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一週間で山の景色はがらっと変わっていました。峰の茶屋から朝日岳へ向かう登山道は真っ赤な木々に囲まれています。まるで舞台へ登壇するような気恥ずかしい気さえします。峰の茶屋から北に向かうと今までの喧騒が嘘のようです。ゆったりと自然を見まわすゆとりが出てきます。
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朝日岳への登山道から茶臼岳を望みます。ガスが掛っておおらかな山容だけが望めます。峰の茶屋へと向かう人の列が続いています。殆どの人々が茶臼岳方面を目指して左へと道を取って行きます
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朝日岳の肩が近づいてきました。ちょとした鎖場が続きます。写真では実際よりかなり大げさに写っています。友人には珍しいらしく、少し大げさに撮影してみました。
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朝日岳の肩のベンチでは人々が紅葉に囲まれて休憩しています。私達は帰りに頂上まで登る事にして更に先へ進みます。清水平湿原を過ぎて三本槍が見えてきました。単調な美には飽きが来ますが、広々とした空・起伏する山なみ・紅葉と緑の木々・これらが生み出す複雑な自然美への感動は途切れる事無く続くのです。友人と何度歓声をあげたことか。
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清水平から小さな起伏を越えて三本槍岳の頂上です。右膝に古傷を持つ友人は大喜びです。ちょっと朝日岳までと思って出かけてきたら、三本槍岳まで登れたのですから。頂上はガスっていて何も見えません。鏡沼から登って来たと言う宇都宮からの5人連れの登山者としばし歓談、互いに写真を撮り合って下山にかかります。登りはあまり写真を撮っていなかったので、のんびりと下りながら紅葉を眺め写真を撮る事にします。 |
三本槍岳からの下山 |
頂上から一旦下ると小さな登りで清水平湿原に出ます。その道もあの道もすべて燃えるような赤に囲まれています。この中に私達も足を踏み入れます。ひたすら、登りの終わりを目指して息を切らします。 |
清水平湿原の木道から朝日岳方面を望みます。紅葉の山は、これから越える1900m峰です。あっと言う間に三本槍岳の頂上が遠ざかります。 |
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1900m峰への登りに掛ります。この登りがこの行程で一番きついかもしれません。それでも辺りは紅葉のまっただなか、一息入れればエネルギーが湧いてきます。登りの途中から清水平方面を振り返ると北温泉へ下る中の大倉尾根が真っ赤に燃える様子が望まれます。八月の終わりに登った事を思い出しています。
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1900峰の登りから清水平を振り返ります。紅葉・空・山なみ・緑、なんと全てが程の良い加減なのでしょうか。非のうちどころがありません。
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三本槍岳から清水平を抜け、1900m峰を登り朝日岳へ戻ってきました。やはり那須連山一の美しい姿です。行程中ガスが晴れないのが残念です。それでも岩肌・紅葉・広大な空、素晴らしい景色が眼前に広がります。これから右手の尾根を登り頂上へと向かいます。
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登山道は朝日岳が近ずくほどにごろごろした石が道をふさぎます。 |
朝日岳の肩です。これから下る左の稜線に刻まれた登山道が望まれます。右の尾根の素晴らしい紅葉に見とれています。 |
肩から10分ほどで朝日岳頂上。茶臼岳が逆光の中に光っています。頂上からの眺めを十分に楽しみます。後から登ってきたご夫婦と話をしてから写真を撮り合います。どこの温泉が良いかと聞かれたので、汚いけれど鹿の湯が風情があると言うと奥さんが汚いのは嫌だとご主人に文句をつけています。笑ってしまうほどの我儘ぶりを見てわが身の幸せを話し合った次第です。一応、私たちも立ち寄る奥甲子の大黒屋を教えてあげましたが、果たして奥さんを説得できたか疑問です。温泉を目指し早々に下ります。 |
朝日岳の肩からしばらくはこのようながれ場の下りが続きます。膝に古傷を持つ友人にはつらいのかもしれません。 |
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峰の茶屋は茶臼方面から下ってきた人々で大混雑です。その中に団体が見えたので巻き込まれると景色を眺めながら下ることが出来なくなると、小屋の前を素通りして大急ぎで間隔を開けてから景色を見ながら下ります。朝日岳の紅葉する岩肌を見てから道は木々の間へと入っていきます。
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帰り着いた駐車場にはまだ車があふれています。私達は脇道をケーブルカー乗車口の下の駐車場へと向かいます。神社の紅葉見物とは異なる行程6時間ほどのハイキングに、友人は充実感を感じているようです。
私たちは那須甲子道路を下って奥甲子温泉・大黒屋に向かいます。水車の回っていた当時の風情はなくなりましたが、急な階段を下り川を渡って入る大きな浴槽はほぼ昔のままです。2時半に付いたら日帰り入浴は3時までの看板、大急ぎで浴場へと向かいます。湯上りに阿武隈川源流の沢風を浴びて一日の旅の終わりを締めくくりました。2011.10.11 |