荒川のジョギング・中仙道から海まで物見遊山のジョギング(V)地図 
T・戸田橋出発 U・千住宿
2時58分、海まで来ました。葛西臨海公園の大観覧車、その先はデイズニーランドです
◎中仙道から隅田川のジョギング
2018年3月27日中仙道から海まで・桜巡り @ A B C
2017年3月28日中仙道から浅草 @ A B
@深川まで @T A深川まで AU  B海まで @T C海まで AU
◎荒川のジョギング 中仙道から海まで
@  A  B

土手をジョギングしながら桜の季節になったら何とか海まで行ってみたいと思っていました。荒川土手には所々海までの距離を書いた看板があるからです。

戸田橋の近辺に海まで27kmの看板があります。16kmは時々走っているので、途中歩きを入れたり休憩をしながら行けば何とか海まで辿りつけるのではないかと思えてきました。インターネットで調べると、殆ど往復している人が多く私とはスピードが違うようです。私はと言えば早く歩く人とほぼ同じで、抜かれる事はあっても走って人より先に出た事は皆無という体たらくです。時速6kmなら長く走れそうなので、無理をしないで、足が痛くなったら電車で帰ればよいと覚悟を決めて桜の咲きだした頃、晴天の3月30日に決行しました。

荒川の土手は足が途中少し痛くなって30分程歩いただけでほぼジョギングで行く事ができました。出発前の不安とは裏腹に思ったよりトレーニングが役だったようで問題なく走る事が出来たのには驚きました。出発点や千住・深川では恥ずかしくてジョギングは出来ません。この区間は休憩と見物を兼ねて歩く事で疲れをとる事が出来ました。

地図を見ていると土手の近くには千住があります。芭蕉が船で上陸した場所でもあり日光街道の入り口でもある千住大橋が隅田川に掛っています。それなら荒川土手から隅田川まで往復してみようと計画をたてました。更に地下鉄を利用すれば深川に出て芭蕉が出発した海辺橋、小名木川と私の大好きな江戸の物語に馴染みの場所に出る事が出来そうです。そして極めつけは深川で風呂に入れそうだと言う事でした。まさに物見遊山のジョギングです。

満開の桜を幾つも見て、芭蕉と江戸の面影を持つ町を散策、最後は深川で風呂に入って帰路に付きました。大きな達成感と盛り沢山の江戸の名残りに満たされた中仙道から海までのジョギングでした。地図の赤線の部分を辿りました。ジョギング部分が大よそ26km程度になります。戸田の渡し、千住、中川船番所、清砂大橋、深川、知り合いの家まで、と歩いた部分が大よそ13kmを少し超える程ではないかと思っています。2015.03.30

海へ
14:34、荒川の水面が大きく広がり出しました。海が近いようです。 14.38、葛西橋をくぐりました。

14:39、最後にくぐる清砂大橋の長大な姿が見えてきました。海まで走ってから、折り返してこの橋まで戻り対岸(荒川左岸)に渡るつもりです。インターネットで渡った人の帰路を見ると橋からの景色が大層素晴らしいそうです。

清砂大橋の下から最下流に掛る首都高速湾岸線の荒川湾岸橋が見えます。

 

14:40、海まで1kmの標識。海までは指呼の間になりました。

 

 

14:44、東京メトロ東西線と清砂大橋をくぐりました。ゴールは近いと思うと気持も足も快適になるようです。

14:46、くぐりぬけて来た東西線と清砂大橋を振り返り、走りながらシャッターを押しました。走りながら青い空、菜の花の黄色、白い橋が目に入ったからです。とろろと走る私を2人の人が追い抜いて海に向かって走り去って行きました。後ろ姿がぐんぐん遠ざかります。

 

14:50、海まで0kmの標識。あれほど待ち望んだ場所にあっけなく着いてしまいました。河原は葦の原で水面が見えません。先行した人はかなり遠くを走っています。私もこの道の最後まで行ってみる事にしました。2015.03.30

 

14:58、道が尽きました。柵で塞がれた道の先には海が見えます。大きな橋は首都高速湾岸線の荒川湾岸橋です。左に葛西臨海公園の巨大な観覧車が見えます。

その先がデズニーランドです。

果たして走りつけるかと不安を感じた事は全くの杞憂に過ぎなかったようです。思ったより大丈夫でした。途中で歩いて千住や中川船番所を訪れた事が休養になったようです。大きな達成感で心が満たされました。目的が叶った見知らぬ景色を心行くまで心に刻みました。

行き止まりの海に向かって左側に立派な船着き場がありました。災害などの折にでも使用するのでしょうか、新砂と標識には書かれています。 潮の香りです。景色も海の景色です。2015.03
 
 
15:04、これから渡る清砂大橋を見ています。随分と長い橋です。

15:06、これが船着き場です。立ち入り禁止になっています。名残りは尽きないのですが出発する事にします。土手に上がり清砂大橋を目指して走ります。景色を胸に刻み込むよう、ゆっくりと楽しみながら走りました。

15:14、土手の上の海まで0kmの標識。画像矢印で示した往路に見た青い標識と当然同じ直線状の位置にあります。後はうしろを見ないで清砂大橋を目指して最後の力を振り絞りました。橋のたもとに到着、ジョギングの終了です。橋に続く階段を登りました。2015.03.30

清砂大橋を渡り地下鉄東西線に乗る

15:24、清砂大橋を東岸に向かって歩いています。眼下には素晴らしい景色、川の対岸には葛西臨海公園の観覧車が見えます。右側の岸の先端まで走りました。土手に小さな白い看板が0キロポイントの表示だと思います。

荒川と中川放水路を渡る長い橋です。私は途中から橋に登りましたが、景色を見ながら15分〜20分で渡れるでしょう。

15:24、清砂大橋の表示。 15:27、大よそ橋の中間辺りです。左は車が走っています。対岸に見えるのは首都高環状線です。
15:25、右側の河原の先端まで道が続いています。行き止まりには柵があり船着き場があります。

15:27、、ほぼ橋の中間点近くに来ました。強風が吹きつけます。かなりの人が自転車で長大な橋を行き交っています。子供連れの人もかなり見られます。2015.03.30

15:49、地下鉄東西線の西葛西駅に到着。汗に汚れたウエアーが気になり座席には座りませんでした。 15:58、電車に乗るとあっという間に清砂大橋の脇を通ります。右手に目的地だった土手の行き止まりが見えます。門前中町で大江戸線に乗り換えます。
深川・海辺橋・採茶庵
東西線門前中町で乗り換え清州白河で降りました。清澄通りを門前中町方面、南に戻り仙台掘に掛る海辺橋に向かいます。16:20、海辺橋に付きました。仙台掘の両岸も満開の桜です。

仙台掘に掛る海辺橋から西側、隅田川寄りの桜を見ています。川面に桜が枝を伸ばしています。

南側の橋のたもとに芭蕉の弟子の杉風の別宅があったようですがそれを再現しています。

(村から街から別冊・そばの細道より)芭蕉が奥の細道に出立したのは、弟子の杉風(さんぷう)の持つ採茶庵です。3次・15年にわたり住んだ地は海辺橋より左側に進んだ、小名木川の北側になります。採茶庵の跡地と思われる仙台掘に掛かる海辺橋のたもとには、芭蕉像が清澄通りに面して建っています。後姿を清澄通の風景に入れ込んで眺めて見ると、まるで通りを行き交う現在の深川をじっと見つめている生きた姿に見えてきました。深川の街の生活と風景は奥の細道のゆりかごであったのだとの思いが更に強くなります。

16:20、仙台掘の満開の桜を背景に佇む芭蕉像。夕方の気配が芭蕉を覆っています。春の喜びと静寂、光と影が交差しています。

静かな一本桜も好きですが、街に何気なく咲く桜も好みです。町を流れる仙台掘の岸辺の桜を暫しの間眺めて芭蕉の出立を想像しています。桜の花見の宴のような見送りの人々との賑やかな語らい。そして今朝訪れた千住大橋での別れの風景を重ねて,芭蕉と曽良の姿を思い浮かべて見ました。

日暮が近いようです。小名木川を目指して清澄通りを北に向かいます。

小名木川と芭蕉稲荷

16:33、小名木川にやってきました。清澄通りから堤防脇の歩道に降りて満開の桜の下を歩きます。2015.03.30

狭い歩道の脇に咲く桜に枝を伸ばす空間は小名木川の川面にしか残されていません。満開の桜の花びらに枝をしならせながら枝が対岸の桜の景色と重なります。
江戸の物語に幾度も登場する小名木川に咲く桜は、物語を知る私には唯の風景には思えないのです。幾つかの物語が鮮明に蘇ります。
16:39、隅田川近くの水門までやってきました。行き止まりです。引き返して満年橋に向かいます。
 
16:43、万年橋にやってきました。何度訪れた事になるでしょうか。江戸の物語の人々も幾度となく通る橋です。2015.03.30 万年橋の北側に立つ芭蕉関係の案内図。此処は江戸の物語と芭蕉の物語が色濃く残された一帯なのです。
16:44、夕方がせまる川面に太陽の光が反射しています。大きな屋形船が上流を目指して進んで行きました。上流は浅草・千住になります。後ろの橋は清洲橋です。
光の中に屋形船が進んできます。浅草方面に向かうのでしょうか。私も何時までも隅田川に見惚れているわけにはいきません。万年橋を渡り芭蕉稲荷に向かう事にします。
小名木川川番所跡の案内板です。海までの道の途中訪れた中川船番所跡との関連が分かる興味深い説明でした。
 
16:46、万年橋北詰を左折すると赤い旗が見えます。芭蕉稲荷です。小さな稲荷社に立つ芭蕉庵跡地の説明板の横の赤い箱に入っているスタンプを押しました。この地で作られたと言われる古池や蛙とびこむ水の音。稲荷社から30m程隅田川寄りにある資料館は既に閉まっていました。芭蕉の座像が見られます。

6:46、小さな社でお参りをしました。中仙道から千住海までの旅の無事を感謝しました。

芭蕉稲荷の周囲の様子が以前と全く異なっていました。綺麗な駐車場になっていました。2015.03.30

狭い芭蕉稲荷の中に立つ説明板です。写真左下の赤い箱にスタンプがあります。深川で3次の芭蕉庵があったと記憶していますが間違っているかもしれません。#teien

芭蕉記念館分館・史跡庭園が4時半を過ぎていて閉まっていました。そこでコンクリートの堤防を乗り越えて隅田川の遊歩道に出て見ました。隅田川が広がる爽快な場所です。右が上流になります。

左は下流で清澄橋が見えます。大きな屋形船が小名木川との合流点に近付いてきました。

16:53、水上バスが浅草を目指して遡ります。見える橋は新大橋です。その先に少し前に訪れた千住大橋があります。芭蕉出立の水路が目の前にあります。そろそろ旅の終わりです。締めくくりに深川で銭湯に入る事にします。
常盤湯の入り口。下駄箱があります。入浴料は¥450でした。 17:31、常盤湯を出て地下鉄新宿線・森下駅に向かいました。

17:01、以前江戸時代の物語に登場する既に埋め立てられた六間堀の跡を探して裏道を歩いた記憶があります。たしかその時目に入れておいた常盤湯にやってきました。幼い頃に入った風呂屋がそこにありました。高い煙突・豪華な屋根、早速暖簾をくぐりました。内部は大層立派で鯉の泳ぐ池まであります。浴槽はぬるい、普通、熱いの3つに別れています。純粋な江戸っ子でも深川っこではないので左の狭いぬるいお湯に入りました。熱い風呂に一人の人が入りました、感心して見ているとあっという間に出てしまいました。さぞかし熱いのでしょう。

ぬるい湯につかりながら江戸の物語の人々の風呂に入る情景のあれこれを思い出しています。深川の風呂に入ればそれらの物語も俄然活き活きとした動きと共に蘇ります。登場人物の一人になった気分です。旅の最後に年来の深川で銭湯に入る夢が叶いました。17:29、常盤湯の外に出ました。既に夕闇が迫ってきます。知り合いの家で着替えを持って待っている家人の元に戻る事にします。地下鉄新宿線の森下駅に向かいました。既にラッシュの時間で駅は混雑しています。

長い一日、そして素晴らしい思い出が凝縮した一日でした。中仙道から海まで、物見遊山のジョギング終わり。

 
04/17/2021
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