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田無神社狛犬阿像・大正7年(1918年)  *()転用・使用

平成30年3月3日、板橋区の狛犬巡りで明治35年(1902年)の文京区・酒井八右衛門(井亀泉・東京文京区)の狛犬に出会うという想像以上の楽しい思い出になったのに味をしめて、翌々日、快晴の朝、お馴染みの土手でのジョギングからの帰路西東京周辺の神社を訪ねて見る事にしました。

汗が噴き出す程の暖かさの土手の道をのろのろと走り、帰路は菜の花を摘んで春を満喫しました。狛犬巡りの車の中は、余り上品とは言えない菜の花独特の香りが充満しています。2019.03.05

2019年3月5日・西東京地域の狛犬巡り順路

①西東京市・尉殿(じょうどの)神社⇒西東京市・田無神社
杵築(きずき)神社北関野八幡神社市杵島神社

尉殿(じょうどの)神社
尉殿神社住所:西東京市住吉町1丁目21−1

グーグル・マップでは、神社への道は細い一方通行だったので、安全の為に少し大回りして学校の脇の道から入りました。心配していた駐車場は境内の左にありました。車を止められたので安心して極めて長い神社参道入口までやってきました。拝殿の入り口にはガラス戸が入っていて一風変わった印象をうけます。2019.03.05

尉殿神社は田無神社に極めて隣接するために一緒に訪れて見ました。次に訪れた田無神社でその御由来を見て驚きました。

元々は西東京市内の宮山に鎮座していた”尉殿権現”が後年この地に尉殿神社を分祀したと読み取れます。更に後に田無にも尉殿権現が分祀されそちらは田無神社と改称したように思われます(間違っているかも知れませんが田無神社と縁の神社ではあるようです)。駐車場にはこの二の鳥居の脇から入ります。2019.03.05

白梅が満開です、一番目の神社へ無事に辿り着いて参拝が出来た事で梅の花をゆったりとした心持で眺める事が出来ます。2019.03.05

本殿の後ろには小さな石の社で5つの神社が奉られていました。2019.03.05

 
尉殿神社狛犬・大正13年(1924年)

参道が極めて長く、その間に道路が一本横断しているほどです。参道を横断する道路の手前に狛犬が奉納されています。若干大き目で、台座も高めなので見上げる様に見る事になります。

右に置かれた阿像と思われる狛犬、彫りはかなり美しい線ですが、ユニークな意匠に見えます。全体に直線的な線が目立つようです。大変面白い石像に出会いました。子供が阿吽像両方に彫られていました。

2019.03.05

右の阿像と思われる狛犬から吽像の方向を撮りました。一般的な狛犬に比べると直線的なフォルムが目立ちます。台座には大正13年と刻まれていました。2019.03.05

 

左の吽像と思われる狛犬、目や頭部の意匠など極めてユニークです。

彫りはかなり簡素ですがそれはそれで楽しく鑑賞させて貰うことが出来ました。今回の狛犬巡りでは、一番目の神社で長く印象に残る狛犬の一つに出会えました。2019.03.05

 

 
田無神社

田無神社住所:西東京市田無町3丁目7−4

グーグル・マップで前もって駐車場がある事が確認できたので安心して訪れました。神社は新青梅街道と青梅街道の間にあり、神社北側の新青梅街道に参詣者用の駐車場がありました。これで安心して見所が沢山の神社をゆっくりと参詣できます。

因みに左上の写真は二の鳥居と本殿の間にある田無用水跡、小さな神橋が掛かっています(このような見所が多数あり、参詣の人々を楽しませてくれます)。2019.03.05

拝殿や本殿を飾る美しくも複雑な彫りの木彫も大変見応えがあります。

拝殿と本殿の間に彫られているものです。

拝殿の木鼻部分に飾られた龍の木彫です。

本殿で参拝を済ませてから、一の鳥居のある青梅街道の神社入口にやって来ました。大きな狛犬が石段の先にあります。狛犬が奉納されている先に二の鳥居が見えます。

長い参道(龍神の道)が本殿まで続きます。境内には参詣の人を楽しませる色々な見ものがあって見落とす恐れがあります。因みに左の写真は龍神の道と名付けられた入り口参道脇に置かれた白龍の像です。境内にはこの他にも青龍・黒龍が置かれていました。

参詣の人々がかなり訪れますが、所謂観光地のそれとは異なるようです。多くは神社での参拝を目的としている人々のようで整然と拝殿で祈り 摂社などを巡っていました。人が写り込むので写真撮影はかなり限定されました。2019.03.05

神社南側、青梅街道の一の鳥居の石段を登ると見応えのある狛犬が奉納されています。台座は一部が新しく修理が施されているようです。石像が大きな上に台座も高い事から狛犬は見上げる様になります。2019.03.05

田無神社の御由来、先ほど訪れた同じ西東京市内の尉殿神社との縁も書かれています。2019.03.05

田無神社の摂社

境内には参詣の人々を楽しませる多くの摂社が見られます。本殿の右側には幾つかの摂社がまとまってありました。

左には野分初稲荷神社があります。手前は横綱・大鵬由来の土俵がありました。

2019.03.05

境内の西・冠木門脇に鎮座する津島神社です。厄除けと子育ての神様と書かれていました。

本殿右の大黒様の横には木魚が釣り下がっています。

大鵬由来の土俵の右には青龍のブロンズ像と楠正成像が置かれています。
田無神社狛犬・大正7年(1918年) 

一の鳥居の石段を登ると高い台座の上に大きな狛犬が置かれています。阿像と思われる右側の狛犬、中々見事な彫りと美しい造形です。素晴らしい狛犬に出会って嬉しくなり何度も見上げてしまいました。

親を見上げる子供の姿がユニークです、ただその近辺には経年による若干の剥落が見られます。2019.03.05

左に置かれた吽像、こちらにも子供が彫られています。吽像の方が状態が綺麗なようです。

バランスの取れた全体の造形、個々の部位の美しい彫りや中々リアル目の彫りなど見飽きる事がありません。2019.03.05

 

奉納された大正七年と社掌(所謂宮司)と奉納者の方の名前が綺麗な文字で刻まれています。石工の名前を探したのですが見つける事が出来ませんでした。これだけの狛犬を作った石工ならいずれどこかで目にする事があるかもしれません。2019.03.05

参集殿前の狛犬

一の鳥居から参道・龍神の道を進むと二の鳥居の左に参集殿がありました(もしかすると違っているかもしれません)。その前に小さな狛犬が低い台座の上に置かれていました(この下にかっては台座があったのではないかと推測しています)。

年号や石工名等の彫りは見つける事が出来ませんでした。ただ、この狛犬の特徴に極めて類似したものを二体見た事があります。独特の風貌と意匠、胸に鈴が彫られている事、台座に特殊な模様が彫られている事などが極めて似ています。ただ、二つの類似の狛犬はかなりこの地から遠い埼玉県にあるので関連があるかどうかは不明です。その神社は川口市・安行氷川神社と蕨市・和楽備神社の二つです。2019.03.05

この狛犬はかなり小型です、独特の風貌と台座の彫りなどがどこかオリエンタルの雰囲気を感じてしまいます。胸には鈴が彫られています。2019.03.05

田無神社拝殿前の狛犬

田無神社拝殿の前に小型ながら躍動的な素晴らしい狛犬が木箱の上に置かれています。目に金の彩色が施されているので更に躍動感が増しているように見えます。

素人の推測ですが、この狛犬は獅子山の上に乗っていたものではないかと思いました。こちらは阿像と推測しました。2019.03.05

左に置かれた吽像思われる狛犬は獅子山の上部が残っているように見えます。彫り・全体の造形・意匠なが非常に美しい狛犬です。2019.03.05

 

 

 

 

今回は個人的に土地勘が極めて乏しい東京の西部地域を回る事になり果たして辿り着けるか、車は止められるかと不安の種は尽きませんでした。ここまではその二つともが単なる杞憂に終わり、何事も無く素晴らしい神社と狛犬を訪ねる事が出来まし2019.03.05

 
東京西部の狛犬①
5/5/19
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