狛犬を訪ねて 狛犬を訪ねてマップ 狛犬を訪ねての石工 スライドショー・一覧表
狛犬を訪ねて36の1・①郡山市・磐椅神社 ⇒会津若松市・守屋神社⇒会津若松市・稲荷神社 狛犬を訪ねて36の2・②会津若松市・熊野神社 ⇒会津若松市・白旗八幡神社⇒ 強清水⇒会津若松市・山神社 ⇒会津若松市・八幡宮 2020.08.03
⇐那須の狛犬スライド
狛犬を訪ねて36の3・③さくら市・八坂神社⇒さくら市・徳の宮神社 狛犬を訪ねて36の4・④さくら市・高尾神社⇒高根沢町・八幡宮
2020.09.01
高尾神社住所: さくら市上阿久津 1905。
この高尾神社もそうですがさくら市周辺には手彫りの狛犬が奉納された落ち着いた神社がかなり多く見られるように感じています。薄々、私の愛読している佐伯泰英の”吉原裏同心”(度々の参照ですが)の”枕絵”で江戸時代の鬼怒川河畔・阿久津河岸の繁栄ぶりを読んでいたのであるいはと思っていました。鉄道輸送時代以前の繁栄が懐の深い神社が多く見られる一因ではと素人考えで推測しているところです。
更に、江戸との繋がりは勿論ですが、奥州街道、会津西街道や原街道( 2 3 )を通じて白河や会津とも物流ルートやそれに付随した情報網が密接につながって居た事も大変興味深い事です。この事が、やがて鉄道輸送時代に移り行く明治から大正の小松寅吉の石像がこの地で見られる事や、昭和の野田平業のかなり多くの狛犬が見られる一つの遠因かもしれないなどと素人の的外れな推理を楽しんでいます。2020.09.01
大きな通りに面した二の鳥居の先の石段を上ります。木立に囲まれた坂の上と言う個人的に好みの佇まいの神社での楽しい一時を過ごせそうです。勿論誰一人、人影の見えない静かな神域です。2020.09.01
石段の参道の途中に手彫りの狛犬が奉納されていました。辺りは木々の緑が覆う薄暗い空間が広がっています。2020.09.01
鬼怒川の流れが近く、ご由来に書かれた内容がなる程と思わせてくれます。2020.09.01
拝殿から神社入口の石の二の鳥居と三の鳥居を見下ろしています。薄暗い石段の続く中程に石工・中山長谷吉が彫った大正12年(1923年)の狛犬が奉納されています。2020.09.01
右に置かれた阿像、約100年ほど前の石工に彫られた狛犬らしくシンプルな仕様がこれはこれで大変好ましく感じます。全体のバランスや曲線のカーブの彫などには手慣れた石工の造りに感じました。気張った気配を感じさせない穏やかな石像との楽しい邂逅です。阿像は左上から木の葉が顔を覆っています、全体の表情がはっきりと確認できないのは残念です。 2020.09.01
右の阿像から左の吽像を写しています。阿像の後ろからの姿が中々見応えがあります。
大正12年(1923年)の作です。石工名の中山長谷吉の名が刻まれていました。因みに、この後訪れた八幡宮で同じ石工の狛犬に出会う事になります。2020.09.01
左に置かれた吽像ははっきりと全体の表情を見る事が出来ました。結んだ唇の間から2本の牙が覗いています、この近辺の狛犬ではしばしば目にする意匠です。細部にこだわらず、大らかな彫が感じられる顔の表情も優し気で動きのある良い狛犬に出会いました。2020.09.01
大変嬉しい事に高尾神社の拝殿の前には二つの目の狛犬が奉納されていました。私にははっきりと区別が付きませんがもしかすると山犬の石像なのかもしれません。若干大き目の石像です。
右に置かれた阿像と推測されるシンプルな彫の石像、その表情にはそれ程の恐ろしさを感じさせません。2020.09.01
阿像の後ろから左の吽像を写しています。丸く巻かれた尻尾の形に愛嬌を感じます。
台座にはしばしば目にする伊勢神宮参内記念の文字が彫られていました。石工名は見つかりませんでしたが、大正8年(1919年)の文字が刻まれていました。2020.09.01
左に置かれた吽像と思われる石像。通常の狛犬の意匠に比べると随分と静かな姿でこちらを見つめていました。曲面の彫りに違和感を感じさせないこの石像を彫った石工の腕は中々の者ではないかと言う素人の感想が頭に浮かんできました。
高尾神社の参拝を終えて車を停めた大日堂に戻る事にします。小さな橋を渡る手前で左手に稲荷神社の赤い鳥居が目に入りました。
折角此処まで来たのでお参りをさせて貰う事にして、石段を登りました。2020.09.01
4号線を走って行くと、田圃の中の道を左折と言うカーナビの指示に果たして大丈夫かと不安を感じながら進んでいくと小山の麓に石の鳥居が見える場所に到着しました。広いスペースには小さな遊園地を備えています。
車も安心して止められる広いスペースが有りました。岡の斜面には神社への石段が見えます。石段の入り口には狛犬が奉納されているのもはっきりと見る事が出来ました。2020.09.01
天満宮の御由来が書かれた説明が見られます。各地に見られる天神様にはしばしば牛の像などが見られますが、この神社は極めて清冽で私には好ましく感じました。2020.09.01
お参りを済ませてから石段を下ります。実りの秋も間近な季節となり、眼下には見渡す限りの黄金色の田がひろがる心癒される風景が広がっていました。一面に広がる黄金色の田には花の飾りはかえって無粋かもしれません。暫く見惚れていました。2020.09.01
広いスペースに車を止める事が出来たので、お参りを済ませてからゆっくりと狛犬を見させてもらう事にします。右に置かれた阿像、顔の表情には微かに笑みを浮かべているようにも見えます、柔らかい風貌です。
右の阿像の後ろはかなり離れて置かれた左の吽像から写しました。あっさりした彫りながらバランスの取れた狛犬に見えます。
台座には牡丹が彫られています。年号と石工名を探しましたが、寄付した氏子の方々の名前と石工名の”中山長谷吉”がありましたが年号は見つける事が出来ませんでした。この”石匠・中山長谷吉”はこの八幡宮の前に訪れた高尾神社の一番目の狛犬を彫った石工と同じ人です。2020.09.01
県境の村の出発が、農産物の買い物にあわせた為にかなり遅くなってしまいました。このペースでは多分あと一つ、近くの神社で今日の那須の神社と狛犬巡りは終わりとする事にしました。2020.09.01
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