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江戸川区・善養寺・江戸川不動尊昭和13年 狛犬・吽像

11月9日、近くまで所用が出来たので江戸川区久野狛犬を訪ねてみることにしました。2時間程の時間しかないので車で回れる場所を3か所回ることにしました。最初の善養寺では恒例の影向菊花大会(菊の展覧会)が開かれていました。沢山の菊を見ながら狛犬を探しました。2015.11.09

江戸川区・善養寺
善養寺住所:江戸川区東小岩2-24-2。江戸川沿いの道から見える神社です、江戸川病院に隣接しています。参拝客用の駐車場があるので安心です。2015.11.09

このような絵葉書が置かれていました。見ると東京都の教育庁が作ったもののようです。

山門の右に、天明3年(1783年)浅間山噴火の慰霊塔と真新しい卒塔婆がありました。その右に昭和57年に作られた説明の石板があります。何故遠い浅間山との関連があるのかその意味が分かりませんでした、肝心の慰霊碑を写さずに卒塔婆と説明板だけを写したようです。

絵葉書によれば、浅間山山麓の吾妻川・利根川から多くの遺体が流れ下ってきて、善養寺の脇を流れる江戸川の毘沙門洲と言う中州に大量に集積したようです。無縁仏として善養寺に埋葬の後、下小岩村の人々がこの供養碑を建てたそうです。

丁度境内では恒例の”影向菊花大会”と言う菊の展示会が行われていました。境内に影向(ようごう又はようこう・神仏が仮の姿で現れたという意味だそうです)の松が有ることからの命名かもしれません。

かなりの人が菊を見に訪れている為にゆっくり狛犬を見るというわけにはいきませんでした。私も菊を見ながら境内で狛犬を探すことにしました。2015.11.09

善養寺・菊まつり

境内に足を踏み入れると菊の香りがむせかえるように満ちていました。懐かしい秋の季節の香りです。2015.11.09

境内にある一段高い場所から見ています。空き地には菊が沢山置かれていました。
上の絵葉書の説明によれば、これが日本有数の繁茂率と言われる樹齢500年の“影向(ようごう)の松”です。地面を這うように伸びる幹の太さは尋常ではありません。2015.11.09

高い場所から見ると確かに四方に枝が張られていました。絵葉書によれば、東西約31m、南北に約28mの範囲に枝が広がっているようです。枝を支える補助の棒が沢山立っています。2015.11.09

 
善養寺境内小岩不動尊狛犬

善養寺の江戸川寄りに小岩不動尊がありました。その入り口に狛犬が一対置かれていました。

まずお参りをさせてもらいます。2015.11.09

小岩不動尊・右側の狛犬・昭和13年

昭和13年の寄進のようです。普通の大きさの狛犬です。阿吽像が通常とは逆の位置に置かれているようです。右側に子供が一緒に彫られた吽像が置かれています。

全体のシルエットは動きがあるようで美しいと思います。2015.11.09

小岩不動尊・左側の狛犬

玉を足下に置いた阿蔵のようです。右側に置かれた吽像と同じく彫りはそれ程複雑ではありませんが全体の姿は中々美しいと思いました。

石工の名前らしいものは見つけられませんでした。2015.11.09

左側の阿蔵から右側の吽像を見ています。阿蔵の後ろもそれ程細かな彫りが施されているようには見えませんでした。

時間がないので急いで、菊の香りの満ちた善養寺から近くの小岩神社に向います。2015.11.09

江戸川区・小岩神社

小岩神社の住所:江戸川区東小岩6-15-15。神社には参拝客用の駐車場がありました。

小岩神社狛犬・昭和37年

小岩神社本殿の前に一対の狛犬が奉納されいます。昭和35年とかなり新しい狛犬のようです。白っぽい石、尻尾が一本立ったようなどこか猛々しい姿、以前静岡県御殿場市で見た狛犬に似ています。石工の名前は見つけられませんでした。

残念ながら江戸時代の狛犬が二つの神社では見ることが出来ませんでした。2015.11.09

小岩神社の末社

小岩神社境内の左に鳥居が見えました。築山のような小さな岡の上から浅間神社、日枝神社、道祖神社の順に末社が祀られているようです。

鳥居の前に古そうな狛犬を見つけました。江戸時代の狛犬かもしれないと年代を探してみました。2015.11.09

@道祖神社の一対の狛犬

末社の道祖神社の狛犬だと思います。鳥居の右に置かれた狛犬は残念ながら前面が剥落してしまっていました。いかにも古そうでしたが、不可思議な事に明治52年の年号が彫られているように見えます。

明治は45年ですので、もし判読が正しければ、存在しない年号のようです。一つの推理は、明治で通すと52年は大正8年、1919年になります。この推理とは全く異なる年号かもしれません。残された部分の狛犬の彫りは滑らかな曲線が美しいと思いました。2015.11.09

こちらは左に置かれた狛犬です。玉を足下に収めているので通常は右に位置する阿蔵と思われます。時々見られる逆に置かれたタイプのようです。こちらも胸の部分が修復されたようです。十分に曲線の彫りの線が繊細に見えます。個人的には美しい狛犬に見えました。

末社のこの狛犬はどちらかと言えば小型に見えました。2015.11.09

A日枝神社の石像・明和4年丁亥(1767年)

すぐ上の日枝神社に私の目を引く石像が目に入りました。高さは80cm位どう見ても猿が肩に籠を背負っているとしか見えません。

大変微笑ましい石像です、江戸の人の中には大変洒落た人が多かったので、奉納した人はそんな粋人だったのかと思ったりしました。

自然に体に絡んだ蔦がまた良い雰囲気なのです。年号を含めて個人的な推測(年号は左の石柱に彫られたもので、石像とは別かもしれません)ですので間違っているかもしれません2015.11.09

余りにも面白いので拡大しました。猿は矢大臣のように足を組んでいます。首を曲げて籠を持っています。どこか南方系の雰囲気も感じてしまいます。絡まった蔦が丁度良いアクセントになっています。

掲げた籠の中を見て更に笑ってしまいました。子猿が顔を覗かせています。反対側にも子猿が居て、見る人の目を見ています。洒脱な石像に出会えて幸運でした。この社の後ろに回ってみることにします。2015.11.09

お神輿を保管する蔵のようです。幾つも並んでいました。お祭りのときはさぞかし勇壮な神輿が町を練り歩くのでしょう。更に奥へと進みます。2015.11.09
もう一つの末社の狛犬
神輿の蔵の列の奥にもう一つの末社がありました。左右に小さな狛犬が奉納されていました。この末社の近くに和魂神社の名前の石塔がありました。果たしてこれがこの末社の名前かどうかは不明です。2015.11.09
 

高さが60〜70cm程の小型の狛犬です。表情や彫りは素人の私の目から見ても中々良いように見えます。

右に置かれていますが阿吽像のどちらかが特定できません。ただ、口を閉じて居る事から吽像ではないかと思いました。

昭和27年に奉納されたようでかなり新しい狛犬です。2015.11.09

 

こちらは左に置かれた狛犬です。口を開いた顔の表情も少しきつく、左に置かれていますが阿蔵のように思えます。もしそうだとすると阿吽像が一般的な位置とは逆に置かれていることになります。

正確には判断が出来かねました。次の神社に向かうことにしました。2015.11.09

 

江戸川区・上小岩天祖神社

上小岩天祖神社の住所: 江戸川区北小岩6-39。

神社には駐車場がないようです。神社の周囲を一回りして、公民館のような建物が有ったのでその脇の道路に少しだけ止めて大急ぎで狛犬を見ました。小さな社の屋根が大変美しく見惚れてしまいました。狛犬も年号などの文字の彫り込みが薄く読み取ることが出来ませんでしたが、江戸時代と推定される力感のある良い狛犬でした。2015.11.09

上小岩天祖神社狛犬阿像

少し大型の狛犬です。口の一部が欠落していますが、開いていることから阿像ではないかと推測しました。頭の上に擬宝珠(ぎぼし)ではないかと推測される半球体が彫られています。

丸みを帯びた堂々とした体形や団扇を建てたような尻尾などを見ると、江戸期の狛犬ではないかと素人ながら推測しました。2015.11.09

吽像

左に見えるこの狛犬は鼻から下がかなり欠落していますので口の状態が不明です。写真を拡大すると口は閉じているように見える事から、吽像と推測しました。阿像の頭上にある擬宝珠(ぎぼし)より少し角状に近く見える事からもそう推測しました。

狛犬巡りの最後で良い狛犬に巡り合えたのは幸運でした。2015.11.09

阿蔵から吽像を見ています。団扇のような尾がぴんと上を向いて立っています。

美しい社殿でお参りをさせてもらいました。

2時間ほどの慌ただしい狛犬巡りでしたが、菊を鑑賞することもできた楽しい時間でした。2015.11.09

 

04/17/2021
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