バットレス
南アルプス・北岳①広川原~大樺沢二俣 その②へ  その③へ

↓八本歯コル
↓広河原方面
バットレス
肩の小屋
大樺沢
北岳
3193メートル

中学時代の友人と北岳へ出かける約束をしていたのですが、仕事の都合や天候不良で計画の実行が叶いませんでした。紅葉の頃になってやっとその両方がうまいようだと言う事で出かけることにしました。標高3193メートルの北岳は既に冬景色に変わろうとしています。

18日の夕方街を出て中央高速を『甲府昭和』でおり『芦安温泉』へと向かいます。思ったより道路が空いていて早めに到着することが出来ました。乗合タクシー駐車場の中に車を入れて仮眠をします。外は明日の晴天を保証する満点の星空です。外気の肌を刺す冷たさに体が身震いします。

広河原発7:20→大樺沢二股10:10→八本歯のコル13:10→北岳頂上着15:20・頂上発15:50→北岳肩の小屋16:20

早く小屋に付いたらやる事もなく無為に時間を過ごすだけだと言う事で、写真を撮りながら景色を楽しみながらのんびりと登りました。稜線に出ると突然の強風で体が持って行かれそうになり、急激に体温が奪われます。それでも見張り台のような北岳の稜線からの360度の展望は強風のお陰で雲が吹き飛んでそれは素晴らしいものです。

感覚が失せる手の指をもみながらカメラのシャッターを押し続けます。大樺沢を登るあたりから下山してくる人もなくなります。稜線までは一人の人と出会っただけで素晴らしい景色を私たちだけで独占です。北岳山荘に向かうと言っていたその登山者も強風の為に我々と同じように頂上を越えて肩の小屋へと向かいました。強風の北岳の頂上では、寒さに震えながら長い間景色を堪能したのです。2009.10.19

広河原

芦安温泉から先の南アルプス林道には途中ゲートがあって一般車は通行できません。私たちは芦安温泉から、乗り合いのマイクロバス(片道¥1,200)で広河原まで行きます。夜明けの広河原では野呂川の瀬音が大きく響いています。野呂川に掛る吊橋を渡るとモルゲンロートに輝く北岳が姿を表します。天候は万全なようです。

3000メートル峰が連なる南アルプスの野呂川に落ちる雄大な斜面には延々と紅葉が続きます。林道から川までは切り立った崖です。雄大なスケールに圧倒される景色です。

それは無作為の美です、美しく見せようとする卑しさは微塵もありません。勝手に彩ります、私も勝手に見ています。無作為の美の前の私の心はとても素直なものに思えるのです。それは干天の慈雨のごとく心をやさしく揉み解してくれます。

広河原小屋の前の広場に残り咲きの月見草。右は野呂川の流れ、花の先には北沢峠があります。

錦の織りなす原生林が山の斜面を覆っています。強い緑と黄金色の塊が織りなす錦繍のごとき風景。鮮やかな紅色が稀に混ざっていて、その美はあくまでも抑え目です。

広河原からの道の始まりは、むせ返るような森の木々の精に満ち満ちた大樺沢の流れにそって進みます。このような木々の森が山麓に深くあるのが雄大な南アルプスの山の特徴です。

原生林の柔らかな道、時折掛かる小沢の木橋の表面は凍っています。知らずに乗って転倒、右肩を沢の水に付けてしまいました。一つの小沢の水辺で朝食をとりました。最大の娯楽は食事です、今回は友人が山に来て太って返ると呆れるほど沢山の食料を持参しているのです。

大樺沢二又
 

 

森に別れを告げる頃北岳バットレスの岸壁が現れてきます。大樺沢(おおかんばさわ)は二又に分かれます。登山道はバットレスの左側の沢に沿って八本歯のコルへと続きます。春、バットレス基部は広く雪渓で覆われています。残り咲きのトリカブト、広い群落を形成しています。

 

一休みの後八本歯のコルへの登りになります。息も上がりますが高度もぐんぐんと上がります。振り返る正面には頂上付近にかなりの冠雪が見られる鳳凰三山、その左に遠く八ヶ岳連峰が見えます。バットレスが何時も右手を圧迫してきます。八本歯のコルあたりはかなり白くなっています。2009.10.19

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06/11/2020
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