鎌倉・江の島の神社と狛犬②    ①へ   街の狛犬へ
江ノ島・④龍宮神 2022.07.18 ()無断転載

7月11日~12日の越前旅行の一週間後の7月18日、休みの一日、日帰りバス・ツアーで鎌倉・江の島へ出かけることにしました。新鮮味は感じませんが、ただ座っているだけで連れて行ってくれる気軽なバス旅行になじんできたようです。幾つかの場所に立ち寄りましたが、どなたにも見慣れた風景なので今回の旅で見つけた江の島の神社と狛犬を掲載しました。

江戸の物語には当時大いに盛んだった大山参りの帰路、精進落としと称して多くの人が立ち寄った話が有りますが、江の島には江戸の狛犬が奉納されていることが分かったのでそれをツアーの時間内に見ることを第一の目的にしました。

2022.07.18

 
江の島住所: 神奈川県藤沢市。渋滞の続く海岸沿いの道をバスが江の島を目指して進みます。先週の越前の旅で日本海の海をずっと見ていたので海の景色にいささか食傷気味です。右側に立ち並ぶ日本離れした店の景色を眺めて楽しみました。バスは江の島大橋を渡り大きな駐車場に停車しました。2022.07.18

私はバスの集合時間内に戻るために、バスの止まった聖天島公園の駐車場から直接斜面を登り中津宮(なかつみや)に出ることにしました。

大汗をかきながら次のルートで島をまわりました。今にして思うのは、集合時間を10分早く誤解して、江の島岩屋を訪ねる余裕がなかったことは残念なことでした。

駐車場⇒①聖天島公園・龍宮神②中津宮(なかつみや)③奥津宮(おくつみや)④龍宮神⑤辺津宮(へつみや)⑥弁天堂⇒駐車場 2022.07.18

江島神社・奥津宮(おくつみや)

江島神社 奥津宮住所: 神奈川県藤沢市江の島2丁目5。狭い道を辿りながら奥津宮(おくつみや)までやってきました。時計を見ると集合時間内に戻れそうな気がしました。それでも出来るだけ早く狛犬を見ることにします。2022.07.18

かなり異相の狛犬が拝殿の前に置かれています。参拝の人が途切れたので写真を撮りお参りをさせてもらいました。

2022.07.18

先程参拝した朱色の②中津宮(なかつみや)と異なる落ち着いた佇まいの奥津宮、辺りの森の中に静かに鎮座していました。多くの人が行き交う辺りの喧騒が少し和らいで感じました。

2022.07.18

奥津宮の扁額の縁取りにはうちよせる白波の絵が描かれているように見えます。海の青と波の白で縁取りされたこの地にぴったりの神社の印に感じました。私には大変珍しい扁額に出会うことが出来ました。

2022.07.18

江島神社・奥津宮(おくつみや)の狛犬・宝暦11年(1761年)・石工 高井藤四郎

右に置かれた阿像と思われる石像、風貌がかなり異相に見えました。足下に玉を収めた玉取りの意匠、大きさは一般的だと思いますが、先ほど見た②中津宮(なかつみや)の宝暦13年(1763年)の狛犬と異なりかなり細身の作りに見えます。

2022.07.18

右に置かれた阿像の後ろから左の吽像を写しています。

2022.07.18

 

右の阿像の台座には”宝暦11年(1761年)辛巳(かのと み)”と”石工 高井藤四郎”刻まれています。これによれば先ほど見た②中津宮(なかつみや)の宝暦13年(1763年)の狛犬より古い時代の江戸の狛犬と思われます。石工名まで刻まれた大変珍しい石像です。嬉しい事にこれで二つの江戸の狛犬に出会えたことになります。

2022.07.18

左に置かれた吽像もかなり珍しい顔つきの玉取りの意匠の狛犬です。

2022.07.18

左の吽像の台座に明治26年(1893年)の文字が刻まれていました。バス・ツアー途中の慌ただしい中での短い観察と撮影なので間違いがあるかもしれませんが、左の吽像の台座を改修したのではないかと思いました。

阿吽像の一体的な作りから狛犬は同じ江戸時代の作りで、左の吽像は台座が少し右の阿像のものより綺麗な作りに見えたことからの推測です。違っている場合もあるかもしれませんが、宝暦11年(1761年)の狛犬と推定しました。

 

2022.07.18

奥津宮の狛犬の脇に見事な彫の石灯篭が置かれていました。

2022.07.18

奥津宮の右の林の中に”山田流筝曲流祖・山田検校像”の説明が書かれた青銅の像が自然石の上の置かれていました。喧騒が及ばない静かな緑の中にアジサイが銅像に添えられています。

家に帰り調べたところ、山田検校は宝暦7年(1757年)~文化14年(1817年)箏曲山田流の開祖で、多くの筝曲を作るも代表作の「江の島曲」作りにあたり、江の島に滞在したと言う伝承が残っているそうです。

2022.07.18

江の島・龍宮神

江島神社奥津宮の左に隣接する龍宮神を参拝することにしました。

江島神社参拝の出発時にバスの駐車場近くの聖天島公園の龍宮神で最初の参拝をしました。江の島には幾つかの龍宮神が鎮座しているようです。

 

 2022.07.18

奥津宮から見た時に推測していましたが、奉納されていた狛犬は新しい小型の狛犬でした。帰りの時間がないので台座を調べずに戻ることにしました。

銅製の大きな龍神が覆いかぶさるような姿で迫力がありました。バスの時間に合わせるために江の島岩屋を訪ねる事を諦めて戻ることにしました(この時集合時間を10分早目に誤解していました、多分岩屋を巡れたと思います)。2022.07.18

戻り路の途中から江の島のヨットハーバーが眼下に見えました。バスの駐車場はヨットハーバーの道路の反対側になります。ここからはかなり遠くに感じます、急がなくてはなりません。帰路は往路の山腹を登る細い道ではなく、⑤辺津宮(へつみや)を参拝すべく人混みの参道を戻ることにしました。

2022.07.18

⑤辺津宮(へつみや)

江ノ島神社の最も下に鎮座する⑤辺津宮(へつみや)が近くなると人混みが更に酷くなりました。コロナの事も心配になり狛犬だけを見て参拝は諦めることにしました。

狛犬を見ている人は殆ど居ないことは幸運でした。右の阿像は石段の下から見上げるようになり細部を詳細に見ることはできません。優し気な表情の古い時代の狛犬のように見えます。参拝する人が最初に訪れる神社の狛犬としては適した風貌の石像に見えました。

 

2022.07.18

左の吽像は体に美しい曲線で巻き毛が彫り込まれてさらに優し気に見えます。

2022.07.18

右の阿像の台座に奉納した人の名前と思われる”江戸在 長堀検校”の文字が彫り込まれていました。

2022.07.18

左の吽像の台座に慶応元年(1865年)丑年と思われる奉納年が彫り込まれていました。辺りはそれでもかなりの混雑なので台座の周りをまわって調べることが出来ませんでした。帰路を急いでいたので記憶がはっきりしません、もしかすると文字の彫られた台座はそれぞれ反対だったかもしれません。どちらにしても江戸の狛犬であったと思われます。

それにしても江島神社の3つの社で3つの江戸の狛犬を見ることが出来たことは今回のバスでの旅の終わりに大きな満足感を感じました。

2022.07.18

⑥江の島・弁天堂

バスの時間が気になり大急ぎで人混みを縫いながら参道の入口に向かいます。もうすぐ参道入口の青銅の鳥居と言う地点で、手前に広いスペースを持つ高級旅館・惠比壽屋の建物の前に小さな弁天堂が祀られていました。こじんまりしたお堂の前に小さいながら出来の良い狛犬が置かれていました。

参拝してよいかが分からないのですが賽銭箱らしきものが見えたので拝んだり見ることはよいのではと思いました。中に入らず、通りから手を合わせシャッターを押しました。

画像を見ると、他の江島神社の狛犬の例から見ても小型ながら江戸時代の狛犬ではないかと推測しました。

2022.07.18

 

出発前は見慣れた景色なのでそれほど期待もせずに出かけました。江ノ島にこれ程の江戸の狛犬が置かれていたことは思いもしない幸運でした。東京の神社でもこれほどの数は見らないのではないかと思います。バスの帰路の時間を10分早く勘違いしなければもう少し各神社をゆっくりと見て”江の島岩屋”を訪ねることが出来たのにと何時もながらのそそっかしさを大いに後悔しました。

帰路、首都高速までの道のりで見た蠢くような迫力ある京浜工業地帯や羽田空港の夜景を大いに堪能できたことも大きな楽しみでした。自分が運転していてはこれほど周囲を見渡すことはできなかったでしょう。

2022.07.18 

08/04/2022

鎌倉・江の島の狛犬②

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