街の狛犬江戸の狛犬・新河岸川沿いの狛犬⑦川越市№2 街の狛犬江戸の狛犬トップ
     
 

川越氷川神社摂社柿本人麿神社狛犬・享保三年(1718年)推定()転用

2019年2月12日19日週一回の土手のジョギングからの帰路、川の反対側から分岐して流れる新河岸川沿いの街の狛犬を訪ねて見る事にしました。そして2月25日又その先を訪ねる事にしました。

日光御成街道沿いの川口市で思いもしない素晴らしい江戸の狛犬を沢山見る事が出来た事がそう思ったきっかけです。江戸時代、江戸の隅田川・箱崎河岸から川越までの物資や人を運んだ(人は上流の浅草・花川戸河岸)川越舟運(しゅうん)の道筋である新河岸川沿いの街ならもしかしたらと思ったのです。明治の作ながら迫力のある素晴らしい彫りの下鶴間氷川神社獅子山と村社・針ヶ谷氷川神社の江戸の狛犬(共に新河岸川沿いの富士見市の神社)の印象が強く残っていた事もあります。

因みに、川越舟運の話は私の愛読する本の一つ佐伯泰英の鎌倉河岸捕物控の中の第4巻”暴れ彦四郎”にも出てきます。川越を訪れる為に船に乗った主人公の一人”しほ”の描いた不思議な人物の姿から事件が解決に向かいます。”しほ”が川越藩に関係することからこの物語にはしばしば川越舟運が舞台に登場します。2019.02.25

2019年2月25日の新河岸川沿いの狛犬巡り掲載分順路
①志木市・下の宮氷川神社天神社宿氷川神社 ②志木市・羽根倉浅間神社館氷川神社水子氷川神社敷島神社 ③富士見市・上水子ノ氷川神社(貝塚公園)⇒諏訪神氷川神社 ④富士見市・上南畑神社阿蘇神社  ⑤富士見市・榛名神社⇒ふじみ野市・八幡神社 ⑥川越市・羽根倉浅間神社(志木市・2回目)⇒川越八幡神社愛宕神社  ⑦川越市・仙波氷川神社川越氷川神社

2019.02.25

埼玉県の狛犬スライド 

日光御成街道やその脇街道の街には嬉しい事に江戸の狛犬がかなり残っています。無駄な飾りを省いた粋な江戸の職人らしい(地元の石工を含めて)狛犬が多く見られるのも大変嬉しい事です。◉ 埼玉県の狛犬マップ

 
2回目の志木市・羽根倉浅間神社参拝

2019年2月25日、週一度の土手のジョギングに出かけました。帰路は走りながら良さそうな花を見つけると土手を降りて菜の花と枯れた野草の茎を摘みました。春のような陽気です。ナップザックに丈の長い菜の花を背負って走るので人目に付かないかと気が気ではありませんでした。

走り終えて駐車場に戻ってから、ここまで来たのだからと橋を渡って先週訪ねた川向こうの羽根倉浅間神社を再度見て見たいと思いました。 前回見落とした獅子山の年号を探してみたいと思ったのです。天気予報では雨と言われていましたが日差しが差す日和です。車で10分も走れば羽根倉浅間神社まで行けるのです。2回目の羽根倉浅間神社になります。

2回目の羽根倉浅間神社は天気も良い事もありゆっくりと狛犬の年号を探しそれらしいものが見つかりました。すっかり気を良くして余りも遠いのと、観光地だという事で躊躇していた川越市の神社に行って見る事にしました。2019.02.25

川越市・仙波氷川神社
仙波氷川神社住所: 埼玉県川越市仙波町4丁目19−1。仙波河岸史跡公園(川越市仙波町4丁目21−2)から通りを左に進むと16号線を潜るガードがあります。それを潜ると右に登る仙波氷川神社への道があります。少し登ると16号国道に出て更に階段を進むと僅かで氷川神社の境内に出ました。駐車場からは5分程です。2019.02.25

かなり広い境内です。後が16号国道、先程参拝した愛宕神社は右手になります。

境内の右手には小山があって、古墳のあった場所のようです。

古墳の有った小山の上から境内を見ています。本殿の右手に稲荷神社が祀られています。2019.02.25
仙波氷川神社・狛犬 昭和14年(1939年)・石工 中田竹(?)次郎

前回見たふじみ野市・八幡神社の昭和10年の狛犬もこの氷川神社の狛犬と似た所謂岡崎式と呼ばれる現在最も一般的な意匠に極めて似ています。この辺りでは昭和10年代からこの意匠の狛犬が造られていたのかもしれません。平成の同じ意匠の狛犬に比べると彫はより個性的に見えます。2019.02.25

阿像から吽像を写しています。大きさは若干大き目に見えます。石工の人の名前を中田竹(?)次郎と推定しましたが”竹”の文字はかなり潰れていて確かではありません。2019.02.25

 
川越市・川越八幡神社

川越氷川神社住所:川越市南通町19−3

グーグル・マップでは駐車場の存在が不明だったのですが、神社までやってくると幾つかの駐車場がありました。16号沿いにあるJA農産物販売所・あぐれっしゅ川越店に隣接した観光客用無料駐車場に車を止めて歩いてやって来ました。川沿いの道を10分も散歩しながら歩くと左に大きな鳥居が見えてきました。

境内は人力車こそ走っていませんが浅草状態で、貸衣装の和服姿の女性で一杯でした。まるで縁日のような様子なので写真を撮ると画面に入ってしまうので狛犬だけを写すことにしました。2019.02.25

柿本人麿神社狛犬

柿本人麻呂を祀る摂社が境内の片隅にあります。その前に古そうな狛犬が置かれていました。

そこだけは、訪れる観光客もいません。ゆっくりと狛犬を鑑賞することが出来ます。2019.02.25

ウイキペディアによれば柿本人麻呂は人麿とも”人丸”とも表記されると書かれていました。拝殿の前の説明板ですが、”人丸”のダジャレの如きこじつけを見て頬が緩みます。日本の神様の融通無碍な寛容さに甘えているような気がして罰でも当たらなければと心配です。2019.02.25

川越氷川神社摂社柿本人麿神社狛犬・享保三年(1718年)推定

右に置かれた狛犬は少し口を開き気味なので阿像と思われます。大きさは標準的です。

かなり経年による摩耗が進んでいるようです。加えて、本来の彫りも古い狛犬らしくかなり簡素なのでおとなしい雰囲気を醸し出しています。板状の台座ですが、経年でオリジナルとは異なるかもしれません。

足下に玉を押さめた所謂玉取りの意匠です。2019.02.25

参拝の人の途切れた時を待って阿像から吽像を写しました。位置関係や台座なども最初の状態と少し違っているかもしれません。

全体の姿に違和感がありませんがかなり簡素な彫です。2019.02.25

狛犬の腰の部分に奉納者と年号らしき文字が見えます。奉納者の名前の間に”江戸”の文字が見られその下に町名が彫られていたと推測されます。江戸の狛犬の可能性が高いと推測しました。

”享保”と”三”の文字はかなりはっきりと見えるので年号は”享保三年”ではないかと推測しました。享保は21年までなので三の下に更に二桁目の数が来ることは無いと思われます。又、その下には享保三年の干支の”戊戌”(つちのえいぬ)下の字の戌の左側部分厂の部分らしい文字が見えます。

江戸で一番古いと言われる目黒不動の 狛犬(承応3年・甲午・1654年)に比べてもかなり古い狛犬が奉納されて居る事になりそうです。今回も、狛犬を見られただけでも幸運なのですが、年号を推測する楽しさを味合わせてもらいました。享保三年(1718年)と推測させてもらいましたが、間違っている可能性が高い事をお許しください。2019.02.25 

左に置かれた吽像と思われる狛犬です。こちらも経年でかなり摩耗していますが優し気な顔の表情は見て取れます。江戸の狛犬らしいことは素人の感で推測できますが果たして事実はどうでしょうか。2019.02.25
護国神社の狛犬

摂社として祀られている護国神社に小型の狛犬が奉納されていました。かなり遠いのではっきりと見る事が出来ませんでした。

拝殿でお参りをして早々に車を止めたJA農産物販売所に戻る事にします。2019.02.25

 

川越氷川神社から車を止めたJA農産物販売所までは川沿いの静かな道を辿ります。神社の喧騒から静かな道に出てほっとしました。川ではカモが餌を探して水の中に時折首を突っ込んでいます。街の中にも自然が残っているようです。

神社から5~6分で16号国道に出ました。16号を渡ると農産物直売所に戻れます。

 
 
川越市・あぐれっしゅ川越店
あぐれっしゅ川越店住所: 農産物直売所:川越市城下町42−5。JAの農産物直売所で観光用駐車場がありました。

グーグル・マップでは確定出来ませんでしたが、行って見ると氷川神社には駐車場があった事が分かりました。かなり混雑するかもしれないのでこの産物直売所にある観光客用駐車場に止めて正解だったかも知れません。珍しい八つ頭が売っていたので、ネギ、ブロッコリーと合わせて買いました、かなり美味しい野菜でした。

かなり長い帰り道となりそうです、急いで駐車場を出る事にしました。2019.02.25

新河岸川沿いの狛犬を訪ねる旅は一応北側の終点の川越に到着しました。ジョギングが終わってからの行程としてはかなり長く、若干無理があるようです。

次回からは久し振りに未だ私にとっては未知の江戸石工の作った狛犬が見られる板橋区や東京の西部を少し訪ねて見る事にしようと思っています。私の狛犬巡りは多くが所用の行き帰りやそのついでになるのでどれ程回る事が出来るか・・・、最も一度に多くの狛犬を見てしまうと楽しみがなくなるのでそれはそれで良しとしなくてはなりません。2019.02.25

新河岸川沿いの狛犬
⑦川越市№2
02/05/2020
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