狛犬を訪ねて№39・須賀川市~郡山市
①須賀川市の狛犬 
    
八幡神社狛犬・明治5年(1872年)・小倉村 石工 遠藤庄左エ門()無断転載

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狛犬を訪ねて№39白河から那須の狛犬①白河市の狛犬 

狛犬を訪ねて#39・須賀川市~郡山市:2021年2月28日、今回の東日本大震災の大きな余震の被害が不明で気にはなっていたのですがコロナの状況もあり逡巡しながら県境の村にやって来ました。数日前に村の知り合いに建物の周囲を見て貰った報告では、大きな被害は見られないとの知らせを受けていたのですが、確認するまでは油断が出来ません。

満月の輝く夜、恐る恐る家の電気にスイッチを入れてみました。一見して破損や落下は見られず安堵しました。大きな安堵のあと細部を検証すると食器棚から数個のガラス・カップや湯のみが落下して破損しているのが分かりましたが思ったより小さな被害です。後は懐中電灯で外回りを検査したところ、石灯籠が1個、上部が落下していました。

年末、凍結で破損した風呂のボイラーに水を通す為に井戸の電源を入れてみました。二つのボイラーからの水漏れも無く温水が出てきて、地震発生時からの心の重圧が一気に解放されて安堵しました。夜の高原の村は昼かと思うほどの月光が辺りを浮かび上がらせ夜空には星が眩しい程に輝いていました。2021.03.01

地震の被害が案じていたほどの事も無かったので、翌3月1日、人に出会う事のない神社なのでその内の幾つかを訪ねて参拝させてもらう事にしました。近頃暫く訪れていなかった福島県の狛犬を訪ねるべく北上することにします。今回は、須賀川市の東部・水郡線に沿って神社を辿る事にしました。

この道は芭蕉の奥の細道と交差する私には思い入れのある場所です。元禄二年(1689年)旧暦の4月29日、芭蕉と曽良は7日間滞在した須賀川を発って、乙字ケ滝を経て八流の滝を見ながら田村神社に詣でます。私も同じく田村神社を目指して北上する事にします。今回の神社巡りでは、結局お一人の境内を清掃していた氏子の方にお会いしただけでした。

須賀川市の狛犬スライド

狛犬を訪ねて39の①・須賀川市 鹿島神社八幡神社古峰神社
狛犬を訪ねて39の②・須賀川市 蟇目(ひきめ)鹿島神社菅舩(すがふね)神社
狛犬を訪ねて39の③・須賀川市 塩田・菅舩神社菅布禰(すがふね)神社
狛犬を訪ねて39の④・郡山市 田村町・駒形稲荷神社田村町・田村神社
狛犬を訪ねて39の⑤・郡山市 安積町・妙見神社安積町・三渡神社
狛犬を訪ねて39の⑥・須賀川市 白旗神社鹿嶋神社

須賀川市・鹿嶋神社

鹿嶋神社住所:福島県須賀川市小作田宮下 。今日の最初の神社は、狛犬の有無の確認がグーグル・マップからはできませんでしたが、須賀川市の鹿嶋神社を参拝する事にしました。2021.03.01

神社拝殿の後方の道路のスペースに車を停めさせて貰いました。那須連山にしては少し山容が異なる気がしますが青空の中に雪の峰が望まれました。

2021.03.01

拝殿の後ろから回り込んでかなり長く静かな参道を一の鳥居まで歩いてみました。入り口には大きな石灯籠が置かれていますが、狛犬は見当たりません。2021.03.01

長い参道を拝殿まで戻る事にします。木漏れ日が斑な影を作る拝殿は静まり返っていました。2021.03.01

拝殿で今回の神社巡りの無事を祈念して参拝をさせて貰いました。次の須賀川市下小山田・八幡神社に向かいます。2021.03.01

須賀川市下小山田・八幡神社
八幡神社住所:須賀川市下小山田山田467。神社入口に建つ一の鳥居は太い通りの脇にあるので直ぐに分かりました。辺りを見渡しても車を停めるスペースが無いので、鳥居の下まで車の頭を入れて止めさせて貰いました。神社の様子が一の鳥居からは見通せません、果たして狛犬が見られるか不安です。2021.03.01

一の鳥居の前からは雪をかぶった山並みが目に入りました。私の推測では那須連山はではないかと思われます。

左端には那須茶臼岳、その右には朝日岳らしき山容が見えます。そうだとすると右手の高い峰は旭岳ではないかと推測しています。2021.03.01

 

一の鳥居から拝殿は全く見えません。かなり延々と続く参道を辿ると2本程の生活道路が横切っていました。参道は緩やかに登って行きます。
2021.03.01

果たしてこの道は神社に通じているのかと不安を感じる頃、杉木立の続く参道の先にやっと本殿の屋根が見えてきました。2021.03.01
最後の石段の脇に小型ながら一見して見応えのある古そうな狛犬が置かれていました。2021.03.01
狛犬を早く見たい気持ちを押さえながら小山の中に鎮座する静かな拝殿で参拝をさせて貰いました。どうも、今回の神社巡りではかなり細い道を車で辿る事が推測されるのでその無事もお願いしました。2021.03.01
長い参道の奥まった静寂に満ちた神域に身を置いてお祈りをさせて貰いました。何時も乍ら心落ち着く至福の一時を感じています。勿論誰一人この神域には人影はありません。2021.03.01

八幡神社狛犬・明治5年(1872年)・小倉村 石工 遠藤庄左エ門

お参りを済ませてから狛犬の前まで戻り何度も周りを回りながら見させて貰いました。

全体の造形に若干アンバランスな感じもしますが、小型の石像ながら細部の彫りは熟達した腕の冴えが見れらると思いました。右に置かれた阿像は玉取りの意匠で牡丹まで彫られていました。

毛の彫り、牡丹の彫りなどはかなり緻密な彫りが施されていました。もしかすると大きく開いた口は経年による何らかの劣化が見られるかもしれません。歯等が彫り込まれていたのかもしれません。

2021.03.01

差し込む木漏れ日の具合から左の吽像の後ろから阿像を写しています。2021.03.01

古い狛犬にしばしば見られる低い台座にははっきりと”明治5年(1863年)・小倉村 石工 遠藤庄左エ門”文字が残っていました。小倉村は現在は須賀川市内になっている八幡神社に近い水郡線沿いの須賀川市小倉だと思います。約150年ほど前に地元の石工の人の彫った狛犬です。2021.03.01

左の吽像は保存状態がかなり良好で大きな欠落などはなさそうです。やはり毛の彫りや足元に彫られた牡丹と思われる彫りなどに高い技術を感じました。見応えのある150年以上の歴史を生き抜いた見応えのある狛犬に出会えました。かなり幸先が良い予感がします。 2021.03.01

小山の斜面を横切るようにして続く静かな参道脇に黄色の福寿草が咲いていました。果たしてわざわざ見る人が居るのでしょうか・・・勿体ない程の清楚な花の群れに出会いました。振り返れば雪の那須連山、この斜面だけには春が訪れた気配を感じさせてくれました。2021.03.01

 

鮮やかな黄色の花弁を開かせた福寿草が、緑の叢の中に灯りが灯るように点々と目に入ります。はぼ自然の状態を取り戻した野の花です。2021.03.01
古峯神社
古峯神社住所:須賀川市下小山田。八幡神社で良い狛犬に出会った後、次の神社に向かうべく鳥居を離れて僅か車を走らせると左に古峯神社の標識が立っていました。一見して狛犬は居そうに見えませんが、入り口の白梅の花に魅かれて石段を登りました。2021.03.01

石段を登り平らな場所に出てみました。2020.12.08

幾つかの石の神社が奉納されて祀られていました。夏になると雑草に覆われてしまうのかもしれませんが、奉納した氏子の方々の想いは冬になると形として姿を現してくれます。この繰り返しのサイクルで幾星霜が過ぎた事か。2020.12.08

石段の脇に隣接する家の方の白い梅がまさに満開の時を迎えたようです。青空を背景に大きく枝を広げて小さな花弁を咲かせてくれている梅の木を見て、何故か久し振りに花を見た気がしました。2020.12.08

石段の右手には白い梅の花、前方には少し前に見た八幡神社からの那須連山より更にはっきりとした山容が見えます。

左には那須茶臼岳朝日岳、更にその間には峰の茶屋の鞍部が見えます。右には旭岳がはっきりとその姿を見せてくれていました。2020.12.08

久し振りに訪れた須賀川市の神社はたった一人の参拝者を柔らかく包み込むように迎えてくれました。ただ参道を辿り素直な気持ちでただ頭を垂れました。それは極めて居心地の良い心のあり様でした。2021.03.01

03/16/2021
 
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