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7世紀の飛鳥時代に築かれた山上古墳
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今年の猛暑に辟易して町から離れて少し北の街に出かけることにしました。できるだけ馴染みの少ない場所にしようといろいろ迷った結果、随分昔、一度尋ねた事のある伊香保温泉に行くことにしました。目的の一つが、個人的に出雲と奈良に興味を持つことから、周辺に多く見られる古墳を訪ねててみたいと思いました。途中農協の野菜や果物を買いながら榛名山にも立ち寄ってみることにしました。
@関越道・上里インター⇒農協・上里カンターレの洋菓子・中央軒煎餅での買い物⇒山上碑・山上古墳⇒高崎市・春日神社
A榛名町中室田の道祖神⇒榛名山
B伊香保温泉石段街⇒伊香保神社⇒法水寺⇒水澤観世音
C八幡神社⇒黒髪神社⇒高崎市赤城若御子神社
D二子山古墳⇒八幡塚古墳⇒進雄神社⇒玉村八幡宮
2025.09.01
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10:15・関越道を通る折にはできる限り立ち寄ることにしている上里ICの前にある野菜、洋菓子、煎餅の3つの直売所で買い物をすることにしています。直売所で出会うのは殆ど地元の買い物客の人達なので品質と味・価格には問題がないようで、安心して選ぶことができます。
まず最初に訪れるのが農協の農産物直売所・”アグリパーク上里”です。それほど大きな店舗ではありませんが、時折珍しいものやB級品があるのでそれを楽しみにしています。今回は少し時間が遅かったせいもあり残念ながら大したものを買うことができませんでした。
2025.09.01
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次はほぼ隣接する”上里カンターレ”洋菓子のメーカーの直売所です。得てして洋菓子類の直売所は特に観光客が多いのですが、駐車場内に止まる車のナンバーを見るとほとんどが地元の方です。
沢山陳列されているB級品の中から選んで買いこみました。これが思ったより美味しくて次回も機会があれば必ず立ち寄りたいと思いました。
2025.09.01
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最後は隣接する中央軒煎餅の直売店に向かいました。大袋に入ったアウトレット品いくつか選んで買いこみました。これらの煎餅も大変美味しく、家でのおやつの茶受けとして大いに楽しみました。加えて、上里カンターレの洋菓子とこの煎餅を交互に楽しむことで飽きを感じることなく大きな満足感を味わいました。
2025.09.01
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最初の目的である買い物が終わって、次の目的地である山の上古墳を目指して17号国道に向かいます。あたりには緑の田んぼが広がっていました。
2025.09.01
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10:56・田んぼの中の細い道を17号国道に向かった進んで行くと趣のある建物が見えてきました。前回は素通りしてしまったので今回は立ち寄ってみることにしました。
2025.09.01
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大日堂・住所: 埼玉県児玉郡上里町勅使河原1125。
きれいな墓石が立ち並んだ墓地が風情のある建物を囲んでいました。家に帰ってから調べるとこの建物は大日堂と記載されていました。
緑の畑が広がる中に建つ風情ある建物と石像が祀られた不思議な空間の中にしばらく立ってあたりを眺めました。石像と建物に手を合わせてから細い道をさらに17号国道に向かって進みました。
2025.09.01
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11:02・雷電宮:住所:埼玉県児玉郡上里町勅使河原1956。
大日堂から100m程進むと右手に小さな社が見えます。きれいに手入れがされた集落の人達の神社のようです。車を止めて参拝をさせてもらうことにしました。
2025.09.01
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青い田んぼが広がる懐かしい風景をバックに狛犬が祀られています。かなり新しい小型の狛犬です。
2025.09.01
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集落の人たちの思いのこもった社の前で手を合わせて旅の無事をお願いしました。今回の旅は出だしから、心が和む神社での参拝から始めることができました。
楽しい旅をプレゼントされる予感がする出立です。
2025.09.01
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11:33・次の目的地山上古墳に向かう途中、上信電鉄・西山名駅の踏切で通り過ぎる電車を見ることができました。
踏切を渡って、案内板に従って山沿いの細い道を直進してたどるとわずかで山上古墳の10台ほど止められるトイレ付きの駐車場が道路左に見えます。誰もいない駐車場に車を止めました。
2025.09.01
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12:03:山上(やまのうえ)古墳・住所:群馬県高崎市山名町山神谷2104。
7世紀中葉の飛鳥時代に築かれた山上古墳を目指して、駐車場のある道路の向かい側の斜面の石段を上ります。大好きな奈良の飛鳥を訪ねた折の思い出を掘り返しながら、何が出てくるかと期待しながら綺麗な石段を快適に上ります。
古墳入り口の案内板です。
2025.09.01
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古墳入り口の案内板の内部の図面部分です。案内板画像下端の入口(加筆しました)から膝を折って奥へと進みます。説明版によれば入口部分の狭い羨道(せんどう)部分は長さ3.3m以上と記載されています。奥の玄室部分は長さ約2.7m、幅1.8m、高さ1.7mと書かれています。
2025.09.01
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12:03・快適な石段を上ると小広い台地が広がった場所に小山のような古墳の入り口が見えてきました。真夏の平日のせいか人影は見えません。古墳左側の案内所も今日は休みのようでした。
2025.09.01
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身をかがめながら狭い円墳の入り口から薄暗い内部に進んでみました。石の壁に身を押さえられるような窮屈な羨道が大切な墳墓を護っているように感じました。
2025.09.01
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12:06・羨道を薄暗い場所まで進むと空間が広がり背を伸ばし中腰で立ち上がることができる場所に出ました。奈良好きの私にとっては飛鳥時代の円墳の中に身を置く幸運を感謝しながらしばし深呼吸をして内部の空気を胸に納めました。
2025.09.01
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長い年月のせいか経年による自然の摩耗のせいか薄暗い円墳の中でもありぼんやり見える石像の風貌がかなり恐ろし気に見えました。案内板によれば飛鳥時代に作られた古墳内部の石像は中世のものと記載されていました。
誰もいない静かな今、飛鳥時代に作られたこの空間に身を置いた幸運に感謝して手を合わせました。暫し渡りを見回していましたが石壁に圧迫されて息苦しくなってきました。
2025.09.01
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12:13・薄暗い飛鳥の別世界から明るい普通の世界に戻るべく狭い入り口の石壁の中をそろそろ進みます。
2025.09.01
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日の差す円墳の外に出て駐車場から登ってきた石段を見下ろし、密度の濃い短い旅からの帰還を実感しています。緑に囲まれた山の斜面と光が懐かしく思えます。
私は墳墓の後ろに続く道を少し登ってみたくなりました。家人は車に戻ると石段を下っていきました。
2025.09.01
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12:30・墳墓の脇に続く坂道を登って進むとやがて平らな山道が見えてきました。かなり先がありそうなので今回はここで駐車場に戻ることにしました。
2025.09.01
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石段まで戻ってきていくつか見える案内板を一つづつ見てみました。さほどの知識はありませんが万葉集の飾り気の薄い素朴な言葉に癒される事の多い私には、また一つ美しい物語を胸に刻むことができました。
2025.09.01
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階段の下にあったと(確かではありません)思われる案内板。残念ながら681年に建てられた”山上碑”が、案内所と思われる場所が閉まっていたので見つけることができませんでした。
2025.09.01
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11:48:思った以上の思い出に残る濃密な時間を過ごした満足感に満たされながら石段をリズムを刻みながら下り駐車場に向かいます。観光臭の感じられない透明感ある墳墓のたたずまいに感謝して石段の下から頭を垂れお礼を言いました。
2025.09.01
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住所:高崎市山名町1510−1
次の目的地に向かっていると2年ほど前に訪れた見どころのある魅力的な山名神社が偶然目に入りました。特徴のある上信電鉄の線路の下をくぐる参道に入って駐車場に車を止めました。山門を眺めて手をわせました。
2025.09.01
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14:02・春日神社・住所:高崎市上里見町1659。
途中、街道脇に並ぶ果樹園を見ながら406号線を進みましたが、季節もあるのかそれほど買いたいものも見当たりませんでした。
次の目的地の春日神社はすぐ見つけることができました。烏川に出る手前の道の左側に神社が見えてきました。
2025.09.01
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狛犬が奉納されている静かな境内の参道の石畳を歩いて拝殿で参拝をすることにします。
2025.09.01
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春日神社の扁額のかかる拝殿で鈴を鳴らして手を合わせました。
2025.09.01
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向かって右に置かれた狛犬は阿像と思われまる、私には顔の表情や体の彫りにに迫力を感じる見ごたえのある石像です。若干大き目のサイズが更に狛犬に迫力を生み出しているように感じました。
2025.09.01
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向かって左に置かれた吽像と思われる狛犬は足元に玉が彫り込まれています。
2025.09.01
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14:05・左の吽像と思われる石像の後ろから阿像を写しました。躍動する姿を表現した石像の石工名や製造年などを探しましたが、経年のせいか私には見つけることができませんでした。個人的な印象では昭和30年代の石像ではないかと思われますが確かではありません。
見ごたえのある狛犬に出会い今回の旅に思い出が一つ加わりました。
2025.09.01
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14:06・春日神社での参拝が終わりました。これから烏川を渡り榛名山へ向かいます。残念ながら今回は時間がないので榛名神社の参拝を諦めざるをえません。
2025.09.01
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伊香保温泉への旅の始まりは、飛鳥時代の古墳を訪ね内部まで見学ができる幸運に恵まれました。猥雑な土産物屋や売店などの姿が見られない静かな山間に築かれた飛鳥時代の姿を見せてくれる稀有な遺跡でした。心行くまで古代の中に身を置いて一時の夢の旅を存分に楽しむことができました。旅の前途が楽しみです。
←宿泊したホテルのフロントでもらったパンフレットの一つです。私の訪ねた@山上碑と古墳A多胡碑B金沢碑の3つの案内が書かれていました。出発前に目にしていれば山上碑と古墳を訪ねた折に山上碑を探し回り見つけられない事を悔いる事もなかったようです。パンフレットでは閉まっていた墳墓に隣接する案内所と思っていた建物の中に山上碑はあったようです。
2025.09.01
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