夏休みの狛犬巡り別稿 その7・大谷資料館 1 2 3 4 5 6
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平和観音(全長27m):宇都宮市大谷町 *(禁)無断転載 |
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2019年夏季休暇の狛犬巡りと奥の細道を辿る旅 |
2019年、今年は少し長い夏季休暇をとり県境の村の手入れをしなければと早くから仕事の段取りを整えました。8月17日から27日まで休暇を取り、いつもは慌ただしくて行き届かなかった家の手入れに身をいれました。ゆっくりと草刈りやペンキ塗りなどの雑事をこなしながら、滞在中に鳥海山に登ろうと思い鳴子温泉に2泊しましたが、あいにくの天候悪化でそれも叶いませんでした。
岩波文庫の”奥の細道(曽良の旅日記が含まれた)”を手に塩竃⇒松島⇒尾花沢と芭蕉と共に旅をした思い出が大きく残りました。多くは芭蕉の見た風景とは大きく変わっているでしょうが、心の目で見る私の感慨はそれ程違和感を感じません。大きな思い出の残る旅となりました。私が陸奥に惹かれるのにはこの芭蕉と曽良の文章で知らしめてくれる文物に出会えることにありそうです。*岩波文庫・奥の細道を参照しています。
奥の細道を訪ねる旅の途次、幾つかの神社に立ち寄り中々訪れる事の出来ない遠隔地の珍しい狛犬に接する機会が持てました。県境の村近くの栃木県・福島県南部・東京都・埼玉県の狛犬しか目にする機会がなかったので、私には多くが見慣れない造形が多くその多様性に改めて目を開かさられました。
たまたま、南東北2泊3日の間、高速乗り放題で¥7,500と言うサービスを見つけて利用しましたがほぼ元を取っておつりがくるほど高速を利用する事が出来たお陰で旅の思い出が更に膨らむ事になりました。それにしても今回は途中で記録を消したしまいましたが街からの走行距離は1,500kmを超えたのではないかと思っています。
8月27日、街への帰宅一日早めて途中大谷の奇岩を見物する事にしました。やはり10日も県境の村に居るといささか帰心が募るのかもしれません。どうせなら大谷石の産地を尋ねながら、その途中にあって中々訪問が叶わない那須地方の狛犬を訪ねて見る事にしました。泥縄式なのですが、県境の村の近くの図書館のWi-Fiにノート・パソコンを接続してグーグル・マップで訪問先の知識を得ました。2019.08.27
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奥の細道と狛犬巡りを合わせて夏休の旅を行いました。上記別稿の旅の細道を合わせてご参照ください。*E加茂神社 E諏訪神社 は近日中に掲載申し上げます。
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奥の細道と今回の旅の地図 *2019年訪問地 は狛犬編 |
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@は狛犬巡りと一緒に回った”旅の細道”掲載分 松島から尾花沢@塩竃 ・AはA松島 B尿前の関 C山刀伐峠 掲載分。尚 は旅の細道と一緒に訪ねた狛犬編。
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平和観音:宇都宮市大谷町1174 |
カーナビに従って太い道を走ってくると平和観音の標識が見えました。右に平和観音(⇐地図@)、左に大きな公共と思われる無料の駐車場があります(⇐地図の現在地の位置です)。安心して見物が出来ました。
2019.08.27 |
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駐車場から小さな橋を渡った道路の反対側に石畳の道が平和観音に向かって真っすぐ伸びていました。右の建物はトイレです。
様子がさっぱり分かりませんがとにかく先に進んでみます。右手の岩山の上の大きな岩が”天狗投げ石”(下段説明板参照)と思われます。2019.08.27
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見上げる岩峰の頂上に早速奇岩が現れました。過日の大地震でも崩落を免れたようです。
天狗の投げ石の岩峰の下を過ぎると正面に強大な観音像が立っていました。2019.08.27
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平和観音 |
全長27mの手彫りで岩壁に彫りこまれた巨大な観音像を見上げています。左に石段が供えられていて上まで行けそうです。
駐車も自由でこの観音像も自由に見る事が出来ます。この先もどこか大らかな見所が続きます、どちらかと言うと個人的に観光地を避けて来たのですが大谷周辺ではどこもとても穏やかな気持ちで見物が出来ました。今まで日光には何度も通ったのに何故立ち寄らなかったかと後悔しました。
妻の希望で県境の村から街への帰路立ち寄った大谷ですが、大正解でした。2019.08.27 |
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石段を登り最上段の広場にやって来ました。平和観音のお顔が間近で見られました。これを彫り上げた時はさぞ大変な事であっただろうと思いました。
優し気な眼差しのお顔をしばしあちらこちらから見上げていました。近くに居た観光客の人と互いのカメラ(その方はスマホですが)で写真を交代で撮りあいました。2019.08.27 |
下から石段を上った広場の様子を写しました。しかし人間の日々の営みは信じられないほどの事を成し遂げるものだと感心しています。この広場の周りを中心にして、この岩山の殆どを切り出したのではないかと思われます。2019.08.27
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石段を下り少し離れて平和観音を見ています。巨大であることも大きなインパクトではありますが、広大な空の下、自然の岩壁に彫りこまれた事が仰ぎ見る者の心を静めてくれているように感じました。良い石像に出会いました。2019.08.27
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確かにコンクリート時代以前の建物には多くの大谷石が使われていたことを思い出します。この一帯を大谷公園と呼ぶそうですが(よく似た大谷景観公園も別にあります)、壁に石を切り出した跡が線状に見えます。2019.08.27 |
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左の案内板地図右端の駐車場のマークの地点から左端の平和観音像まで散歩してきました。
岩が切り出されて残った岩山が辺りを囲んでいます。その岩の壁がこの辺りの静寂を保っているようにも思いました。次の目的地大谷資料館に向かいます。2019.08.27 |
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大谷資料館:栃木県宇都宮市大谷町909。
平和観音から僅かで大谷資料館にやって来ました。広い無料の駐車場があるので安心して見学する事が出来ます。写真のパンフレットによれば大谷石地下採掘場跡の洞窟の広さは約2万u(140x150m)、深さは平均30m、最深部は地下60mと書かれています。野球場が一つ収まる広大な空間です。内部の平均気温は約8度との事です。
見終わった後にその広大な穴の中の見学に大きな印象が残りました。この広い暗闇の空間は、人間が日々の暮らしの為に営々と穴を掘り続けた長い年月の結果に思えます。洞窟に飾られた石掘る石工の姿が表す日々の暮らしです。
その長い時間の間には、多くの汗のみならず命を落とし血が流されたこともあったに違いありません、その姿が目に浮かんだ故の感動です。その物語がこの巨大な空間には詰まっていると思ったのです。
広大な畑に花を10万本植えた話にはそれ程興味を覚えませんが、この巨大な洞窟が作られた過程には大き驚きと感動を感じました。2019.08.27
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駐車場の左前に資料館への入り口の看板が見えました。観光地らしくない堅苦しい名前なのでどういう場所なのかさっぱり見当が付きませんでした。
余り、観光地に行かない私でもこの大洞窟は大いに楽しむことが出来ました。思わせぶりの名前が多いい観光地のそれとは違って、大変清々しい印象が残った場所でした。それは、半袖では少し寒いと感じる冷蔵庫並みの気温のせいもあるかもしれません。2019.08.27 |
人々が表面を切り落とした岩山が周りを囲んでいます。観光バスも止まって居るので団体の人達も訪れる人気の場所のようです。2019.08.27 |
入場料の¥800を払って石段を下りて行きます。冷たい空気が体を包みます。薄暗い先を目指して恰も奈落の底に向かう気分で石段を下ります。2019.08.27 |
パンフレットによれば洞窟の深さは平均30m、最深部は地下60mと書かれていました。石段はまだまだ下ります。人の列は所により若干見られますが概して静かです。2019.08.27 |
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若干の登り下りはあってもほぼ洞窟の底部に降りたようです。不思議な風景が僅かな光に浮かんできます。陳腐な感想ですが滅多に目にする事のない、光が生み出す神秘的な風景が辺りに充満しています。2019.08.27 |
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映画の一場面の中に立っているような気分になります。普段目にする事の無い場所に立っている不思議な感覚です。2019.08.27 |
恰も石舞台のような真四角な空間が広がる広場に出ました。切り出した石の輪郭が大量に周囲の壁にその痕跡として残っています。人間の継続して続く日々の働きに敬服します。
どれだけの大谷石が地上に運び出されたのか、多分膨大な数になる事でしょう。
どうにも取り付くしまもない無機質な見物は、観賞した後爽快な感じがのこるのかもしれません。今回の観光地の訪問は大変楽しい印象が残りました。2019.08.27 |
登りの石段が廊下の脇に続いていました。左の壁には石を切り出した痕跡が陰影を伴って剥き出しに見えます。2019.08.27
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地下洞窟の中は迷路のように石段が続きます。何時からか団体の人達とは距離が出来たようで静寂が体を押しつぶしてくるような感じになります。大げさなのですが、やはり住み慣れない地底はどこか地面の上より重力をより感じる気になります。2019.08.27 |
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大谷資料館を出てから、既に夕方も近いので山門が閉じる前に多気山不動尊を参拝しました。その後大谷資料館に隣接する大谷景観公園にやって来ました。
この公園もトイレのある公共の無料の駐車場が完備していました。ベンチに座り景色を眺めながらポットのお茶を飲み休憩をします。2019.08.27 |
そそり立つ岩壁の際を川が流れています。中々美しい風景です。秋の紅葉が美しい場所かも知れません。2019.08.27 |
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既に公園の街燈には灯りが灯っています。夕方の近い見知らぬ場所で迎える夕方の風景は旅愁を誘われます。そろそれ暮らす街に戻る時間のようです。随分長かった夏休みが終わる風景を目に焼きつけました。2019.08.27 |
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8月18日〜27日までの今年の夏休みは普段の生活に戻れるかと案じるほど長く感じました。最後の大谷へを訪ねる旅で終わりとなりました。東北道を南下、街の我が家に到着した頃には既に夕飯の時間です。夕飯の心配をしている内に街での暮らしが蘇ってきました。2019.08.27
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本日カウント数-
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昨日カウント数-
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Provided: Since Oct.10,2007 |
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