南アルプス・甲斐駒ケ岳(2967m)②頂上地図 ①駒津峰

駒津峰から小さな登り下りで六方岩に到着します。登山道は支峰『魔利支天』方向へと巻きながら雪かと間違えるほどに白い花崗岩の中へと続きます。見晴しの素晴らしい登山道が頂上へと続きます。2010.09.13

登山道概念図と所用時間
甲斐駒ケ岳2010.09.13
北沢峠発 10:20
双子山着 12:40
双子山発 12:55
駒津峰着 1:40
駒津峰発 2:00
分岐点着 2:30
分岐点発 2:45
甲斐駒着 3:40
甲斐駒発 4:20
駒津峰着 5:35
駒津峰発 5:45
ライト点灯 6:35
仙水峠 6:45
駒仙小屋 8:25
駒津峰から甲斐駒ケ岳頂上へ
甲斐駒ケ岳へ向けて小さな登り下りが続きます。目を上げれば白く輝く大きな甲斐駒が目の前にそそり立っています。

空が晴れてきて甲斐駒の頂上がはっきりと見えてきました。花崗岩の白い岩山が、ちょっと目を上げれば何時も聳えています。まぶしいほどの白い山です。素晴らしい登山道です。

大きな岩の重なる六方石、岩の隙間で寝泊まりができそうな感じです。頂上は見えなくなりました。この先で道が右へと回りこんでいきます。

 

左・直登ルートと右・巻き道ルートの分岐点です。後ろから来た若い二人連れは直登ルールへ、私たちは巻き道ルートへと進みます。

直登ルートと巻き道ルートの分岐点で水を飲みバナナを食べて休憩しました。空を旅客機が飛んで行きました(丸印の中)。

『魔利支天』への標識。森林限界を抜けて素晴らしい見晴しの登山道になります。太陽が白い花崗岩にきらきらと反射してまぶしいほどです。登山道の草花を掲載しましたが名前が間違っているかもしれません。

イワインチン

この斜面を登ります。まことに爽快な登山道です。全体に白く輝いています。

 

 

 

 

 

 

コガネギク

 

 

オオヤマリンドウ

 

トウヤクリンドウ
シラタマノキ
『魔利支天』は足下になりました。頂上は近いようです。

2967メートル、甲斐駒ケ岳の頂上です。見上げた感じではもっと尖っているように見えたのですが、頂上がかなり広いのに驚きました。直登ルートの二人の青年がコッフェルで何かを調理しながら食事をしていました。私たちも握り飯を出して遅い昼食をします。北岳方面はガスが掛って見えないのが残念です。鳳凰三山ははっきりと見る事が出来ました。

下山しようとすると外人が一人登ってきました。写真の依頼で社殿の前で数枚撮ってあげました。グーグルの地図を持って、尾根伝いで仙丈から北岳を登るのだがどう行くのだと聞かれました。幕場も限られていて難しいので一旦北沢峠に下って登り直した方が良いと教えてやりました。一緒に下ると云うので同行することにしました。聞けばルーマニヤから来て富士山を登ってきたが俗化していてがっかりしたとの事でした。甲斐駒は素晴らしいと感激していました。3人で下る事にしました。
下山
何時までも頂上に居たいのですが日暮れがせまっています。名残惜しいのですが思いきって下ります。下り道が大変快適なのです。柔らかい花崗岩の砂礫の道です。眼前に遮るものがありません。これほど快適な下り道はそうそうあるものではありません。晴れていれば正面に富士山と北岳が見えるのですが、ガスが掛っています。それでも柔らかな砂地の心地良い下りと、すっきりと前が開けたローケンションを大いに楽しみました。
頂上からルーマニア人が一人加わり3人で下ります。ヘッド・ライトを持っているかを確認したら、強力なライトがあるというので安心しました。
柔らかな砂を踏みしめながら見晴らしの良い道を下ります。ごろごろした岩が無いので快適この上ない下山です。
六方石まで戻りました。これから駒津峰へ登りとなります。同行のルーマニヤ人も元気に付いて来ます。彼はテントや寝袋までもって登ってきたようです。
これを登ると駒津峰です。もう登りは終わりです。駒津峰からは仙水峠を経てテント場の駒仙小屋まで下るだけです。
夕焼け駒津峰
駒津峰5:30、既に夕暮れがせまっています。白く輝く甲斐駒ケ岳が赤く染まり出します。素晴らしい自然の美です。一緒になった若い二人の登山者に尋ねると、双子山を登るのが大変なので登ってきた仙水峠から下ると云うのです。道を尋ねると、夜でもそれほど迷わないと云うので私たちも仙水峠から下る事にしました。

今日始めて北岳を見ることが出来ました。明日の好天を約束する夕焼けの中に北岳の頂が突き出していました。昨年あの頂からこの甲斐駒を見た時の事が思い出されます。

左に鳳凰三山、その右に薄く富士山が見えました。

白い岩山の甲斐駒が薄い赤色に染め上げられています。夕方ここに立っていないと見ることが出来ない甲斐駒ケ岳のもう一つの美です。同行のルーマニア人と我々も神々しい姿に声もありません。迫る夕闇に追われて仙水峠へと下ります。

甲斐駒ケ岳とのお別れです。夕焼けもそろそろ暗闇に取り込まれるようです。山に居るのは我々だけかもしれません。もう下る登山者は居ないようです。

あかりがすとんと消えて辺りが真っ暗闇に包まれました。仙水峠の手前でライト点灯します。途端に歩みが緩やかなものになります。昼間なら簡単に歩けた道が、広くなったところでは判然としません。分かりにくいところでは間違わないように慎重に道を探します。ここまで一緒だった若い二人連れの登山者が我々がヘッド・ライトをセットしている間に先に行きます。登りにこの道を使ったので様子が分かっているのか、あっという間に見えなくなりました。暗闇の中で仙水峠の標識を見つけ右へと下ります。

仙水峠から左手に町の明かりが見えました。多分甲府方面ではないかと思います。右に沢へと下ります、闇が更に深まります。峠から降りるとすぐに大きくて黒い大石の転がる場所に出ます。道が途中で消えて見つかりません、友人は、再度仙水峠へ戻り手がかりを探します。私は外人に動かないように言って慎重に踏跡を探します。何度か道を失いますが慎重に確定しながら下ります。しばらくして大石の地帯を過ぎてしっかりした登山道が現れ一安心。

仙水小屋の明かりを見たときはほっとしました。小屋からご主人が出てきて親切にも湧き水を飲んでいけと言ってくれました。流れている水を飲んだらそれがとてつもなく美味しい水でした。外人が草臥れたので此処でテントを張るとい言い出します。仙水小屋のテント場まで行ってはみたのですが、ご主人が我々と一緒に駒仙小屋まで行ったほうが良いと言うので彼もそれに従うことにして更に下ります。駒仙小屋のテント場に戻ってきたら既に夜の8:20、テント場の人々は既に寝ているようです。外人はテントを張り、私達はテントの中で食事を作ります。この夜はかなり気温が下がったようで寝袋に入っても寒くて中々寝付かれませんでした。

帰宅

テント場では早暁から出発の用意をする人々の登山靴の足音がします。寒さで寝付かれないのですが、うつらうつらしている内に明るくなりました。今日は快晴、既にテント場には殆ど人影がありません。残ったのは昨日途中まで一緒だった二人連れの若い登山者と私達位でしょうか。テントを乾かしながら帰宅の用意をします。隣に幕営した外人が起きてきたので地図を描いて仙丈岳と北岳の道を教えてあげました。仙丈岳ならライトさえ持っていけばこれからでも日帰りが出来ると言うと、仙丈岳に出かけるとの事でした。外人と別れて、私達は9:45発のバスに乗るべく北沢峠のバス停へと登ります。甲府市内で昼食を取り、中央高速・首都高と乗り継ぎ街に帰り着いたのは午後4時頃でした。2010.09.14

駒仙小屋:宿泊も出来幕営の受付も出来ます。幕営代金は一日一人¥500 テント場の朝、昨日かなりの人が下ったようで今朝はかなりテントが少なくなっています。
駒仙小屋から緩やかな登りを北沢峠へと向かいます。広河原からのバスにはかなりの数の人が乗っていました。数人の人が駒仙小屋方面へと下っていきました。
北沢峠からのバスから見た北岳です。今日は快晴で気持ちの良いほど空は晴れ上がっています。
芦安温泉では南アルプス市営の温泉で汗を流します。今頃温泉に入っている人も居ないので友人と二人で貸切です。体中を荒い、着替えをしてさっぱりとしました。これで帰りの運転も快適でしょう。あれほどの美しい山に登れた楽しい山旅でした。
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06/11/2020
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