狛犬を訪ねて№40・山形県桜回廊 ①長井市の狛犬 ②へ
長井市豊里神社狛犬・岩崎興三郎刻・昭和2年(1927年)()無断転載

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狛犬を訪ねて№40・山形県置賜桜回廊の狛犬①長井市の狛犬 

狛犬を訪ねて#40・山形県置賜桜回廊:2021年4月19日、久し振りに置賜桜回廊を訪ねる事にしました。朝日連峰の雪山を背景にした推定樹齢数百年(1,000年に近いという伝承もある桜もありますが)の一本桜が次々と見られる場所です。

街の近くではお目にかかれない日本の桜の風景を存分に堪能した一本桜の旅の途次、雪深い北国の神社を巡り狛犬に出会うという望外の幸運に恵まれた旅でした。街からの旅の行程は910km程になりましたが全く苦にならない旅でした。2021.04.19

置賜桜回廊マップ

置賜桜回廊マップは巨大な一本桜と狛犬を訪ねた神社が一緒に掲載されています。⛩の印が付いた地点が訪れた神社です。尚、フラワー長井線荒砥駅近くの八乙女八幡神社(山形県西置賜郡白鷹町荒砥乙)のみはで表示されています。下記の置賜桜回廊順路をご参照ください。

狛犬を訪ねて№40・置賜桜回廊の狛犬①・長井市 豊里神社総宮神社
狛犬を訪ねて№40・置賜桜回廊の狛犬②・白鷹町 八乙女八幡神諏訪神社川西町・八幡神社

◎置賜桜回廊掲載順2021.04.19

東北中央道・米沢北IC⇒米沢市・塩野毘沙門堂伊佐沢の久保桜最上川草岡の大明神桜白兎の枝垂れ桜薬師桜
釜の越桜十二の桜山口奨学桜
子守堂の桜後庵の桜称名寺阿弥陀堂の桜殿入り桜  別稿・置賜桜回廊の狛犬・八乙女八幡神社
山形県長井市・豊里神社

豊里神社住所:山形県長井市時庭 。東北道から分岐する東北中央自動車道・米沢北ICを下りて今回の置賜桜回廊で一番最初に訪れる推定樹齢1200年と言われる伊佐沢の久保桜に向かっています。久保桜への道の途中に鎮座する山形県長井市の冨里神社に立ち寄り旅の無事を祈る事にします。2021.04.19

最初に参拝をする豊里神社は広い2車線の道路脇に鎮座していて迷うことなく辿り着く事ができました。旅の幸先としては大変な幸運です。境内には車の止めるスペースもあり安心して参拝ができそうです。

2021.04.19

豊里神社の御由来、しかとは分かりませんが肥沃な地を生み出した大河の最上川が流れるこの地では大きな水害に遭遇したであろうことが推測できます。

綺麗に清掃がされた佇まいの神社で心静かに参拝をさせて貰いました。2021.04.19

新しそうな豊里神社の扁額が奉納された拝殿の鈴を鳴らして旅の無事をお願いしました。参拝を済ませて思い出に残る旅ができそうな予感が高まってきます。2021.04.19

長井市豊里神社狛犬・岩崎興三郎刻・昭和2年(1927年)

何度か置賜桜回廊を訪ねていますが、今回初めて神社を参拝して境内に奉納された狛犬を見る事ができました(もっとも以前は狛犬に興味が無かった事もあります)。

右に置かれた阿像は口に玉を加え足下にも玉が置かれた大変珍しい意匠の玉取りの狛犬です。彩色が施されて100年前の石像としては状態がかなり良好です。

尻尾の形などは江戸の狛犬の影響が出ているような印象を受けました(違っているかもしれませんが)。

鼻の穴の作りが見慣れた狛犬比べてかなり特異です。彫りがシャープで当時かなりの腕の石工の人がこの地にも居た事の証にも見えます。2021.04.19

左に置かれた吽像の後ろから阿像を写してみました。重量感を感じさせる狛犬です。2021.04.19
左に置かれた吽像と思われる狛犬も右の阿像と同じく玉取りの意匠で彫られています。境内の桜の花が満開でした、更にその先は山並みが背景です。街の狛犬巡りでは出会えない心落ち着く日本の風景に出会いました。2021.04.19

台座の裏面には奉納した年月日・奉納したした氏子の方の名前と”長井町(現長井市)小出・岩崎興三郎”の石工名が彫られています。年号の慶応2年(1865年)は奉納した方の生年月日と思われます。

台座の横には昭和2年(1927年)の文字が見られる事からこれが狛犬の彫られた年月と推定しました。約100年前の狛犬と思われます。2021.04.19

静かな境内には私達だけです。狛犬の周りを回りながらをじっくりと鑑賞させてもらいました。再度頭を垂れて久保桜に向かう事にします。2021.04.19
拝殿の前に奉納された狛犬から神社入口の鳥居を写しました。車は鳥居の脇から境内に止める事ができたので大助かりでした。2021.04.19
長井市・總宮神社

午前9:30、樹齢1,200年と言われる伊佐沢の久保桜を訪れた後、最上川を右岸から左岸へと渡り長井市内の中心部にある総宮神社を訪ねる事にします。

雪解け水が河原を覆い尽くして最上川が大きく膨れています。それ程標高が高いとも思えない山の頂き周辺には未だ雪が残っていました。北国に来たという旅愁が湧いてきます。2021.04.19

總宮(そうみや)神社住所:長井市横町14−24。カーナビの指示に従い長井市市街地を通る2車線の県道253線を走っていると大きな木の鳥居が道路沿いにありました。長い参道の先に神社が見えたので、恐る恐る鳥居を潜り車を参道の脇に止めさせて貰いました。山形県長井市横町14−24。2021.04.19

二の鳥居の先の拝殿の前には三の鳥居が見えてきました。参道の脇には人家が見られます。
2021.04.19

荘厳な神社の神域が木立の間に広がっていました。この辺りにも車が止められるようですが確かではありません。下記の案内板によると鳥居の左右に見られる二本の杉は直江兼続が植えたと言う伝承の所謂直江杉と思われます。2021.04.19

長井市も米沢の上杉氏の所領であった事を初めてこの案内板で知りました。上杉景勝の時代に植えられた杉が案内図によれば九本程見られるようです。

私は県道253線の一の鳥居方から矢印方向(加筆しました)拝殿前の三の鳥居に向かって歩いて来ました。上の拝殿の画像の三の鳥居の両脇の杉は所謂直江杉だと推定されます。2021.04.19

藤沢周平の小説”密謀”(新潮文庫)で知る直江兼続の足跡に触れる事が出来た事は思いもよらない大きな幸運です。かっての領地であった会津から白河方面に掛けての一帯には多くの上杉景勝と直江兼続の物語の舞台を見る事が出来ます。

かって、密謀の本を片手に其の地を巡った事を懐かしく思い出しました。直江兼続の物語は1600年代のものですが、果たして500年程生きた杉の幹がこれ程のものなのかとも思いました。2021.04.19

 

縄がが巻かれた三の鳥居脇の直江杉を写しています。雪深いこの地で命をながらえて来た杉の木は唯の植物には見えません。まさに神社の神域に相応しい風格が感じられました。2021.04.19
荘厳な拝殿で旅の無事をお願いしました。嬉しい事に参道脇には狛犬が奉納されていました。2021.04.19
浅学の私にはこの意味がわかりませんが、神社の扁額ですがお寺の山号ような名前が刻まれていました。頭を垂れて無心に祈りました。2021.04.19

長井市総宮神社狛犬・昭和7年(1932年)

拝殿の前に奉納された狛犬は作りの良い石組の上に置かれていました。右に置かれた阿像、大きさはほぼ通常のサイズにみえます。台座には牡丹らしき花が彫られています。繊細な作りより朴訥や穏やかな印象を受ける石像です。口には細長い松ぼっくりの実らしきものが見えますが、参拝の方が奉納したのでは思います。

2021.04.19

心安らぐ神域で私には初めて目にする桜地域の狛犬の姿を楽しく見させて貰っています。やはり見慣れた福島県中部から栃木県南部の狛犬とは異なる独特の雰囲気を醸し出す石像に出会って幸運でした。2021.04.19

左に置かれた吽像、やはりシャープな彫りと言うより穏やかでのんびりした表情が感じられる石像です。台座には右の阿像と同じく松ぼっくりの実らしきものが奉納されていました。2021.04.19

台座には奉納されたと思われる昭和7年(1932年)の文字が刻まれています。下段のお名前は当時の職人の気質から考えて多分奉納された氏子の方のものだと思われます(個人的な推測ですが)。 2021.04.19

総宮神社に隣接する遍照寺に向かって歩いてみました。馬頭観音の標識が掛かった鐘撞堂の先を曲がって遍照寺の裏に回って見ました。2021.04.19
白い花弁の墓守桜が花を咲かせていました。薄暗い墓地の中で灯りが灯ったような桜の花を見ました。2021.04.19

総宮神社に戻り参道を車を停めた場所まで歩きます。参道の脇に斑入りのツワブキが群生しています。私の知る斑入りの彩はこれ程派手ではありません。驚くほどの大きな黄色の模様が目立つツワブキです。2021.04.19

久し振りに訪れた置賜桜回廊、東北道から東北中央道に乗り継ぐ事が出来たお陰で思ったより県境の村からは近く感じました。お陰で気持ちにゆとりが出来た事からただでさえ贅沢な置賜桜回廊の桜を見る途次、静かな神域を参拝する望外の幸運を楽しむことが出来ました。心に残る思い出深い旅となりました。2021.04.19

06/05/2021
 
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