埼玉県の江戸の狛犬・川口市三つの氷川神社の狛犬⑤  
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川口市・赤井氷川神社・天保6年(1835年・乙未) (禁)無断使用

2018年11月13日、土手のジョギングからの帰路また川口市の狛犬巡りをしました。素晴らしい江戸の狛犬と小山の上に神社がこれ程見る事が出来るとは想像もしていませんでした。2018.11.13

川口市の狛犬巡り順路:①掲載分・川口神社⇒②掲載分・元郷氷川神社朝日氷川神社八幡木八幡神社③掲載分・戸田市・下戸田氷川神社⇒川口市・前川神社⇒④掲載分・川口市・春日神社(酒井八右衛門)

埼玉県の狛犬マップ参照ください。

東京の狛犬を訪ねだした最初の頃浅学の私は狛犬は江戸に多くがあると誤解していました。その後、北区の狛犬日光御成街道沿いの素晴らしい江戸の狛犬を見てはたと思いました。この先の隅田川上流を超えた御成街道筋に同じような狛犬が見られるのではと・・・2018年10日9日、御成街道の街・川口市の神社を訪ねて見ました。まさに大当たりでした。外連味のないすっきりした狛犬が数多く奉納されていました。

埼玉県の狛犬スライド 日光御成街道やその脇街道の街には嬉しい事に江戸の狛犬がかなり残っています。無駄な飾りを省いた粋な江戸の職人らしい(地元の石工を含めて)狛犬が多く見られるのも大変嬉しい事です。◉ 埼玉県の狛犬マップ

 
川口市・上青木氷川神社

上青木氷川神社住所:川口市上青木 2丁目-27。 神社は大きな通りに面していてカーナビに従って走っていくと簡単に見つける事が出来ました。境内を見ると参詣の人は見えませんが車が2台止まっていたのでその隣に止めさせて貰いました。社務所も閉まっていました。

川口神社から元郷氷川神社を訪ねました、お祭りの準備が始まっているようで駐車場に車を入れる事が出来ませんでした。拝殿でお参りをさせて貰ってから狛犬を見る事にしました。嬉しい事に、台座にははっきりした彫りで天保12年の年号が彫られていました。残念ながら石工の名前は見つかりませんでした。奉納した人の名前に”下谷千束”の文字を見つけて、2018.02.13、その千束にある吉原周辺の物語”たけくらべ”と”吉原裏同心”の地を訪れた折りの事を懐かしく思い出しました。2018.11.13

川口市・上青木氷川神社
台座は古そうなのですが、狛犬はしばしば目にする現在の岡崎式のようです。この狛犬はやや大型、尻尾の部分にボリュームがあるので安定感を感じます。時折ニンジン程の小さな尻尾が付いたアンバランスな岡崎式を目にしますが、この石像は釣り合いが取れているようです。2018.11.13

台座には明治42年遷宮式執行と”xxx下谷本町”と推測される地名と”石工・利吉”の文字が見られます。これらから推測するに、明治12年に奉納された先代の狛犬が壊れてしまって台座だけが残ったのではないかと思われます。

そこに新しい岡崎式の狛犬を奉納したのではないかと思われます。何処かに古い狛犬が置かれているのではと境内を探しましたが前年ながらありませんでした。2018.11.13

上青木氷川神社の御由来によればかなり古くからある神社のようです。
幾つかの境内社の内最も大きな”天神社”。
熊野神社、八雲神社、琴平神社、稲荷社等の神社が奉らています。2018.11.13
川口市・赤井氷川神社

赤井氷川神社住所:川口市赤井488。駐車場がありました。

車での神社巡りではグーグル・マップでの駐車場所の確認が欠かせません。初めの頃はそれが分からず、細い道に入り何度か車をぶつけた事があります。それでも、例えグーグル・マップで調べてもその場に立たないと分からない点が多々あります、それが一番の心配です。

今回の赤井氷川神社は太い通りにこの写真の鳥居があったので直ぐ見つけられました。有難い事に鳥居の左には参拝用の駐車場まで用意してくれていたので安堵しました。焦る必要はありません、ゆっくりと参拝することが出来ました。

赤井氷川神社・明治34年(1901年)狛犬

入り口の鳥居の後に嬉しい事に古そうな狛犬が見えます。駐車場の心配がないのでゆっくりと見させてもらう事にします。

穏やかなやや小型の狛犬、右に置かれた阿像と思われます。このようにバランスが取れた造形は違和感を感じずに鑑賞する事が出来ます。

江戸の狛犬の雰囲気を感じながら台座を見ると明治34年(1901年)と刻まれていました。100年以上氏子の人達に守られてきた狛犬と言う事になります。石工の名前は残念ながら見付ける事は出来ませんでした。獅子山上の石組の上に乗った狛犬です。

左に置かれた吽像、こちらも目付きが優しい印象を受けます。氏子の人に注連縄を飾られて嬉しそうです。

拝殿の石段を上り下りしながら運動をしている人が見えます。私たちもそちらに向かう事にします。

赤井氷川神社・天保6年(1835年・乙未)狛犬

石段を登りだすと嬉しい事にもう一つ拝殿の前に狛犬が奉納されているのが見えます。

期待しながら石段を登ります。お参りをさせてもらってから早速狛犬を見させてもらう事にします。

嬉しい事に素晴らしい彫の江戸時代の狛犬でした。流れるような毛の曲線の彫り、顔の豊かな表情、名の知られた石工の作品ではと思わせる出来栄えです。残念ながら石工の名前は見つける事が出来ませんでした。

後からの姿にも目配りが行き届いています。三段に重ねた台座の角も綺麗に面取りを行った手の込んだ仕事に見えます。”江戸南伝馬町三丁目 海老屋文藏”と彫られた名前は奉納した人の名前と思われます。江戸南伝馬町三丁目は現在の中央通りに面した京橋の明治屋の近辺の事のようです。川口市の善光寺が江戸の人々の参詣で賑わった話を読んだ記憶があります、又戸田市川口市の神社でも江戸の人々が奉納した狛犬をいくつか見ている事もありこの江戸の人が奉納した狛犬もなるほどと思いました。

左に置かれた阿像、彫りと全体のバンスが取れた良い狛犬に見惚れています。所謂、子取りと言われる狛犬の意匠ですが足先の形がかなりユニークです。そして全くの素人の印象ですが川口市安行の春日神社の狛犬にどこか似ているように感じています(とんでもない勘違いでしょうが)。2018.11.13
拝殿の横に沢山の境内社を祀った社がありました。余りにも多くどれがどの神様か分かりません。2018.11.13

今回も川口市で素晴らしい狛犬と神社に出会う事が出来ました。戦災でかなりの神社が焼失した東京よりこの一帯にかなり良質な江戸の狛犬が残っているように思えます。

川口市と戸田市は江戸に近かった事やそれだけの経済力が備わっていたことで腕の良い石工に狛犬を依頼できたのではないかと思いました(素人なので間違っているかもしれません)。2018.11.13

拝殿はこの参道から小さな鎮守の森の中に登った場所にあります。登る行為を伴った神社での祈りは私の好むところなのです。素晴らしい狛犬を二つも見る事が出来た事も幸運でした。

神社に頭を垂れてお礼を申し上げました。2018.11.13

川口市・東本郷氷川神社

東本郷氷川神社住所:川口市東本郷1249。

東本郷氷川神社はバスも通る賑やかな通りに面してありました。それだけに車を止める場所が見つかりません。横道に車を入れて家人を残して駆け足で狛犬を見て、参拝をさせてもらいました。2018.11.13

狛犬は普通のサイズで、阿吽が逆の位置に置かれて居るように見えます。新しいタイプの狛犬でした。

気が急くのでお詣りも石段の下からさせてもらいっ手大急ぎで車に戻りました。車での参拝はかなり難しいかもしれません。2018.11.13

川口市の狛犬もそれ程残っては居ないだろうと思っていたのですが、今回も素晴らしい江戸の狛犬と出会うことが出来ました。今回の僥倖は、グーグル・マップでの狛犬探しでもしかするとまだ私が見た事のない江戸の狛犬に出会えるかもしれないと言う、一縷の希望を抱かせてくれました。2018.11.13

川口市の狛犬⑤
02/22/2019
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