2015年の桜の見納めは、山形県の置賜桜回廊と福島県の会津美里町にしました。

温かい陽気に当てが外れて花は既に葉桜へと変わりだしていました。

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2015年最後の桜・その②山形県置賜桜回廊Ⅱ トップ・ページに戻る 
①置賜桜回廊Ⅰへ ③会津の桜  2014年2月25日データ2014年4月21日データ

2015年見納め桜,樹齢1020年の白鷹町の子守堂の桜。
1ページ目は樹齢680年の後庵の桜です。撮影日2015.04.27

4月27日、28日、村から日帰りで2015年の桜見納めの旅を楽しみました。昨年の4月21日~22日の訪問時には季節が早すぎた山形県・置賜桜回廊福島県会津美里町の桜を、今年の見納めに大切にとっておいたのです。多くが雪深い厳しい自然の中で数百年生き抜いてきた野の桜たちです。土地の人々と共に生きてきた気高い美しさに心を打たれた桜たちです。

乳母日傘で守らてきた桜ではない事が私に深い感動を与えるのでしょう。凛として野に立ち尽くす桜の前で人々は静かに見上げています。観光バスで訪れる場所には限りがあります。多くの人が、長躯自ら車を運転して道に迷いながら訪ね歩かなくてはなりません。それは又桜の町の人々の暮らしや人情に触れる旅でもあります。結果として今年は例年より早く桜の季節が過ぎたようで遅かったようです。しかし、来年こそはという楽しみが出来たことは喜ばしい事でもあります。暮らす街からの968.9kmの旅でした。撮影日2015.4.27

白鷹町の桜

長井市の隣町、白鷹町が置賜桜回廊で最も桜の、それも古典桜と町で呼んでいる古い桜が見られる所です。観光バスが訪れる桜は広い駐車場を持った釜の越、十二の桜、山口奨学の桜等ほんの数カ所です。その他の桜は分かりにくく駐車場も小さな桜ですからゆっくりと樹齢数百年の桜を楽しむ事が出来ます。白鷹町は特に桜が見られる町です。普通なら1本の桜でも名所になるでしょうが、白鷹町では無造作に野の桜が立っています。撮影日2015.4.27

千利庵で蕎麦を食べて、この見納めの桜の旅の大きな目的を叶える事ができました。桜見物の前に地元の野菜を買おうと白鷹町のJAコープに隣接した”いきいき産直JA『愛菜館』”に行ってみました。時期が悪いのか野菜がそれ程ありません、がっかりしてしまいました。地元の野菜や果物を買う事が、その土地の暮らしの一端を知る事にもなるのでとても楽しみにしているのです。

それならばと、ドリーム農園(西置賜郡白鷹町畔藤9053-30電話0238-85-2922営業時間9:00〜18:009)に向かいました。前回も此処で買い物をして価格と品ぞろいに満足した覚えがあります。地元の人達もかなり多く訪れているので安心です。

キャベツや菜の花等を買い込みました。見るとリンゴが袋に20個程入って(大小が混ざっていますが)¥500で売られていました。幾つか欲しい位ですが腐るといけないので一袋だけ買いました。珍しい小型の高菜のような菜っ葉が売られていました。地元の方が手に取ったので食べ方をうかがうと、その方の好みは煮てから”追いがつおだし”をかけてタッパーで冷蔵庫で保管して食べると教えてくれました。早速街に帰ってから調理をしてみました。確かにほろ苦い味がして、食べながら桜の旅を思い出しています。撮影日2015.4.27

八乙女種まき桜・2014年4月21日データ

樹齢500年の八乙女種まき桜に向かいます。カーナビで”荒砥甲””近辺しか表示されなかったのでかなり迷いましたが置賜桜回廊の旗が見えてなんとかたどり着きました。確か公民館のような施設があってその行き止まりに車を止められます。そこから坂道を登ると直ぐに鳥居と桜が見えます。住所:山形県西置賜郡白鷹町荒砥甲楯廻撮影日2015.4.27

八乙女八幡神社の社一杯を塞いで斜めに立っているエドヒガン桜です。推定樹齢は500年と言われています。この時ばかりは常緑樹の茂る薄暗い境内も華やいで見えます。

昨年は4月21日に訪れたのですが、桜は殆ど見られませんでした。今年は少し遅く訪ねてみましたが、皮肉な事に今年はこの数日の暑さで急に桜が開花したようで既に葉っぱが少し見えます。かろうじて花見に間に合ったようです。

樹齢500年にしてはウロなどが見られない確りした幹です。

桜の後方が社殿になります。立派な鳥居の横に立っています。苗代の種蒔の季節を知らせる種まき桜です。 八乙女八幡神社の創立は、釜の越桜の伝承に登場する八幡太郎義家に由来しているようです。

義家が京都の石清水八幡の方角を遥拝した後、神社の建つ小高い岡に弓矢を奉納し八人の乙女に舞楽を納めさせたと言う伝承が伝わっているそうです。

八乙女八幡神社の石段を登ってみました。上から見ると桜の姿が少し違った印象を与えます。撮影日2015.4.27
称名寺阿弥陀堂の桜・2014年4月21日のデータ

十王地区にある称名寺は小山の上にある静かなお寺です。前には川が流れています。

本堂と川を挟んだ反対側が墓地になっていて、そこに阿弥陀堂が建っています。阿弥陀堂に寄り添うように咲く墓守桜です。枝ぶりの美しい樹齢約350年のエドヒガンザクラです。撮影日2015.04.27

残念ながら少し遅かったようでかなり葉っぱがでています。後ろの山並みは朝日連峰です。

美しいしっかりとした幹です。
折角なのでお堂でお祈りをしました。此処には駐車場がありません。本堂に進んで川を越えると駐車場があります。
赤坂の薬師桜・2014年4月21日のデータ
大きな駐車場から坂道を登った小高い丘にたっています。何か痛々しい感じがする桜です。推定樹齢が970年のエドヒガンザクラです。釜の越桜の近くにある推定樹齢1200年の薬師桜と木の種類が類似していて薬師堂のあることなどから同じ頃に植えられた可能性が説明板に書かれています。確かに背丈が低く幹の太い姿は似ています。
大きな古株から新芽の桜が出て来たもののようです。に、新梢をつけたもので風趣がある。昭和初期の工場火災で幹を損傷したようです。1000年近くも生き長らえた桜が、再び樹勢を回復して旺盛な花弁を散らす日が来ると良いのですが。後庵桜に向かいます。
後庵桜

昨年白鷹町に来た時には、時間が無いのと場所が分からず訪れる事が出来なかった桜です。

今回も迷いました。駐車場が無いようなので道路の広い所に止めて歩いて訪れました。

個人のお宅の桜のようで、入っていいものかどうか迷ってしまいました。町内で設置したのかテントまであるので多分入って良いのだろうとは思ったのですが、躊躇してしまいます。

そこにこの家の御主人が出てきてどうぞとお許しを頂きました。

これが後庵桜の幹です。斜面に植えられていたのでこのように曲がったそうです。この下は昔鮎貝城の空堀があったそうです。今でも堀の形状を残していました。撮影日2015.04.27

今年は突然気温が上がった為に桜も駆け足で咲いてしまったようです。後庵桜はまだ花が見られますが、色は随分白っぽくなっています。

白っぽい桜が後庵桜、樹齢680年のエドヒガンです。

植木がお好きな方なようで綺麗な庭に枝垂れ桜が植えられています。

説明板にある鮎貝城の後方にあったと言う医師の子孫の方のようです、色々と説明をしていただき全てを大変興味深くうかがいました。休んでいってくださいとご親切に申し出ていただいたのですが、時間がないので失礼する事にしました。何処からお出でと聞かれたので街の名前を告げると、お気をつけてお帰り下さいと言われて恐縮してしまいました。
帰路の道の両脇は果樹園です。後庵桜が見えます。名残り惜しいのですが道を急ぎます。
珍しい御衣黄桜を見る事が出来ました。 この地域は鮎貝城の跡だそうです。
先祖の桜を守ってきた方のお話は大変興味深いものがありました。帰りにこれをどうぞと飴を何個か手渡してくれました。ありがたく一つだけ頂戴しました。美しい桜を見た事も、桜に纏わる楽しい話も、そして見ず知らずの旅人への心のこもったもてなしも、全てが美しい桜の花びらの思い出と共に記憶に残るものとなりました。撮影日2015.04.27
子守り堂の桜

後庵桜から細い道を子守堂の桜に向かいます。果たしてこれでいいのかと迷っていると右手に大きな桜、樹齢1000年を超える子守堂の桜にしては少し迫力がありません。相応院の標識、右に曲がって進みますが桜は見えません。戻って坂の下を見ると盛り上がるような桜の木が見えます。坂を緩やかに下りました。坂の下に臨時駐車場があります。

それにしてもこれほどの桜でも白鷹町ではまだまだ風格が足らないのでしょう。何の説明板もありませんでした。撮影日2015.04.27

子守堂の桜からこの相応院入口の桜を見ています。
子守堂の桜にやってきました。昨年白鷹町に来た時には、時間が無いのと場所が分からず訪れる事が出来なかった桜です。樹齢1000年を超える子守堂のエドヒガンです。すでに葉っぱがかなり出てきています。それでも小山のように桜の花びらが盛り上がっています。
子守り堂の桜は小さな御堂の前にたっています。そこは小高い岡になっています。桜の幹は1000年を生き抜いた力強さが現れているように感じました。

子供の成長を願ってと思いますが、色とりどりの布がお堂の前に翻っていました。その前で近所の人が桜を見上げていました。夫婦と車いすに乗った母親と見られる3人の人です。車いすの人をいたわっている様子が見て取れます。柔らかい印象の3人です。何処から来たと聞かれました。幾つかの言葉のやり取りからも印象は間違っていませんでした。

1000年を超える桜の下での地元の方との緩やかな語らいを心から楽しみました。

子守り堂から少し登って小高い岡の上から桜と白鷹町の景色を眺めています。この桜はまだ見頃の季節のようで時折見物の人がやってきます。我々も次の桜に向かう事にします。1000年の桜の傘の下でまだ花見を続けている3人の地元の方に挨拶をして車に向かいました。撮影日2015.04.27

2014年2月25日、置賜桜回廊の下見の折の写真です。

山口奨学の桜・2014年4月21日データ

樹齢104年の若いソメイヨシノ、公園の端に植えられています。若干風情に欠けますが、若い桜なので花付が旺盛です。

今年の春は一気にやってきたので既に葉っぱがかなり多く見えます。

1000年も冬の雪を凌いできた白鷹町の古典桜のごとく、私達の預かり知らない未来まで生きる事ができるでしょうか。

1000年後にこの桜を見る人が居るかもしれないと想像すると随分と重みのあるお花見です。

白鷹町の桜とはそのような長大な歴史の生き証人でもあるのだと思いました。 撮影日2015.03.11

十二の桜 ・2014年4月21日データ
“十二薬師堂”建立地に植えられた事から十二の桜と名付けられたようです。この桜は今年の早く過ぎていく春でもまだ桜色を保っています。

種の蒔き時期を知らせる桜のようです。400年ほどの古い桜の株から芽を出した桜で、これが3代目になるそうです。トイレ付の広い無料駐車場があります。撮影日2015.04.27

カタクリの花の色が鮮やかです、雪と寒さに洗われた北国の花は色が澄んでいます。 桜の根本に青のイチゲが咲いています。

一通り置賜桜回廊の主だった桜を見る事が出来ました。駐車場に観光バスが4台も入って来たので退散する事にします。

最も心配している原の枝垂れ桜と多分もう葉桜であろう殿入り桜に、帰り道なので立ち寄る事にしました。撮影日2015.04.27

原の枝垂れ桜・2014年4月21日データ

最も心配していた推定樹齢500年原の枝垂れ桜、案の定、花が咲いた気配がありません。枯れ枝の先を飛行機が飛んで行きました。
傾斜のきつい山の斜面にまさに天を突くようにたっています。一際目立つ桜です。もし置賜桜回廊を再度訪れる事が出来、その時この堂々たる枝垂れ桜に花が咲いていたらどんなにか嬉しい事か。  
樹齢500年の枝垂れ桜、草原の斜面に王者のごとく聳えています。ここに桜の色どりが添えられていたらさぞかし見事な姿でしょう。撮影日2015.04.27
殿入り桜・2014年4月21日データ

思った通り置賜桜回廊最後の殿入り桜は葉桜になっていました。狭い道を登って小さな駐車場に車を止めます。名残りの桜の下にマットを敷いてお茶を飲みました。

駐車場の下の畑ではせっせと農作業をする人がいます。桜の花が種を蒔く時を告げてくれたようです。

村までの3時間強のドライブが待っています。そろそろ越しを上げる事にします。山形ナンバーの車が一台駐車場に入って来ました。それを潮に私達は出発する事にしました。

静かに過ぎ行く春を知らせてくれる殿入り桜。北国の春があっという間に行ってしまいます。

去年の4月21日、満開の殿入り桜の風景を思い出しています。辺りは一面の桜色、心が浮き立つような春でした。過ぎた一年を思い知らされました。

気合を入れて村に向かって走り出しました。2015年見納めの桜③会津美里町・千歳桜、南会津町外赤の山桜は近日中に掲載申し上げます。撮影日2015.04.2

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04/17/2021
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