駒止湿原(こまどしつげん)② ①へ 山の花参照 太郎山 女峯山 
会津・駒止湿原に咲くヤナギランの花 2022.09.02

8月31日の男体山を8合目で引き返した心持の残念さを感じながらそれを癒してくれる小さな旅に思いめぐらしました。前から思っていた会津の駒止湿原ならのんびりと歩けると9月2日の朝、朝食後のんびりと村を出発しました。那須連山を長いトンネルで抜けると四方が山で囲まれた南会津町に入ります。駒止湿原は①大谷地白樺谷地水無谷地の3つの湿原からなっています。2022.09.02

南会津町駐車場:福島県南会津郡南会津町針生。2車線の289号線から右に集落の中の道に入ります。幾つかの案内板に導かれて集落の中の細い道を抜けて赤穂原川沿いの曲がりくねった道を登っていくと分岐点に標識があり右を見るとトイレの建物が見えます。大変綺麗なトイレで、この時にはテント張りの受付に二人の係の方がおりました。大変親切に植物の名前などを教えていただきました。

駐車場に帰り着いた時には既に誰もいませんでした。

未だトンネルができる前に駒止峠を車で超えた記憶があるのですが、そうだとするとこの道であったのかと思うのですがはっきりしません。当時から南に位置する中山峠とこの駒止峠は只見に向かう難路だと言われていましたがこれ程狭かったようには見えませんでした。湿原の入口にも立ち寄った記憶がありますが、只見方向に向かう必要があったので直ぐ立ち去りました。2022.09.02

駒止湿原(こまどしつげん)南会津町側駐車場:福島県南会津郡南会津町針生。駐車場は駒止峠に向かう旧道を幾つかの案内板に従って沢沿いに登って行くと右手に見つかると思います。綺麗なトイレのあるかなり広い駐車場に車を止めて歩く事になります。2022.09.02
 山の花一覧を参照ください。記載の野の花の名前は間違っている場合もあることをお許し下さい。2022.09.02
駒止湿原のスライド画像をご覧ください。雲が流れる中禅寺湖の動画が含まれています。2022.09.02
日光戦場ヶ原のスライド画像をご覧ください。
②白樺谷地・標高約1,028m

13:40・①大谷地を通り抜けて湿地の終わりを示す樹林帯に入りました。林を抜けて次の②白樺谷地に向かいました。なお表記の標高は持参のカメラの高度計の表示を記載しました。

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林を抜けて白樺谷地へ向かう道の脇の草むらにオトギリソウと思える黄色の花が咲いていました。

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13:44・何処にでも見られるシロヨメナの花がこの草地にも旺盛に咲いていました。

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13:45・”アシ”と思われる秋の風情を感じさせる色付いた穂が草むらに群生していました。2022.09.02

13:48・カミキリムシが何を目的で居るのか不明ですが光沢のある姿を見せてくれました。農作物には害を与える昆虫でしょうがここではそれもこの地のバランスを保つ役割を果たしているのでしょう。

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余りしげしげと見つめるせいか突然羽ばたいて草むらに逃げ込みました。もっと見ていたかったのですが残念な事をしました。

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13:51・白樺谷地入口に立つ案内板。

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13・52・駒止湿原入口の案内板に載っていたオオカメノキの真っ赤な実が輝いていました。

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13:53・白樺谷地の中に続く木道を歩くのは此処でも私達だけです。高原の湿原は既に秋の色に染まりだしていました。肌に心地良い秋の冷気に弄られて過ぎ去る夏が懐かしくさえ思えてきました。

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13:55・①の大谷地で見た風景と同じようにシダの類が大きな群落を作っていました。この白樺谷地のシダの群落は極めてバランスの取れた群落に見えます。

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13:59・ノリウツギと思われる花が姿を見せてくれました。

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14:・白樺湿原のこの辺りは小灌木が見られる一帯です。シャクナゲと一緒に茂る小灌木、山ツツジではないかと思っていますが、綺麗に紅葉していました。

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14:02・白樺谷地から次の水無谷地に向かって穏やかな秋の景色を楽しみながら歩きます。次の水無谷地との境の林が近づいてきました。

この辺りの木道の脇には背の高い草がそれほど見られないエアー・ポケットのような一帯です。その見通しの良い湿地にエゾリンドウが群れて咲いていました。

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やはり紫の色と咲き方には惹きつけられます。背の高い野草が見られないこの場所では一際目を惹きます。

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歩く木道に接するように花房の大きな一本のエゾリンドウが出迎えてくれました。まさに見てくださいと言わんばかりの姿に見えました。

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木道に膝をついてじっくりと紫の花を見させてもらいました。高貴な紫の花びら、清楚な咲き方、どれ一つ湿原の野の花は私を飽きさせることはありません。次の③水無谷地に向かうことにします。

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③水無谷地・1,036m

14:04・水無谷地の境の樹林帯を緩やかに上りだすと道の脇の木の枝に大きく重そうな鈴がロープで下げられていました。

説明がありませんが熊除けの鈴であろうと推測して思い切り鳴らしました。初めての経験ですが、腕を振って鈴を鳴らすと驚くほどの大きく力強い鈴の音が辺りに響き渡りました。

この後も樹林の中の道に入ると鈴が下がっていました。

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14:08・③番目の水無谷地に足を踏み入れました。水無谷地を抜けると昭和村側の駐車場に出ることが出来るようです。

私達は水無谷地の真ん中にある小さな樹林帯が谷地の終わりと勘違いしてそこから戻ったようです。

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14:10・3番目の水無谷地の木道を歩いているとウメバチソウがしばしば目に目に入ります。目立つ色合いの花が少ないこの季節だけに純白のこの花も大いに目を引く野の花の一つです。

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14:13・勿体ないほどの静寂の中で、澄んだ秋の湿原の風景を見ているのは私達だけです。俄かには信じがたい贅沢な時間を堪能しています。

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14:27・木道の脇にまた白いウメバチソウが大きな株で咲いていました。抑えた咲き方が多い野の花ですがウメバチソウの白い花びらには白い筋の模様まで浮き出て見えます。

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14:29・はっきりとこの花の名前を特定できませんがドクゼリではないかと推測しています。

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14:32・小さな灌木の林が現れました。ここでも同じく木の枝に大きな鈴が下げられていました。

那須連山を超えて村に戻る時間も考えて鈴を大きく鳴らして草原に別れを告げました。②白樺谷地⇒①大谷地と戻ることにします。

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14:33・先程は進行方向の右に見たエゾリンドウの群落に戻ってきました。戻り路では木道の左にエゾリンドウの花が程よい間隔で立ち並んでいました。

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14:34・最も木道近くに咲くエゾリンドウの花を存分に見てから楽しい思い出が残ったお礼を言いました。

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14:40・草原からすっくと立ちあがる数本の木が見送ってくれているようです。なんとは無しですが秋の日の夕方の気配が忍び寄ってきているように感じられました。

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14:42・湿原の中の小さな林の中にも熊除けの大きな鈴が下がっていました。何かこれほどまでに注意をする必要があるのかといささかこれからの工事用道路の戻り路が気がかりになってきました。

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14・43・②番目の白樺谷地の出口が近くなりました。最後に湿原を振り返り最後の別れを言いました。後数時間にはこの地では別世界の夜が始まるのでしょう。

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14:59・②の白樺谷地を抜ける樹林帯に入りました。如何にも草深い出口の木の枝にやはり熊除けの大きな鈴が吊るされていました。大きく念入りに鈴を鳴らして樹林の中の道を抜けることにしました。

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15:04・①の大谷地は左回りの一方通行です。駐車場へ戻るには工事用道路を歩くことになります。

葉っぱの開き具合から水の近くで見られるミツモトソウではないかと推定しました。

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15:05・アレチマツヨイグサの艶やかな黄色の花が小さな群落を作って咲いていました。

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15:06・草叢の中に埋もれるようにミズギクが咲いていました。

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15:07・秋の七草のフジバカマが目立つことなく渋い姿で咲いています。

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15:08・③の水無谷地から折り返して②の白樺谷地を戻り湿原を抜けて①の大谷地との境まで戻ってきました。白樺谷地は一方通行で帰路は作業道路を戻ることになります。標識にしたがって作業道路を駐車場を目指して戻ることにします。

帰路辿る道路脇には湿原の植物が姿を見せて楽しませてくれました。

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15:12・道路の脇の草むらに一際艶やかな姿で咲くヤナギラン。息を飲むほどの優雅な姿で咲いていました。野の花の奥ゆかしさが醸し出されていなければ園芸種と誤解する程の艶やかで優雅な姿です。

エゾリンドウとこのヤナギランに出会えた事は大きな思い出になりました。

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15:12・野の花らしく野草の群れの中ですっくと立ち上がり咲いていました。広い自然の中で丁度程良い咲き方を保っていると褒めてやりたくなりました。

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15:13・ハート形の花弁がはっきり開いたアレチマツヨイグサ(荒地待宵草) 。2022.09.02

15:14・今回の駒止湿原の散策で初めて目にするヤマハハコが咲いていました。

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コウゾリナが1m以上の高い茎を伸ばして旺盛に咲いていました。2022.09.02
15:19・ノハラクサフジ (野原草藤)が紫の優雅な花を咲かせていました。2022.09.02が

15:24・駒止湿原の駐車場がかなり近づいてきました。突然変哲もない工事用道路脇の木に例の大きな鈴が下がっていました。出発時に係の人に聞いた熊が出た場所かもしれません。

思い切り鈴を鳴らし安全の為に併せて大声も添えました。

2022.09.02

15:27・ブナ林の遊歩道の標識が立っていました。静まり返った濃密な緑の林は如何にもそそられますが、夕方が近い無人の道に踏み込む勇気はありません。

急いで駐車場へと向かいました。

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15:49・駐車場に戻ってきました。綺麗なトイレで村への帰りの用意をしようと駐車場を歩いているとノリウツギの花が咲いていました。

3つの湿原の静かな自然を存分に楽しんだ余韻が残っている上に、最後に大きなおまけまでプレゼントされました。2022.09.02

駐車場から県境の村へ

16:47・県境の村へ戻るべく集落の中の道を南会津町を目指して走っています。進行方向には山の連なりが望まれます。

まさに山国の中に身を置いています。

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南泉寺住所: 福島県南会津郡南会津町静川西ノ沢口乙14。駒止湿原に向かう折、道路から変わった茅葺屋根の楼門が見えました。私の少ない経験では茅葺屋根の門は隅田川七福神の多門寺が記憶にあります。この美しい門を帰路訪ねるつもりで通り過ぎました。

寛政6年(1794)に建立と説明版に書かれています。山で囲まれた田畑の広がる中に如何にも似合う楼門を潜りお詣りをさせて貰う事にします。

2022.09.02

楼門の横に立つ説明版、偶然ですが私の知る茅葺屋根の山門を持つ隅田川七福神の多門寺の門も江戸期に再建された美しい建造物です。

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16:18・夕方が近づく気配の本堂で手を合わせて旅の思い出をいただいた事のお礼をしました。

これで心置きなく那須連山の山道を辿る事が出来ます。

2022.09.02

那須山を挟んで反対側のこの辺りはどこか近所の気分が胸の中にあるようで親しみを感じています。気分的に気軽に出かける事が出来る場所ですが、思っていたより中身の濃い湿原の散策を楽しむ事が出来ました。紅葉の始まる前の季節のせいか無人の自然を目一杯心の中に取り込みながらの木道歩きは花が道連れでした。自然の状態を保つと言う管理者の人々の思いが伝わる透明感のある重層的な風景を存分に楽しむ事が出来ました。

機会があれば異なる季節の自然を見てみたいと思った思い出に残る旅でした。

2022.09.02 

09/22/2022

会津・駒止湿原②

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Copyright (C) Oct. 10,2007 Oozora.All Right Reserved. 09/22/2022 更新   ()転載