ、そして歓声をあげるのです。花の名前は間違っている場合があるかもしれません、お許し下さい。
タカネマツムシソウ
ハクサンフウロ
ハクサンイチゲ
ウスユキソウ
ミヤマリンドウ
イワインチン
タカネヨモギ
タカネアオヤギソ
コバイケイソウ
ナンブタカネアザミ
アオノツガザクラ
ニッコウキスゲ
ヨツバシオガマ
ヒナザクラ 金玉水のあたりには幾つかの大きな群落を作っていました。
ムカゴトラノオ:硬い実のようなつぼみが割れて白い花がのぞいていました。
竜門山の主稜線に出ましたが、ガスが舞っていて景色が見えません。乾燥した砂礫や小さな岩の中の登山道の周囲には高山の花々の群落が続きます。たどりついた金玉水から今夜の宿、朝日岳避難小屋が望まれます。*近日中に朝日岳周回3を掲載申し上げます。
朝日岳周回 1・2・3