花と雪渓の鳥海山③千蛇谷雪渓 ①御浜②頂上へ

御頂上から続く千蛇谷(せんじゃだに)の登山道は七五三掛(しめかけ)で雪渓に下りて右岸から左岸へと渡ります。雪面に立つと涼しくて汗が引っ込みます。一人なので自動シャッターで撮ろうとするのですがうまくいきません。画面右側の稜線が外輪山コースです。2010.07.26

この③では頂上から鉾立登山口までの下山時の景色を掲載致しました。下山してから羽黒山に回る予定でしたので出来るだけ立ち止まらずに早足で下りました。千蛇谷の雪渓を渡り七五三掛(しめかけ)へとたどります。御浜が近づく辺りでは左手に目を凝らして鳥海湖を探します。一瞬のガスの晴れ間にそれは姿を現してくれました。

大物忌神社から七五三掛
鳥海山 頂上から下りて来て外輪山コースとの合流点に大物忌神社と頂上小屋があります。お参りをして下山に掛ります。此処に頂上小屋が併設されているようです。
この尾根が外輪山コースです。クリック

立っている後方が大物忌神社・鳥海山頂上方向です。前方がこれから下る千蛇谷の雪渓です。左に見える稜線が外輪山コースです。

下る程に斜面に雪渓を張り付けた外輪山の尾根がダイナミックな姿に見えてきます。登りはあの尾根からこの道を見下ろしたのだと思うと不思議な気になります。

ゴロタ石の歩きにくい道を下ると途中雪渓が登山路の下まで伸びて、小さな池のある場所に出ます。汗がひかないので雪渓に下りて一休み。日差しは強く空は晴れているのですが遠望が利きません。何ともまどろっこしい天気具合です。

千蛇谷(せんじゃだに)の登山道は雪渓の右岸の石ころだらけの道です。分かっていればゆるい傾斜の雪渓を下って来たほうが快適だったと後から後悔しました。一人で撮影するのに苦労しました。外輪山の尾根道は見上げると中々ダイナミックです。やがて雪渓を横断して左岸の七五三掛に向かいます。

↑ここに横断する人が見えます。クリック

千蛇谷雪渓を右岸から左岸へ(写真頂上に向かって左から右)へ横断すると、七五三掛への登りとなります。後ろを振り返ってみるとだれか雪渓を横断している姿が小さな点となって見えます。

七五三掛から御浜

鉾立登山口に下山してから羽黒山に回るので下りはぐずぐずしないように進みます。七五三掛の分岐点から八丁坂を一気に登るとなだらかな尾根が続きます。扇子森とよばれるお花畑、霧の中からニッコウキスゲの黄色が鮮やかに浮き出ています。

頂上方向を振り返りましたが、厚い霧の壁の中にすっぽりと覆われて見る事は叶いません。ゴロタ石にけつまずく様に道を急ぎます。

↑ほんの10秒程度見えた鳥海湖 

↓ジェット気流のような霧が鳥海湖から斜面を掛け登ってきます。その強烈なスピードには目を見張りました。体を飲みこまれそうな気がしました。

花畑が道を飾る尾根道、御浜を目指します。霧が辺りを覆って判然としません。突然霧が晴れ左に鳥海湖が現れました。湖岸に雪渓をめぐらしています。流れる霧と花畑に湖、まことに幻想的な景色です。霧の晴れ間は数秒の幸運です。アッと今に猛烈な霧の壁が斜面を一気に駆けあがってきます。ジェット気流のごときその強烈な早さは私を驚かせるに十分、あっけにとられてしまいました。ほんの10秒ほどとはいえ、神の山の心臓のような湖を見る事が出来た僥倖に感謝した次第です。

下山道の花々

下山はかなり急いでいたので殆ど立ち止まらずに歩きました。登りにも見たところだからと納得させながら下りました。ハクサンシャジンの群落をいたるところで目にします。掲載された花の名前は、一部不明であったり、間違っているかもしれません。お許しください。

ミヤマホツツジ:この花がツツジ科の花とは知りませんでした。とりあえず撮影していたのです。花の先が丸まっていることや葉の特徴が図鑑にぴったりでした。
他の黄花と違った種類に感じましたが名前は不明です。

ミヤマシャジン:ハクサンシャジンの群生する外輪山登山路より標高の低い千蛇谷で見つけました。

 


ミヤマダイモンジソウ

ミヤマアキノキリンソウ:ミヤマコウゾリナかもしれませんが花の付き方がミヤマアキノキリンソウのように見えます。

鉾立登山口に近づくと右に白糸の滝の展望台の標識があります。荒々しい奈曽渓谷に落ちる白糸の滝が、名の通り天空に糸を引く様に水を落としています。

午後3時5分鉾立登山口に戻ってきました。早朝5時に発って約10時間の思い出深い山旅の終わりです。下山時にはかなり急いだので汗はだくだく、足はがくがくしています。登山口のトイレでタオルを浸し汗を拭きます。一服してから羽黒山へと向かいます。車を運転すると足がつってしまいペダルが踏み込めません。止まって足を動かしても治りません。仕方がないので冷たいペットボトルでふくらはぎを冷やしながら運転をしました。

山形自動車道に出て羽黒山に向かいます。羽黒山では芭蕉の南谷の跡を見ようと必死で階段を上ります。その急な石段がかなりきついのです。一の坂、二の坂を通って更に三の坂を登ります。山で力を使ったのでこの登りはきついものとなりました。辺りに夕闇が迫ります。羽黒山については別項として掲載申し上げます。

この鳥海山編③では羽黒山からの帰路、鶴岡市の温泉施設に立ち寄り大満足した事を記載したいと思います。鶴岡市には『やまぶし・温泉ユポカ』(電話 0235-62-4855)と言う綺麗な施設が羽黒山の傍にありますが、今回は同じ鶴岡市内の『くしびき温泉・ゆ~Town』を訪ねました。近隣の入浴施設はどうも循環式や加熱か温泉でないものが多いようです。暮らす村は温泉だらけですので、ここでも本当の温泉に入りたいと思ったのです。

源泉掛け流しで塩っけが強い温泉です。大変綺麗で26日は風呂の日とかで、確か¥200(通常は¥350)で結構ですといわれました。応対も施設もお湯も全てが素晴らしい施設です。何処かのリゾート・ホテルかと思う外観です。2010.07.26

くしびき温泉 ゆ~Town 源泉掛け流し 
山形県鶴岡市三千刈清和159・電話番号0235-57-4313・期間通年・休み第3火曜(1月は第3月・火曜休)・時間8:00~9:30(受付は~9:00)

くしびき温泉からの帰路は、庄内あさひICから山形道にのります。山形道の途中、1時間ほどサービス・エリアで休憩をして県境の村に帰りついたのは27日の夜中の12時40分。25日夜6時に街を出た長い長い旅の一日・それも極めて充足した一日が終わりました。帰り着いた村の空には丸い月が上がっていました。2010.07.27

 

鳥海山は良い山でした。一般的に北に行く程、山は高度を実際より高い山の装いで迎えてくれます。鳥海山も雪渓・荒れた岩・高山植物と変化に富んだ感動を与えてくれました。私のように、ある年齢以上の登山者には登った後の充実感をも与えてくれるでしょう。

天気は雨も降らず昼頃はかなり晴天となりましたが、遠望が利きませんでした。楽しみにしていた月山も日本海も見ることは叶いませんでした。贅沢を言っては罰があたります。帰路、羽黒山にも立ち寄り、結構な温泉施設での入浴も叶い3重◎の楽しい旅でした。
『花と雪渓の鳥海山①②③』終り。

06/11/2020
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