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↑笹目神社の狛犬・天保4年(癸巳・1833年)・阿蔵 石工・金次郎

荒川土手のジョギングの後狛犬を見る
首都高速5号線の笹目橋です。橋の真ん中の高い塔はスカイ・ツリー、天気が良い日の、空気が澄んだ午前中には雪の富士山が街の向こうに見えます。

この日は往復16kmをよたよたと走りました。土手の斜面には菜の花が咲き出しました。

笹目橋の手前の土手下に戸田市・早瀬浅間社が見えてきます。生き帰りに眺めながら走ります、不思議と社の鳥居と小さな狛犬を遠望すると元気が湧いてきます。

私の土手のジョギングは物見遊山の類ですので景色を見たり野草や野の花を摘んだりしながら走ります。今日は手に菜の花を持って走りました。笹間橋は16km折り返しの約11km地点にあたります。2016.2.29

一旦笹間橋の下をくぐり、再度土手に上りなおします。土手下の道の自動販売機で暖かい缶コヒーを買いました。そこに早瀬渡船場の案内板が立っていました。足を止めて読んでみます。上流の中山道の”戸田の渡し”は江戸入り口の渡し場として有名ですが、このあたりにも渡船場があったとは意外でした。

ペースも快適なのでジョギングが終わった後、この近くの笹目神社で狛犬を見る事にしました。旧街道筋では江戸の狛犬が見られる可能性が高いのです。此処から神社までは1km程ですが、ジョギングをやり遂げてから車で行ってみる事にします。よたよたと2時間50分掛けて走りました。2016.2.29

笹目神社の狛犬  

埼玉県の狛犬スライド 日光御成街道やその脇街道の街には嬉しい事に江戸の狛犬がかなり残っています。無駄な飾りを省いた粋な江戸の職人らしい(地元の石工を含めて)狛犬が多く見られるのも大変嬉しい事です。

 
笹目神社住所:埼玉県戸田市笹目六丁目28番の7

 

辺りは工場街のようです、すぐ横を首都高5号線と新大宮バイパスが通る交通量の多い場所の近くです。此処だけはエアー・ポケットのように静かな雰囲気です。神社の辺りには車を止める事が出来そうです。2016.2.16

 

立派な社殿で参拝をします。広い静かな境内に人の気配はありません。社の前の狛犬を見る事にします。2016.2.29

笹目神社の狛犬・天保4年(癸巳・1833年)・阿蔵 石工・金次郎

社殿の前の一対の狛犬は、彫りの素晴らしい江戸の狛犬でした。都内以外では中々見られなかった天保4年の江戸の狛犬です。地元の伊勢講の人々が奉納したようです。

年号と石工の名前がしっかりと残っています。下戸田・石工・金次郎と書かれていました。

彫りも全体のバランスも私にはかなりの腕の職人の手によるものに見えます。約200年前の狛犬としては保存の状態がかなり良好なのも素晴らしい事ですが、この石工の腕にも驚きました。江戸でしかるべき師匠の下で修業をした人なのでないかなどと想像してしまいました。

2016.2.16

 
笹目神社の狛犬・天保4年(癸巳・1833年)・吽像 石工・金次郎

社に向かって左に置かれた狛犬です。右側の狛犬より若干口の開きが小さい感じなので吽像と思われます。

全体のシルエットに違和感が感じられない完成度の高い狛犬に見えます。流れる毛の彫りも流れるようです、顔の表情も活き活きとしているように感じました。

江戸の外で、地元の石工の彫るすぐれた狛犬に出会えて幸運でした。ジョギングでも充実感を感じ、たまたま立ち寄った神社で良い狛犬に出会い、豊かな一日になりました。2016.2.16

阿像の後ろから吽像を見ています。渦巻き状の毛の彫りが美しく全身を覆っています。

阿像の裏からの写真です。江戸の外にもこれだけの腕の石工が居た事に驚きました。もしかするとまだまだ江戸の外でも、地元の石工の手による素晴らしい江戸の狛犬に出会える可能性があるのかもしれないと思いました。川口市・田中稲荷の文化3年の狛犬に続いて二つ目になります。2016.2.29

狛犬の先に見えるのは首都高速5号線、下は新大宮バイパスです。何時も沢山の車が猛スピードで行き交う通りです。境内の中は別天地です。午後3時になりました、昼食が未だでした。帰路に就くことにしたら途端に空腹を感じてきました。2016.2.29
戸田市の狛犬
笹目神社 美女木八幡(江戸と昭和) 上戸田氷川神社(明治と江戸) 新曽氷川神社(大正)
早瀬浅間社 (極めて小型ですが大量生産タイプではないようです・数から除きました)

土手のジョギングや春の桜の頃に海までジョギングする折に通りがかるだけの戸田市ですが、荒川(隅田川上流部)を挟んだ板橋区と共にこの町には6つの江戸又は江戸の雰囲気を感じさせる見応えのある狛犬が残っている事に驚いています。私はジョギングの折に車で通るのでしかとは分かりませんがJR埼京線を使う事で下記記載の多くの狛犬に出会えるのではないかと思います。

富士見市・村社・針ヶ谷氷川神社 富士見市の狛犬  

針ヶ谷氷川神社住所:埼玉県富士見市針ケ谷1丁目39 。土手のジョギングの途中所用があって車を走らせていると神社が有りました。車を止めて立ち寄ってみると立派な社と江戸の狛犬が置かれていました。後日分かったのですが富士見市には個人的な好みに合う良い狛犬(富士見市の狛犬・B C D 下鶴間氷川神社)が奉納されている事が分かりました。2017.2.26 

針ヶ谷氷川神社・慶応元年(1865年・乙丑・きのとうし)狛犬・阿像

入り口の鳥居の左右に置かれた右側の狛犬で阿像と推測されます。大きさはやや小ぶりで、あっさりとした彫りの狛犬です。

全体のバランスは取れているように見えます。頭がかなり特異な格好に見えます。どのような石工が彫ったものなのでしょうか。江戸と川越を結ぶ、川越舟運の通る新河岸川に近い地域ではあります。2017.2.26

左に置かれた吽像と推測される狛犬です。吽像の方が彫りの様子が良く分かるかもしれません。彫りはあっさりしていますが、中々作り慣れた手際の良い仕事のように見えます。違和感なくまとまった江戸の狛犬に見えます。2017.2.26

吽像から阿像を写しました。やはり江戸の狛犬は良いなと思いました。境内もかなり広くこの辺りでは中心的な神社のようです。台座には慶応元年の文字が見られます。2017.2.26

針ヶ谷氷川神社・平成の狛犬
拝殿近くにもう一対の平成4年の真新しい狛犬が奉納されていました。二組の狛犬が奉納されているのはかなり珍しい神社です。2017.2.26

通りがかりに運良く見つけた神社で江戸の狛犬を見る事が出来るなど2重の幸運に恵まれたようです。拝殿で丁寧にお参りをしました。2017.2.26

 
03/01/2019
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