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狛犬を訪ねて№38白河から那須の狛犬①白河市の狛犬 |
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狛犬を訪ねて#38・2021年の初詣白河~那須~茨城:2020年12月27日、街を発って冬休みを過ごす為に県境の村にやってきました。高原の村の肌を刺すような夜の冷気は街のそれとは大きく異なります。10月に訪れた折り、厳冬に備えて風呂釜などボイラーの水抜き作業を行って帰りました。それでも何時も厳冬期に訪れるときにはボイラーが動き出すまで果たして大丈夫かいう不安が付きまといます。 今年の冬は特に寒さが厳しいので不安の種には事欠きません。ボイラー各部の栓を閉めてから電源をいれます、その後祈るような気持ちで井戸の電源を入れてみました。手前の台所のボイラーは水も漏れずに動き出しました。これなら大丈夫かと大きな風呂のボイラーの下に行ってみると衝撃的な光景が目の前に広がっていました。ボイラーの下から大量の水が流れ出していました。工事関係者の人が私の水抜きの後から水を通してその処理が不完全だったようです。凍てつく夜空の下で、親しい近所の設備屋さんに電話を入れて何とか一日で新しいボイラーを取り寄せて30日に取り付ける事で話がまとまりました。 高原の寒空の中で風呂に入る事ができない事は大きな楽しみがそがれたことになります。翌朝、何とか年末ながら那須にホテルを探して工事までの2泊を予約する事ができました。 風呂にも入れないので畑仕事も植木の手入れも出来ません、それなら神社を巡りながら久慈川流域の農産物直売所で再度ヤツガシラを探すことにして28日、県境の村を出発しました。雪をかぶった那須連山は真っ白です。2020.12.28 |
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コロナ・ウイルスの状況下、2021年の初詣は 12月28日~1月2日の間に分散して参拝する事にしました。 |
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狛犬を訪ねて38の1・白河市 近津神社⇒八雲神社 |
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近津神社住所:福島県白河市表郷金山犬神 。今日・明日と2泊する近所の那須湯本温泉”グランド・ホテル愛寿”は普通は泊まる気にもならない程近いので、朝から野菜を買い込みながら久慈川流域のJAの直売場を訪ねる事にします。一日目は、途中近すぎて一日だけではもったいない神社を尋ねる事にしました。例の通り出だしは白河市のJA直売場・り菜庵に立ち寄りました。美味しいそうなリンゴのB級品が並んでいたので大量に買い込みました。これで一安心です。今日の最初の神社は白河市の近津神社を参拝する事にしました。2020.12.28 |
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グーグルマップでは神社の手前の道が判然としません、何度か川沿いに入る道を進みますが行き止まりに突き当たりました。再度、以前来たことのある犬神ダムの方向に進んでみました。嬉しい事に左の川沿いに神社の鳥居が見えます。集落の方に断って道路の脇の広くなった場所に車を止めてから参拝をする事にしました。2020.12.28 |
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清冽な清流の流れを渡った先に如何にも温かみを感じる集落の神社と言う佇まいの境内が見られます。鳥居の前に奉納された狛犬はグーグルマップで調べた通り一見して地元白河の石工・野田平業の石像に違いなかろうと思いました。2020.12.28 |
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近津神社狛犬・石工 野田平業(推定)昭和4年(1929年) |
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右に置かれた阿像の狛犬、野田平業の石像としては一回り小型のサイズ、顔が横長の平業の大正から昭和初期の特徴がみられます。鼻、耳、口の開け方などの何処にも齟齬が見られないバランスの取れた造形の私には見慣れた野田平業の狛犬です。 玉取りの意匠ですが、平業の狛犬でしばしば見られる籠彫りではありません。 2020.12.28 |
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境内の差し込む光線の具合で左に置かれた吽像から阿像を写しました。静まり返った神社の中でも二つの狛犬が向き合った参道の周囲だけには恰も生き物の気配が感じられる気がしてきます。2020.12.28 |
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右が近津神社の拝殿、左に見える建物はお堂だと思われます。神仏習合の様子が感じられました。2020.12.28 | ||||
近津神社での参拝を済ませた後、来た道を更に進むと僅かでダムの排水口が現れます(近津神社のグーグル・マップをご参照ください)。砂利の坂道を僅かに登るとダムサイトの駐車場にでます。目の前に静かなダムが水をたたえて迎えてくれました。 | ||||
ダムサイトから近津神社の氏子の方々が暮らす集落が眼下に望まれます。神社は集落の右側に鎮座しています。 |
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白河市・八雲神社(2回目) |
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八雲神社住所:白河市大観音前。 近津神社で野田平業の狛犬を見たのち、妻が是非寅吉の石像も見たいという事で那須のホテルに向かう途中立ち寄る事にしました。私にとっては2回目の参拝になります。一回目の八雲神社。 驚いたことに氏子の方々の尽力で震災で地面に落ちた石像類が綺麗に泥を払われて石の上に置かれていました。寅吉の狛犬や幾つかの石像に取り囲まれて興奮してしまいます。 加えて長い石段とその参道を囲む竹林の先に鎮座する神社が極めて神域の趣に満ちている事も大変嬉しい事です。2020.12.08 |
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寅吉の石像が大量に奉納されている白河市借宿の羽黒神社と比較すると石灯籠の飾りの一部ではないかと推測しています。精緻で度肝を抜かれるような意匠の寅吉の石像に取り囲まれて大満足です。2020.12.08 | ||||
左に置かれた石像も石灯籠の一部ではないかと推測しています。2020.12.08 |
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白河市・八雲神社狛犬・明治28年 (1896年)小松寅吉(布孝) 推定 |
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一群の寅吉の石造物の中に”小松布孝”と”明治28年”の文字が刻まれています。分割して奉納されたとも考えられますが、一度で作られたと考えた方が合理的に思えるのでこの狛犬も明治28年と推定しました。 理屈を超えて私の心を鷲掴みに捉えて離さない寅吉らしい躍動感に溢れた右の阿像です。2020.12.08 |
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左置かれた子取りの吽像から阿像を写しています。辺りは静寂な神域とは場違いの生命感の溢れた空間が広がっているように感じました。2020.12.08 |
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左の吽像は子取りの意匠です。2頭の子供に纏わりつかれる狛犬の姿が極めてそれらしく彫られているように見えます。寅吉の狛犬に出会うと感じるどこか神社の境内と言う神域の制約を超えた創造物です。2020.12.08 | ||||
竹林に囲まれた斜面に続く長い石段を登った小山の上に拝殿は静かに鎮座しています。鈴を鳴らして素晴らしい寅吉の石像に囲まれた一時を感謝しながらお参りをさせて貰いました。2020.12.08 |
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八雲神社から年末にも拘わらず予約の取れた那須湯元温泉””グランド・ホテル愛寿”に向かう事にします。遠望する那須連山の上は雲で覆われていました。2020.12.08 |
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昨晩から風呂にはいっていないのでホテルの部屋に小さな手荷物を置いて直ぐに温泉に向かいました。それにしても余りにも近いので何か旅行に来た気分になりません。 渓流沿いにある露天風呂と内風呂で温泉の温もりで昨晩以来の緊張が少し溶けたようです。2020.12.08 |
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二日ぶりに入った風呂上がりのゆったりした気分で窓の外を眺めています。明日辿る八溝山塊の辺りに夕焼けの名残が赤味がかって残っていました。2020.12.08 |
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那須町の方向には街の明かりが見えます。2020.12.08 | ||||
一泊目はかなり満足する夕食でした。この後も幾つかの料理が出されました。残念ながら二日目の夕食は同じ料金とは思えないありきたりのバイキングでした。 2020.12.08 |
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01/31/2021 | ||||
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