狛犬を訪ねて№46・日光市の狛犬② ①へ ③へ ④へ ⑤へ  街の狛犬へ

 

 
今市瀧尾神社狛犬・天保 7年(1836年・丙申) 2022.08.30()無断転載

日光戦場ヶ原に出かける途中、急ぐ旅でもないので芭蕉の奥の細道所縁の日光北街道沿いの神社を訪ねることにしました。

夏の終わりの戦場ヶ原の散策だけでも十分思い出に残る旅でしたが、日光北街道の神社巡りが加わり思いもしない大きな充足感に満たされました。2022.08.30

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今市瀧尾神社
 
今市瀧尾神社住所:栃木県日光市今市531。森友瀧尾神社を出て119号線を進んでいくと左に大きな神社が見えました。出発前の下調べのリストには入っていませんでしたが立ち寄らせてもらうことにしました。鳥居の左にまわると境内に参拝者用の駐車場がありました。2022.08.30

大きな一の鳥居が入口にたっています。拝殿が参道先に小さく見える事からかなり大きな神社であることが分かります。今回は参道が長いので一の鳥居脇の狛犬を最初に見てから拝殿に向かうことにしました。

2022.08.30

 

一の鳥居の脇に見るからに年月を重ねた狛犬が置かれていました。

2022.08.30

鳥居の側に瀧尾神社の御由来が見られます。山岡鉄舟筆の大幟が例大祭には奉納されると書かれていました(読み違いかもしれませんが)。

2022.08.30

今市瀧尾神社・一つ目の狛犬・天保 7年(1836年) 丙申(ひのえ さる)

大変珍しい右の阿像と思われる頭に凸部の見られる狛犬が一の鳥居の脇に置かれていました。かって同じ形状の狛犬を見た事がありますが記憶が確かではありませんが確か角の変形ではないかと思います。

やはり細部の彫が私の見慣れた手彫りの狛犬とは明らかに異なる意匠が見られる興味深い石像です。若干小型のサイズに見えます。

 

2022.08.30

右の阿像から木の枝が頭上を覆う左の吽像を写しています。吽像の右には先程見た御由来が飾られています。

2022.08.30

左の吽像は、全体にかなり変色が進んで顔の表情等ははっきり識別できません。肉眼ではこれより少し柔和な良い表情の彫りが見られます。

2022.08.30

台座には嬉しい事に”天保 7年 (1836年)丙申(ひのえ さる)”の文字がはっきりと残っていました。今回の旅で初めて訪ねた徳次郎知賀都神社狛犬・安政6年(1859年)の狛犬より更に古い江戸時代の狛犬になります。

幾度となく通ったこの道で道路脇に神社が見られたことは記憶にありますが先を急いで何時も素通りしていました。今回は日光戦場ヶ原の散策で急ぐ旅ではないので立ち寄る事を出発前に決めておいたことが思いもしない楽しい江戸の狛犬との出会いを与えてくれました。

2022.08.30

今市瀧尾神社・二つ目の狛犬・大正2年(1913年)

石畳の長い参道を拝殿に向かって進んでいくと2番目の狛犬が参道を挟んで置かれているのが望まれます。入口の江戸時代の狛犬で十分満足したのですが偶然に立ち寄った瀧尾神社でも思いもしない幸運に恵まれました。

2022.08.30

右に置かれた阿像、石像の顔と背中部分が苔と草で覆われていました。これはこれで極めて珍しい姿と大いに興味深く見させてもらうことにします。

背中に起立する小さな草があたかも生き物の毛を思わせるリアルな石像です。

2022.08.30

左の吽像から右の阿像を望んでいます。阿像は上部を木の枝で覆われているので石像に湿り気が残り草や苔が生えたのかもしれません。阿像の後姿はすっきりと立ち上がった美しい造形に見えました。

2022.08.30

左の阿像はそれ程苔などが見らません。顔の表情は穏やかで全体の曲線などの彫りにも違和感を感じさせない楽しく見られる石像です。台座を調べましたが何故かカメラでの撮影を忘れたようで画像が見つかりません。

念の為ノートにデータを記入しておいたので、大正2年(1913年)4月14日の奉納年月日が書き込まれてありました。100年以上前の石像になります。

2022.08.30

更に心地よい石畳の参道を進みます。右に手水場が置かれていました。はっきりその姿が見えてきた拝殿の手前に二の鳥居と三番目の狛犬が置かれているようです。

2022.08.30

豊かな透明の水が流れる手水場で手と口を清めました。

2022.08.30

県境の村の神社ではお馴染みの澄んだ水が境内を流れています。やはりくっきりと水底の子砂利が見える水の流れは私には心を癒してくれる嬉しい風景です。

2022.08.30

 

今市瀧尾神社・三つ目の狛犬

石作りの二の鳥居の前には珍しい青銅の狛犬が置かれているようです。

2022.08.30

 

拝殿前の二の鳥居は推定400~500年前に建てられたと書かれています。良くぞ厳しい日光地方の冬を堪えたものだと改めに見上げました。

説明版の三の鳥居は見落としたようです。

2022.08.30

推定400~500年前に建てられたといわれる二の鳥居の美し扁額です。これは多分後から作られたものと思われます。

2022.08.30

私にとっては大変珍しい青銅製の狛犬が奉納されていました。青銅の狛犬は新宿の花園神社で見た事を思い出しました。

右に置かれた阿像と思われるこの青銅製の狛犬は若干大き目で体全体に隙間なく力強さが漲る狛犬です。

2022.08.30

左の吽像から右の阿像を眺めています。かなり強調された尻尾の形が目立って見へました。

2022.08.30

左に置かれた吽像と思われますが、右の阿像に比べて小さく開けた口の形のせいか表情が若干柔和に見えます。足の太さも僅かに阿像より細く作られているように感じました。

2022.08.30

本殿での参拝までに思いもしない程の時間が掛かったようです。お陰で滅多に見ることが出来ない江戸の狛犬を含めて珍しい狛犬を三つも見ることが出来ました。

2022.08.30

拝殿の正面には複数の扁額が奉納されていました。誰もいない静かな拝殿の前で鈴を鳴らして参拝をさせてもらいました。

2022.08.30

もう一つ右隣に拝殿があったので併せて参拝をさせてもらいました。三つもの珍しい狛犬を見せてくれたお礼を申しました。

2022.08.30

広い境内の左側に向かって歩いて見ました。拝殿を横から眺めています。心を落ち着かせてくれる佇まいの社でした。

2022.08.30

”天皇陛下御即位十年記念”の文字が台座に添えられた銅像が奉納されていました。先程の銅製の狛犬と言い、この銅像と言い何か銅に曰くがあるのかとも思いました。足尾銅山は山の向こうにありますが・・、たまたまの事かもしれません。

2022.08.30

境内の奥に高い石柱が奉られていました。一部が欠落しているのではっきり文字が読めませんが神社で時々見られる”忠霊塔”と思われます。

2022.08.30

忠霊塔に隣接するように幾つかの摂社が奉られていました。神社入口に置かれた御由来には皇大神宮、八坂神社、雷電神社、琴平神社等の幾つかの摂社が奉られていると書かれていたのでその神社ではないかと思いました。

2022.08.30

往路の神社での参拝はこの今市瀧尾神社で終わりとして日光戦場ヶ原への散策に向かうことにしました。日光市内で大谷川を渡り日光東照宮周辺の混雑を抜けていろは坂を登ります。いろは坂の急な坂は如何にも山を上っていく感じがして快適な上り路です。華厳の滝入口を過ぎると中禅寺湖畔の道を僅かの時間で戦場ヶ原散策の駐車場に到着しました。

2022.08.30

10/29/2022
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