2015年の桜の見納めは、山形県の置賜桜回廊と福島県の会津美里町にしました。

温かい陽気に当てが外れて花は既に葉桜へと変わりだしていました。

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2015年見納め桜,福島県会津美里町の樹齢700年の千歳桜です。
1ページ目は福島県下郷町・戸赤の山桜。撮影日2015.04.28

 

4月27日、28日、村から日帰りで2015年の桜見納めの旅を楽しみました。昨年の4月21日~22日の訪問時には季節が早すぎた山形県・置賜桜回廊福島県会津美里町の桜を、今年の見納めに大切にとっておいたのです。多くが雪深い厳しい自然の中で数百年生き抜いてきた野の桜たちです。土地の人々と共に生きてきた気高い美しさに心を打たれた桜たちです。

乳母日傘で守らてきた桜ではない事が私に深い感動を与えるのでしょう。凛として野に立ち尽くす桜の前で人々は静かに見上げています。観光バスで訪れる場所には限りがあります。多くの人が、長躯自ら車を運転して道に迷いながら訪ね歩かなくてはなりません。それは又桜の町の人々の暮らしや人情に触れる旅でもあります。結果として今年は例年より早く桜の季節が過ぎたようで遅かったようです。しかし、来年こそはという楽しみが出来たことは喜ばしい事でもあります。暮らす街からの968.9kmの旅でした。撮影日2015.4.27

県境の村から会津へ

那須方面から桜が見られる会津西街道(日光街道)・118号線(121号線)に出るには、福島県白河市から289号線に出て左折、甲子トンネルを抜ける道が最適です。

289号線の手前でこれからトンネルで超える那須連山が望まれます。ミツバツツジが満開です。

首を回せば山桜があちらこちらの斜面に見えます。この季節になると、山桜が殆ど途切れる事はありません。

289銭で阿武隈川に沿ってトンネルに向かいます。長いトンネルを抜けました。会津に入ります。

トンネルを抜けた会津側から見た那須連山です。雪が残っています。

坂道を会津西街道を目指して下っていきます。幾つかの桜を見るつもりでしたが、通り越してしまったようです。南会津町中の桜を見ましたが既に桜は終わっていました。

山の奥にある外山の山桜に向かいます。

南会津町の桜
カーナビに従って走っていると山の中の狭い林道に入ってしまいました。イチゲが咲いています。雪がまだ残っていました。
峠を越えて下りだしたようです。相変わらず山桜が途切れることなく姿を見せて目を楽しませてくれます。キブシが咲いていました。カーナビを見ていると目的地が近いようです。撮影日2015.4.28
戸赤の山桜
戸赤の山桜に出ました。明るく広がった山の斜面が桜で埋まっています。雪解け水が勢いよく流れる沢は改修工事の真っ最中です。

村の人にも時々は聞いていましたが、満開の時期が遅いらしく、その季節になるとついつい他の事で忙しくなりこれまで後回しになっていました。住所:福島県 南会津郡下郷町 大字戸赤字林下、無料の駐車場があります。撮影日2015.4.28

斜面にはまだ雪が残っているようです。

置賜桜回廊程ではありませんがこの辺りはかなり雪の多い地域です。個人的に雪国の草花の色合いが鮮やかな気がして好ましく思っています。

素人考えですが、高山植物の花々の独特の美しさ(時々見ては感嘆していますが)は雪と冷気と空気と短い花の季節にあるのではなどと思っているのです。そして北国にはそれが殆ど揃っているのです。目の錯覚か心の持ちようの差かもしれませんが、何となく納得しているのです。

 
雪解け水も花の美しさの一因かもしれません。山の斜面には多くの雪解け水を溜め込んでいます。勢いよく流れ下っていきます。会津大川に出て、阿賀野川となり日本海に流れ出ます。那須連山は太平洋と日本海の分水嶺でもあります
南会津町での桜見物が少し物足りなかったので、迷っていた会津美里町の千歳桜を見に行くことにしました。
戸赤の山桜から会津美里町へ

カーナビに従って走り出すとやがて太い道に出ました。標識は右・湯之上温泉、左・会津美里町とでています。

左・会津美里町に惹かれて曲がります。これが全く行く気のない大内宿を経由する山道でした。行きかう車もありませんが上り坂です。左手の明らかに尋常ではない巨木が見えます。思わず車を止めます、樹齢950年の八幡のケヤキと書かれていました。この巨木にも、置賜桜回廊の桜と同じように八幡太郎義家の伝承が伝えられているようです。その伝承にも出て来る個人のお宅で守られて来たようです。撮影日2015.4.27

八幡のケヤキから更に道を登ります。山桜は絶えることなく続いています。この山桜は、自然のものではなく明らかに植えられたものでしょう。
突然大きなダムが現れてびっくりしました。後で調べると大内ダムと呼ばれているようです。車を降りてダムサイトを歩いてみました。爽快な春の山の空気を胸いっぱい吸い込みました。これを過ぎると下りに入ります。

道が下りになると右手に山桜の枝を水面に垂らした小さなダムが現れます、栃沢ダムだと思います。

水面の色とのコントラストに見惚れてしまいました。

福島県会津美里町の桜

2013年の4月22日に訪れた時にはまだ桜には早かったようです、2分咲き程度の桜を見る事になりました。今年は1週間ほど遅い分とここ数日の暑さで少し遅かったようです。前回は会津若松から回ってきた事もあり桜の場所が正確に分からず、いくつかを見落としてしまったのです。残念なことをしました。撮影日2015.04.28

神代(かみよ)桜・2013年4月22日のデータ

伊佐須美神社にやってきました。この境内に2本の桜があります。神社の前の駐車場に車を入れて出かける事にします。

神社境内の高天原公園内の神代(かみよ)桜に向かいます。2013年はこの桜の場所が分かりませんでした。駐車場を出て左に曲がると小さな広場があります。葉桜となった桜を見る人は誰も居ませんでした。

樹齢300年のエドヒガンとの事。大変枝ぶりのバランスがとれた美しい樹形です。

近づいて見上げてみると桜の花びらの僅かに残る薄い桃色と、青葉の組み合わせが新鮮なな彩に見えました。

青空を背景に日の光のエネルギーを求めてそれぞれが精一杯枝を伸ばしています。

樹齢300年のエドヒガンの幹はかなり巨大です。伊佐須美神社境内の桜ですから由来などはかなり確かなものなのでしょう。通りを隔てた文殊院知恵桜を見る事にします。ここからもその桜は見えます。つまり指呼の間と言うわけです。白河市内の乙姫桜と清玄桜のような位置にあるなと、その紅色の美しい桜を思い出しました。

文殊院知恵桜・2013年4月22日のデータ

正確には清龍寺の知恵桜と言うのかもしれません。境内に建つ文殊院の西にあるため文殊院の知恵桜と呼ばれているそうです。社殿でお参りをしました。

この桜も神代桜程ではありませんがかなり葉桜状態が進んでいます。

この桜も2013年伊佐須美神社を訪れた折に見落とした桜です。その年、伊佐須美神社が類焼して工事の為に境内の薄墨桜が見られなくなっていました。

それもあって、神代桜も智慧桜も見られないと勘違いをしてしまいました。

大変美しいベニヒガンザクラとの事です。樹高が高くすらっと立つ美しい桜です。 残念ながら今年は既に葉っぱがかなり茂っています。それでも開花した時の美しさの面影が残っていました。再度通りの反対側に渡って伊佐須美神社神社の薄墨桜に向かいます。
伊佐須美神社の薄墨桜・2013年4月22日のデータ

樹齢100年の伊佐須美神社のご神木。オオシマザクラ系サトザクラの系統と説明に書かれていました。

2013年に伊佐須美神社を訪ねた折には火事で工事中の為、本殿の前にある桜を見る事は叶いませんでした。

 

 

説明には”花が赤から薄墨色に変化し、淡紅色の中心に薄墨を含んだ色合いから命名された”と書かれていますが花弁からは良く分かりません。

既にかなり葉っぱが茂ってしまったので全体が白っぽい感じになっています。 撮影日2015.04.28

文殊院の知恵桜から道路を渡って反対側の伊佐須美神社の森に向かいました。桜を探したのですが見当たりません。末社かもしれませんが神社の参道が現れたのでひとまず入ってみました。細い参道に鶏が放し飼いになっていました。

人が通ったので伺うとこの門からも境内に入れるというので恐る恐る入って見ました。目の前に薄墨桜が見えました。御神木と言われるているのでしめ縄で囲われていました。撮影日2015.04.28

かなり枝が横に張った桜です。すでに葉桜状態です。恐る恐る前に回るとそこが社殿に通じる参道でした。
桜ばかりが気になってお参りを忘れてしまいました。とんだ罰当たりでした。鳥居の前から手を合わせました。
法用寺虎の尾桜・2013年4月22日のデータ

虎の尾桜の下にシートを引いて6人ほどの男女が賑やかに食事を楽しんでいました。大きな声なのですが、私には喧しくは感じれません。如何にも春が楽しいと言う雰囲気なのです。挨拶をしたところ会津若松から来たとの事、どこからかと聞かれました。やはり、若松の桜は終わったので遅れて咲く虎の尾桜を見に来たそうです。それでもかなり写真では葉っぱが目立ちます。実際はもう少し桜の花が咲いている感じなのです。

この説明板では徳溢大師によってに大同3年(808)に植えられたと伝承されているようです。古い桜の幹からヒコバエが出てくる旺盛な生命力の桜らしく、親機と代わってこのヒコバエが成長すると言われているようです。現在の桜も何代目かは不明ですが、ヒコバエから成長した今の桜が樹齢200年と言うことのようです。 住所:会津美里町雀林字三番山下

八重咲きに似ていますが、花の中に更に花弁が見られる珍しい桜です。撮影日2015.04.28

本堂でお参りをしました。 山門から本堂を望んでいます、右に虎の尾桜。
法用寺の境内はかなり広く池があります。水面は桜の花びらでいっぱいです。撮影日2015.04.28 法用寺の3重の塔です。金ぴかの塔ではありませんが親近感を感じます。
千歳桜・2013年4月22日データ

樹齢700年を超えるベニヒガンザクラの巨木です。春になると美しい紅色の花を咲かせて人々を感動させてくれる桜です。

伝承によれば文永10年(1273年)地頭の富塚伊賀守盛勝が千歳と言う女性の死を悼んで植えたと言われています。

さもありなんと思わせる美しい桜です。感動は桜の花の美しさや姿だけではなく、千歳桜が700年にも渡って孤影のごとく田圃の中で立ち続けてきた事にもあるような気がします。野の中で自らの力で生命を長らえて来た事にも大きな感動を覚えるのではないかと思えるのです。訪れた人は無言で桜を見ています。今日も自動車の道から、夕方の気配漂う田圃の只中にぽつんと立つ姿が望めました。千年桜は探す苦労がありません。撮影日2015.04.28

既に花の盛りを過ぎて葉桜の始まりのようです。それでも何処から見ても感動する桜です。駐車場はないので農作業や通る車の邪魔にならないように道路脇に車を止めて眺めます。

2013年4月22日の千歳桜の写真です。この画像から1週間後の満開を推測したのですが見事に外れてしまいました。
 

少し画像の色を調整して見ました。実際は画像より白っぽく見えますが、桜色の名残りは感じられます。撮影日2015.04.28

最も見たかった千歳桜が2015年の桜の見納めであった幸運を喜んでいます。27日の山形県の置賜桜回廊、28日の会津の桜と野にある桜の今年最後の晴れ姿を見る旅が終わりました。

県境の村に向かって車を走らせると遠く会津磐梯山が見えました。撮影日2015.04.28

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04/17/2021
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