新宿の狛犬②

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↑新宿・花園神社唐獅子像・阿像・文政４年（１８２１年・辛巳）
彫工・佐脇主馬原型鋳工・村田整珉

新宿駅近くで昼食後、花園神社と歌舞伎町の稲荷鬼王神社を訪ねる事にしました。２０１７．０８．０８

新宿・花園神社

花園神社住所：新宿区新宿5-17-3。地下鉄、丸の内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」E2出口徒歩１～２分。

大した距離でもないので私は散歩がてらJR新宿駅東口から甲州街道に出て右に進みます。伊勢丹メンズ館の前から鳥居が見えました。明治通りに面した赤い鳥居は見ていたのですが甲州街道側にも入り口があるとは知りませんでした。この明治通り側が正面の入り口と思われます。

歌舞伎町が近くなって突然、社会人（それ以前だけではなく）になってからも数年新宿に通ったことを思い出しました。全く突然で不思議な事です。大体が夜で、神社など全く興味がなかったので花園神社に入ったことはありませんでした。２０１７．０８．０８


新宿駅から１０分ほどで甲州街道に面した南の入り口にやってきました。途中外人の観光客で道はかなり混んでいました。	神社の境内に入ると混迷の道から解放されました。突然素晴らしい銅製の狛犬が出迎えてくれました。

花園神社唐獅子像・文政４年（１８２１年・辛巳）彫工・佐脇主馬原型鋳工・村田整珉


見応えのある素晴らしい銅製の江戸の狛犬です。個人的には銅製の狛犬はどうも見慣れた日本的な形でないように見えて好みではありませんでした。この狛犬は日本的です。この右に置かれた狛犬は阿像と思われます。頭に擬宝珠を載せているようです。江戸の職人は凄いなと見惚れてしまいました。木陰に入った事と熱中したお陰で汗が引っ込みました。２０１７．０８．
	こちらは左に置かれた吽像と思われます。頭に角らしきものがみえます。阿像は動きが感じられ、この吽像はどっしりとした安定感を感じました。全くの素人の感想ですが、どちらも素晴らしい作品に見えます。２０１７．０８．０８
阿像から左側が甲州街道です。木陰の少し薄暗し空間を舞台のように引き締めた空間にしています。２０１７．０８．０８

このしめ縄を浮き彫りした台座の彫りも大変見事に見えます。説明版によれば本橋吉平衛と言う石工の作品だそうです。

江戸の職人らしく簡素に仕上げてあるように見えますが、細部を見ると石造物であることを忘れるほどの作品に見えました。２０１７．０８．０８

甲州街道からの参道を北に進んで広い境内に出ました。拝殿でお参りをしようと思ったのですがかなりの観光客が入れ替わり立ち代わり居るので今回はここでお参りを済ませました。後方向の明治通りの入り口に向かいました。

２０１７．０８．０８

花園神社・昭和11年の狛犬（１９３６年）

明治通りの鳥居を潜ると大きな狛犬が置かれています。かなり圧倒的な高さの台座の上に大きな狛犬が乗っています。したがって見上げる事になります。

こちらは右に置かれた狛犬で阿像と思われます。。２０１７．０８．０８

こちらは左に置かれた吽像と思われます。足下の玉にも模様が彫られています。余りにも高い位置に置かれているので細部を見る事が出来ませんが、細部の彫りが美しいと思いました。

２０１７．０８．０８

台座には奉納した人々の名前などが沢山書かれていました。石工の名前が3人と狛犬を彫った石工と思われる鈴木新太郎と言う人の4名が見られました。

”新宿全町睦会”と書かれた横に、奉納されたと思われる昭和11年の文字が見えます。狛犬奉納は新宿一帯をあげたかなり大掛かりな行事であったようです。２０１７．０８．０８

明治通りに出ました。写真前方は渋谷、後ろは池袋方面になります。池袋方面に進んで僅かで東新宿交差点の信号を左に曲がり歌舞伎町方面に向かいました。一つ目の信号を左曲がると鳥居が見えました、目指す稲荷鬼王神社です。２０１７．０８．０８

新宿・稲荷鬼王神社


稲荷鬼王神社住所：新宿区歌舞伎町2-17-5。地下鉄大江戸線・副都心線・東新宿駅[A1]から徒歩約2分。歌舞伎町の一角にこのような神社が有る事は全く知りませんでした。鬼王の名前を持つ全国でただ一つの神社として知られているようです。２０１７．０８．０８


	入り口の鳥居の際に一番目の狛犬が置かれていました。威風堂々という感じの狛犬です。２０１７．０８．０８

新宿稲荷鬼王神社狛犬


	足を突っ張って胸を張っています。かなり大型です、台座の上の乗っているので顔などの細部を見る事は出来ません。繁華街の歌舞伎町なのでこの狛犬の周囲を覗くスペースがありません。年代や意識は見つけられませんでしたが、昭和の狛犬と推定されます。２０１７．０８．０８

参道から一番目の狛犬と鳥居の先の通りを見ています。左が歌舞伎町・JR新宿駅方面になります。

この通りは車が余り通りません。静かな通りです。２０１７．０８．０８

稲荷鬼王神社二つ目の狛犬・明治３５年（１９０２年）

拝殿でお参りをしてからもう一つの狛犬を見させてもらいました。１１５年前の狛犬、まだ江戸の職人の影響が残っている時代と思われます。これは右に置かれた阿像と思われます。

私には、江戸の職人らしい外連味のない狛犬で確り彫られているなと感じました。右側は日陰になっていて既に薄暗い感じが漂っています。２０１７．０８．０８

こちらは左に置かれた吽像と思われる狛犬です。

こちらには未だ明かりが残っているのではっきりと見えます。

無駄な飾りや派手な見てくれなどが感じられません。流れるような彫りの線が見られます。顔の表情も穏やかで個人的には好ましく思いました。２０１７．０８．０８

吽像から阿像方向を写しましたが、既にそこは暗くなっていて何も写りませんでした。台座にも抑えた意匠が彫り込まれています。石工の名前を探したのですが見つける事が出来ませんでした。

２０１７．０８．０８

未だ熱さが和らぎません、今日はこれを最後にして帰路に着く事にして歌舞伎町方向に向かいました。この通りを右に曲がって懐かしい歌舞伎町を通ろうかどうか迷いました。何十年も前に馴染んだ店などは既に無くなっていると友人からも聞いています。

折角の思い出が壊れるかもしれないと思い、今回はそっとしておくことにしました。新宿区役所から少しは涼しい地下道に潜ってJR新宿駅に向かいました。

新宿にこれほど良い狛犬が奉納されていたことは驚きでした、そしてそれが見られたことも幸運です。修理のカメラを引き取りに来た時も時間が許せば見てみたいと思いました。２０１７．０８．０８